神社の神殿や、ホテルや結婚式場の館内神殿で行う神前式。参列するのは新郎新婦の親族のみでしたが、最近では友人や同僚が参列するケースも増えています。
「神社での結婚式って何を着ていけばいいの?」
「特別なマナーはある?」
「見に行くだけでも服装は気にするべき?」
神前式への参列が初めてだと、どのような服装がふさわしいのか悩みますよね。伝統のある神社なら、なおのこときちんとした決まりがあるのではと、不安に思う方も少なくないでしょう。
そこで今回は結婚式での服装のマナーや、神社での結婚式で気を付けたいポイントをまとめました。
立場別にどのような服装がふさわしいかも解説しています。結婚式の服装に悩んでいる方はぜひ参考にしていただき、節度を守った服装で神前式に参列しましょう。
神前式のゲストの服装マナー
神聖な場所での結婚式は特に格式を重んじて失礼にあたらないよう気を付けることが大切です。
服装には格が高いものから、正礼装、準礼装、略礼装と続き、結婚式でのゲストの服装は準礼装が基本とされています。式場やパーティの雰囲気によっては略礼装でもよく、二次会などのカジュアルなパーティのドレスコードです。
ゲスは準礼装か略礼装を基本に装いましょう。ただし、主賓はゲストの中でも一番格の高い来客になるので、ほかのゲストよりもかしこまった服装にします。
ゲストも和装必須?
神前式の参列時、ゲストが和装を選ぶか洋装を選ぶかは個人の自由です。和装にすると統一感が生まれるので、迷うのであれば和装をおすすめします。
和装を準備するには、レンタル費用や手間がかかるため、洋装を選ぶゲストも少なくありません。フォーマルなドレスやスーツを選べば、全体の雰囲気を崩すことなく神前式に参加できます。
神前式のゲストに和装が必須というわけではありませんが、和装を選ぶことで新郎新婦も喜ばれるでしょう。新郎新婦の意向や結婚式のスタイルに合わせて、適切な装いを選ぶことが重要です。
1.洋装の場合のマナー
洋装の場合はフォーマル感のある服装を選び、新郎新婦や親族を不快にさせない格好を心掛けましょう。
▼女性の服装マナー
セミアフタヌーンドレスが基本とされているので、肌の露出を避けた控えめなデザインを選びましょう。
ノースリーブのまま参列することも招待客としては望ましくありません。
夏でも半袖のドレスやストール・ボレロを羽織って参列しましょう。
デコルテや二の腕がカバーされていて、スカートは膝丈もしくは膝下丈がベストです。
タイトなシルエットで、ボディラインが出るドレス、暑い時期でも肌の露出はNG。
主役は花嫁なので、白や白に見間違いやすい薄い色は避け、派手過ぎず控えめな装いを心掛けます。
アクセサリーも控えめがよく、パールのネックレスや一粒のイヤリングが人気です。
大ぶりなものや揺れるものは、結婚式ではふさわしくありません。
アクセサリーのマナーについては以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7153/
女性の服装については、次の記事でも詳しく解説しているので、併せてチェックしてみましょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6673/
▼男性の服装マナー
男性の準礼装の服装は、ブラックスーツやディレクターズスーツになります。
ネクタイは白や光沢のあるグレーを、靴は黒の革靴を合わせ、カフスリングやネクタイピンでおしゃれに装うのもおすすめです。
ネクタイの柄は細いストライプや小紋柄など、派手過ぎないものを選びます。
ネクタイのマナーについては次の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6771/
ビジネススーツは結婚式では野暮ったくなってしまうため、ブラックスーツを用意できなかった時の最終手段としましょう。
その場合は、ネクタイやポケットチーフなどの小物類で、華やかさに装えばOK。
男性の装いについても次の記事で詳細に解説していますので、参考にしてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6687/
2.和装の場合のマナー
男性で和装を着るのは新郎様と親族のみで、友人などほかの参列者が和装を着ることは、ほとんどありません。女性の場合は結婚式の雰囲気が華やかになるので、和装を着たいところ。
女性が和装を選ぶ場合は留袖、訪問着、振袖が選ばれます。花嫁が色打掛で着ることが多い赤色は避けて選んでみてください。
着物で呼ばれた際のマナーについては以下の記事が参考になるでしょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6937/
男性の場合は、紋付羽織袴が正式な和装となりますが、羽織袴が一般的です。ただし、かしこまりすぎると親族に間違われる可能性もあるので注意しましょう。
ヘアアクセサリーは、生花や造花は花嫁がつけるものとして避け、ほかの素材のものをつけるのがマナーです。
▼新郎新婦は何を着るのか
新郎新婦の衣裳は、最も格式の高い正礼装が基本です。
神前式の場合、新婦様は白無垢や色打掛になります。
新郎様は黒の五つ紋付き羽織袴が定番ですが、最近では黒以外を選ぶ方も増えています。
神前式のお色直しで色打掛を着ることもあれば、洋装にチェンジしてウェディングドレスやカラードレスを着るパターンも多いでしょう。
新郎様は新婦様が和装か洋装かに合わせて、和装の場合はそのまま紋付き羽織袴を、洋装ならタキシードへとチェンジします。
▼おすすめのレンタル着物
ゲストの立場でおすすめなのは、振袖か訪問着です。未婚の若い女性であればぜひ振袖を選んでください。
こちらの振袖は紺と白のモダンな色合いが美しく、鶴と菊の模様が伝統的な神前式にぴったりでしょう。
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こちらの訪問着は鮮やかなブルーが会場に華やぎをもたらしてくれるでしょう。ドレスの友人と並んでも見劣りしない色合いです。
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神前式での服装で気を付けたいポイント
次に、神社での結婚式に参加する時に気を付けたいポイントを解説していきます。
神前式だからと着物を着る必要はなくドレスでも問題ありませんが、神社は格式が高めなので準礼装がふさわしいです。
神前式は親族が中心になるため、友人として参加する時は品の良さも意識すると、厳かな結婚式にも申し分ない服装で臨めますよ。
挙式から参加する場合の注意点
神社にはクロークやロッカーがないことが多いので、荷物は必要最小限にしましょう。神殿内にも置く場所はなく、ゲストも進行中に動作があるので、かさばる荷物は邪魔になってしまいます。
また以下の点にも注意して準備してみてください。
- ピンヒールは玉砂利と相性が悪い
- 神殿は裸足NG
- 手荷物は最小限にする
- 寒さ対策をしておく
- 正座に備えてスカート丈に注意
▼ピンヒールは玉砂利と相性が悪い
靴はピンヒールを避け、カジュアルすぎない、太めの安定したヒールのものを選びましょう。
神社の場合、神職や巫女を先頭に、新郎新婦や列席者が並んで歩く「参進の儀」を行うこともあります。
玉砂利の上や石畳の参道を移動することになるので、コツコツと音が響かない歩きやすい靴を履いていきましょう。
▼神殿は裸足NG
神殿には靴を脱いで上がるため、必ず肌色のストッキングや足袋を履きます。
ストッキングはプレーンなものを選び、冬の時期でも黒色や厚手のタイツはNGです。
男性は、無地かワンポイント程度の、シンプルな黒の靴下を合わせましょう。
裸足で上がることのないように注意してください。
また、穴あきや足裏に汚れがないかのチェックもしっかり行っておきましょう。
▼手荷物は最小限にする
神社にはクロークやロッカーがないことが多いので、荷物は必要最小限にしましょう。
神殿内にも置く場所はなく、ゲストも進行中に動作があるので、かさばる荷物は邪魔になってしまいます。
膝の上か背中に挟んで置けるように、小ぶりなパーティバッグと羽織もののみの最小限にしましょう。
▼寒さ対策をしておく
神社の神殿には暖房設備がないケースも多く、冬は防寒対策も必要です。
ストッキングを二重にしたり、カイロを持ち込んだりと、装いを崩さない程度に工夫しましょう。
羽織りものも、ショールよりジャケットの方が寒さ対策になります。
コートを着ていく時は、衿のあるチェスターコートや、スタンドカラーコートが無難です。
毛皮やファー・アニマル柄などは殺生をイメージさせるため、良くないとされています。
結婚式に着ていくコートについて、詳しく紹介した記事もあるので、併せて参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7309/
▼正座に備えてスカート丈に注意
神前式に参列する際、正座を求められるシーンが多いため、膝が完全に隠れる丈のスカートやワンピースを選ぶことが大切です。
少しゆとりのあるシルエットや、柔らかい素材のスカートを選ぶことで、快適に正座ができるでしょう。
披露宴から参加する場合
披露宴から参加する場合は神殿に入ることはないため、結婚式にふさわしい格好であれば問題ありません。
結婚式が和装だから披露宴会場も和風とは限らず、和モダンだったり、お色直しのドレスに合わせて洋風の場合もあります。
結婚式のスタイルではなく、会場のテイストに合わせて考えれば、より披露宴の雰囲気に合った装いができるでしょう。
- 神社に併設された会場の場合
- ホテルなどへ移動する場合
▼神社に併設された会場の場合
神社に併設された会場は、和風であることが多いです。
少人数の結婚式だと座敷に通されることもあるため、座りやすい服装にしておけば間違いないでしょう。
特に足元には気を付けて、スカートはひざ丈を、靴を脱ぐことも想定してストッキング着用がベストです。
また、神社に併設していると披露宴会場までの道中も砂利道を歩くことが考えられるため、歩きやすいヒールの靴を選びましょう。
▼ホテルなどへ移動する場合
ホテルなどへ移動する場合は、披露宴を行う会場の雰囲気に合わせるのが基本になります。
和装での結婚式には、披露宴会場も和風やモダンな雰囲気のケースが多いです。
また、新郎新婦だけでなく神前式に参加した親族も正礼装のまま会場に向かうので、全体的にフォーマル感が高めな雰囲気になります。
会場の雰囲気だけでなく主催者の装いも参考に、ふさわしい格好を心掛けましょう。
見に行くだけの場合
参進の儀を見に行くだけでも先頭の新郎新婦の目に入る可能性があるので、気にしたいポイントです。神前式では、神聖な儀式であることを意識し、スーツやワンピースなどきちんとした服装を選びましょう。
▼結婚式の服装でなくてOK
参進の儀を見学だけする場合、礼服である必要はありません。
カジュアルすぎず、しかし過度にフォーマルでもないスタイルが望ましいです。
明るい色合いや、控えめなデザインを選ぶことで、場にふさわしい印象を与えることができます。
結婚式の参加者ではなく参拝客としての服装を考えるとちょうどよいでしょう。
▼スーツやワンピースがおすすめ
神前式の見学では、男性は落ち着いた色合いのスーツが理想的です。
ネクタイはシンプルなデザインを選ぶと良いでしょう。
女性はワンピースやエレガントなスタイルが適しています。
落ち着いた華やかさを意識したデザインが望ましいです。
神前式における親族の衣装
新郎新婦や主催者側の家族は格式の高い正礼装が基本なので、主役や主催者に準じる服装を心掛けるとよいでしょう。
親族の衣裳は、新郎新婦と同じ正礼装か一つ格下の準礼装となります。
兄弟や祖父、おじなどの男性親族はブラックスーツやダークスーツで、ネクタイは白かグレーを合わせましょう。
洋装を選ぶ場合はセミアフタヌーンドレスや、フォーマルな雰囲気のワンピースを選びましょう。
母親・父親の衣裳
両親は新郎新婦に合わせて正礼装にするのが基本です。父親は黒の五つ紋付き羽織袴かモーニング、母親は五つ紋の黒留袖かアフタヌーンドレスを選びます。
新郎新婦の両親の服装は和装と洋装どちらでもよく、両親間で和装と洋装を揃えなくてもおかしくありません。格が揃っているかどうかが大切です。
結婚式の服装で多いのは、父親が洋装のモーニング、母親が和装の黒留袖のパターン。神前式だと、父親が黒の紋付袴で母親が黒留袖という、両方和装というケースもあります。
両家間でも揃える必要はありませんが、どちらも正礼装してもらう点は守りましょう。
結婚式における父親の服装については以下の記事で詳しく紹介しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/8997/
▼黒留袖の注意点
黒留袖は神前式で母親が着る最も格式の高い和装ですが、選び方と着こなしには注意点があります。
新郎新婦に近い立場の親族ほど、格の高い衣装を着用することが一般的です。
母親が黒留袖を着ない場合、他の親族も黒留袖を着ないようにしてください。
黒留袖の着こなしやマナーについては以下の記事が参考になるでしょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/9364/
兄弟・姉妹の服装のポイント
兄弟や姉妹は、正礼装の新郎新婦や両親より控えめな準礼装か略礼装で。
男性は、ディレクターズスーツやブラックスーツ、もしくはダークスーツでもかまいません。女性は、フォーマルなドレスかスーツを選びましょう。
和装の場合は訪問着か、未婚なら振袖にすると日本らしい雰囲気に統一できます。和装にする時は、新婦と色や柄が被らないように事前に確認しておきましょう。
▼姉妹におすすめのレンタル衣裳
神前式用に衣装を新調するのも大変ですよね。そんな時は、一式まとめて借りられるレンタル衣装が便利です。
ここでは、姉妹が着るのにおすすめの振袖や訪問着、ドレスをピックアップしました。
落ち着いたグリーンに、牡丹や鶴などのおめでたい古典柄が刺繍された振袖。
柄の華やかさがありながら派手すぎず、格式を求められる神前式にも合うでしょう。
グリーンは、新婦の衣裳とかぶりにくいのもポイントです。
灰色がかった薄い青紫に雲の模様をぼかし、牡丹や桜、藤、菊などの花で、丸い文様をあしらった訪問着です。
ピンクやクリーム色、ゴールドなどの明るい色の柄が、ほんのり華やかさや若々しさを感じさせてくれます。
レースとチュールを重ねたドレスは、黒でも重くなりすぎません。
すっきりとエレガントでありながら、パフスリーブの甘さが若さを感じさせてくれます。
すね辺りのミモレ丈なので、座っても膝が出ないのもポイントです。
祖父母の服装ポイント
祖父母の場合は、両親と同等か少し控えめに。祖父はディレクターズスーツやブラックスーツ、父親が和装の時は紋付袴で揃えて着ることも多いです。
祖母はスーツやドレス、もしくは黒留袖を選びます。
しかし、高齢だと疲れすぎてしまうこともあるでしょう。その場合は、マナーにこだわりすぎず着心地の良さを優先してもかまいません。
おじ・おばの服装のポイント
おじ(伯父/叔父)・おば(伯母/叔母)の立場で出席する場合は、新郎新婦やふたりの両親より格上の服装を選ばないように注意しましょう。
男性はディレクターズスーツやブラックスーツを。女性は、落ち着いた色のフォーマルドレスやスーツがふさわしいです。
和装にする場合は、色や柄があまり派手すぎない色留袖や、訪問着でも差し支えありません。
いとこの服装のポイント
いとこの場合は、準礼装や略礼装を意識した服装選びがポイントです。男性は、ブラックスーツに白やシルバーのネクタイ、もしくはダークスーツを選びましょう。
女性は、落ち着いたフォーマルドレスやスーツを。既婚女性は訪問着、未婚女性は新郎新婦の姉妹と同様に振袖を着ても大丈夫ですが、新婦の衣裳と同じ色柄は避けましょう。
和装かどうかは新郎新婦の意向に合わせよう
神前式で親族が着る衣装を選ぶ際には、新郎新婦の意向を尊重することが重要です。親族だから和装でなければならないということはなく、洋装でも問題ありません。
重要なのは、新郎新婦が描く結婚式のイメージに沿った服装を選ぶことです。事前に新郎新婦と十分なコミュニケーションを取り、具体的な希望について確認しておくと、安心して当日を迎えられます。
まとめ:神前式にお呼ばれされたらフォーマルな服装を意識しよう
神社やホテルなどの神殿で行う神前式は、格式のある結婚式のスタイルのため、ゲストの装いもかしこまった服装が求められます。
最近では親族だけでなく友人も神前式に参加することが増えたため、服装に悩む方も多いでしょう。列席者も和装がいいのではと考えがちですが、ゲストは和装でも洋装でもかまいません。
基本的には、新郎新婦や両親は正礼装、親族は正礼装か準礼装、そのほかのゲストは準礼装か略礼装と、立場によって衣裳の格が決まっています。
結婚式には参加せずに披露宴から出席する場合も、披露宴会場の場所や雰囲気に合った装いにすることがマナーです。
初めての神前式でも新郎新婦や家族に失礼のないように、結婚式にふさわしい服装選びを心掛けましょう。