結婚式の二次会に参加する時は「ご祝儀を用意した方がいい?」「会費はどうやって渡すの?」と、いろいろ疑問を持つ方も多いでしょう。
実際、二次会の当日に「受付でもたついてしまった」「周りと服装が違って浮いてしまった」という方も少なくありません。
披露宴と二次会では求められるマナーが異なるため、二次会ならではのマナーを理解しておくことが大切です。
そこで今回は、多くの結婚式を手掛けた元ウエディングプランナーの筆者が、二次会で押さえておくべきマナーについて解説します。本記事を参考にすれば疑問が解決されるでしょう。
自信を持って二次会の受付を通れるように、会費の用意や渡し方、服装の選び方などを、この記事でしっかり身につけてください。
二次会の会費について
結婚式のご祝儀は、金額の一部に料理や引出物の代金を含みつつも、基本的にはお祝い金として渡すものです。
一方で、会費制の場合は参加費を支払うスタイルで、飲食代・会場使用料・ゲーム代などに充てられるのが一般的です。そのため、ご祝儀と会費は金額も用意の仕方も異なります。
ご祝儀制ではなく会費制であることがほとんど
結婚式では、披露宴はご祝儀制で二次会は会費制になることがほとんどです。
ご祝儀はご祝儀袋に入れたお金を受付で預かり、その後は新郎家・新婦家に渡します。しかし、二次会の会費は、幹事が預かって集計や会計まで行うのが大きな違いです。
会費の渡し方についてのマナー
二次会は借りられる時間が決まっていて、押してしまうと延長料金を取られることも少なくありません。受付でもたついてしまうと、その後のスケジュールに影響が出てしまいます。
そのため、会費を渡す時に、不要な手間をかけないように気を配ることが大切です。
- お金はご祝儀袋に入れずに用意する
- お釣りが出ないようにする
- 新札でない綺麗なお札で用意する
- 小銭で支払わない
▼お金はご祝儀袋に入れずに用意する
二次会の会費は、ご祝儀袋に入れずに現金のまま用意しましょう。ご祝儀袋に会費を入れて渡してしまうと、入っている金額が正しいか、ご祝儀袋を開けてみないとわからないですよね。
二次会では、会場への支払いを当日集めた会費で行うことが少なくありません。そのため、集計する時に、ご祝儀袋から出す手間がかからないようにするのがマナーです。
▼お釣りが出ないようにする
二次会の会費を渡す時には、お釣りが出ないようにちょうどの金額で用意しましょう。
受付でもお釣りの準備はしますが、必要な人が多すぎると足りなくなるかもしれません。そうすると、受付係はお釣りのやりくりに悩んだり、お金を崩しに行ったりして、時間をロスしてしまいます。
お釣りのやりとりをしないことは、時間通りに受付を進めるためにも大切なマナーです。
▼新札でない綺麗なお札で用意する
結論から言うと二次会の会費では新札ではなく、ピン札や綺麗めのお札が喜ばれます。
理由は新札が重なるとくっついて数えにくいため、受付で余計な時間がかかってしまうからです。
かといって、汚れや破れなどでボロボロなお札は、お祝いイベントの場にふさわしくありません。
なるべくきれいなお札を用意して、二次会を楽しみにしていた気持ちと感謝を表しましょう。
▼小銭で支払わない
会費を小銭で支払うと受付混雑の原因になり、他のゲストと新郎新婦に迷惑をかける可能性があります。
会費は事前にぴったり分お札で用意し、スムーズに渡せる準備を整えておくと親切です。
小銭は重く管理も大変なので、なるべくお金の種類は少なく支払うようにしましょう。
二次会の会費の渡し方
二次会での受付は、名前の確認と会費の支払い、パーティで使うものの受け渡しなどが行われます。
受付で自分の順番が来たら、まずは名前を名乗りましょう。受付係が名簿を確認したら、会費を渡します。マネートレイがあればその上に、なければ直接手渡しで渡すと丁寧です。
会費の確認後は、席の案内や注意事項などの説明があります。お手洗いの場所などは、このタイミングで聞いておくと安心です。
最後に、ビンゴカードなど、二次会に必要なものを受け取ったら受付の手続きが終わります。
スムーズに受付を済ませるコツ
スムーズに受付を済ませるためには、ひとつひとつの動作でもたつかないことが大切です。ここでは、心がけるべきコツを2つ紹介します。
- 会費をすぐ渡せるように用意して並ぶ
- 手荷物をまとめておく
▼会費をすぐ渡せるように用意して並ぶ
二次会の会費は、すぐに渡せるように財布からお金を出して並びましょう。自分が受付をする時に、バッグから財布を探したり、お札を数えたりなどをやっていては、時間がかかってしまいます。
受付から促される前に用意しておけば、手を止めさせることもありません。封筒にぴったり入れておいて、その場でさっと出すのもよいでしょう。
▼手荷物をまとめておく
預けておきたい手荷物は、事前にまとめておくのも大切です。
披露宴からそのまま二次会に出席する場合は、引出物バッグなどを預けておきたいですよね。冬場なら、コートやマフラーなどもあるでしょう。
受付時にまとめたり脱いだりしていては、後ろがつかえてしまいます。手荷物をさっと渡せるように、ひとつにまとめておくとスムーズです。
二次会の服装マナーについて
二次会は、披露宴と比べるとカジュアルな雰囲気になりますが、あまりにもラフな服装はお祝いの場にふさわしくありません。また、どういった雰囲気の場所で行うかでも、選ぶ服装が異なります。
二次会らしい適切な服装を選べるように、しっかりマナーをチェックしておきましょう。
会場に合わせた服装選びのポイント
二次会の服装は、会場の雰囲気に合わせて選ぶのがポイントです。
▼二次会の開催場所
- 居酒屋
- レストラン
- ホテル、結婚式場
また、最近では結婚式を行ったホテルや結婚式場で、そのまま二次会を行うケースも少なくありません。ここでは、それぞれの会場に合わせて、どのような服装を選ぶとよいかを解説していきます。
▼居酒屋で二次会のときの服装
居酒屋での二次会では、きれいめを意識した服装を選びましょう。
くだけすぎた服装では、新郎新婦に失礼にあたります。
男性はノーネクタイのジャケットスタイルでスマートに。
女性は、ドレッシーなカットソーやシャツに、スカートやパンツを合わせるなど、カジュアルすぎない服装がおすすめです。
▼ レストランで二次会のときの服装
レストランでの二次会では、かしこまりすぎないセミフォーマルを意識しましょう。
二次会だからと、ラフすぎる服装では浮いてしまいます。
男性は、スーツやシャツにジャケットを合わせてかっちりめに。
女性は、派手すぎない色柄のワンピースやセットアップで、エレガントな服装を心がけましょう。
▼ホテルや結婚式場で二次会のときの服装
ホテルや結婚式場での二次会では、フォーマルを意識した少しかしこまった服装にしましょう。
披露宴に出てもおかしくない服装であれば、間違いありません。
男性は、ダークスーツにベストを合わせたスリーピースがおすすめです。
女性は柄物を避け、落ち着いた色のワンピースやパンツドレスなどがよいでしょう。
二次会でもNGな服装
結婚式の二次会では、Tシャツやジーンズなどのカジュアル過ぎる服装はNGです。主役は新郎新婦なので、ふたりより目立つ服装もふさわしくありません。
新婦が着る白やカラフルすぎる色柄、葬式を思わせる全身黒や殺生につながるファーやレザーも避けましょう。また、大きく開いた胸元やミニスカートなど、露出の多い服装も品がなく見えてしまいます。
結婚式の二次会についてよくある質問
最後に、結婚式の二次会についてのよくある質問を5つ紹介していきます。知らずにいると、迷惑をかけたり周りから浮いたりしてしまうので、しっかりマナーを理解しておきましょう。
Q1.会費とは別に「お祝い金」を渡すべき? ご祝儀をもらっている場合は?
A.二次会からの参加であれば、お祝い金は必要はありません。
ただし、先に自分の結婚式に招待していてご祝儀をもらっている場合は、お祝い金を用意するとよいでしょう。
いくらご祝儀でもらったかによりますが、5000円~1万円くらいの相場感で用意すれば、無難に気持ちよく受け取ってもらえる可能性が高いです。
あまり高額だと、相手もお返しを考えなくてはならず負担になってしまいます。
Q2.プレゼントを用意したいがどうすればいい?
A.できれば、結婚式の1~2週間前か、後日改めて渡すのがおすすめ。
二次会の当日は新郎新婦も慌ただしく、ほかの荷物も多いので迷惑になってしまうかもしれません。
どうしても当日にしか渡せないというのであれば、持ち帰りやすく、すぐに開封しなくてもいいものを選びましょう。
喜んでもらえるか心配なときはギフトカードやカタログでOK。
新生活で役立つ家電やキッチングッズなどが載っているものを選びましょう。
手渡しできないときは宅配などで届ければ大丈夫です。
Q3.平服でお越しくださいって何?
A.「平服でお越しください」とは、礼服ほどかしこまった服装ではなくてもよいという意味です。
カジュアルな普段着という意味ではないので気を付けましょう。
男性はきれいめのスーツやジャケットスタイル、女性はワンピースやセットアップなど、華やかで上品に装えば失礼になりません。
Q4.なぜ新札では用意しないの?
A.新札は、お札同士が貼り付いて数えにくいためです。
新札は折り目がないためぴったり張り付いてしまい、一枚ずつ数えにくいという特性があります。
二次会では、幹事が受付で多くのゲストの会費を一度に数える必要があるため、くっついていると数え間違える可能性も。
また、二次会の会費は新郎新婦に渡るものではなく会場に支払われるため、新札を用意する必要はありません。
二次会の会費は、あくまで会場費や景品代などの実費費用に過ぎないのです。
Q5.ピン札って何?
A.ピン札とは、使用されたことはあるものの、折り目や汚れのないきれいなお札を指します。
新札とは異なり、既に流通している紙幣ですが、見た目がきれいである点が特徴です。
シワや折れのないお札を指すため、新札が用意できなかったときにお札にアイロンをかけてピン札に仕立てる方法もあります。
まとめ:二次会でもマナーをもって出席しよう
結婚式の二次会は、格式を求められる披露宴とはマナーが異なります。
例えば、披露宴ではご祝儀を渡すのに対し、二次会では会費制がほとんどです。スムーズに進める必要があるため、会費を袋に入れずにそのまま現金で渡します。
また、二次会を行う場所は、ホテルや結婚式場、レストランや居酒屋などさまざまで、雰囲気にあった服装選びも大切です。
二次会には、新郎新婦に失礼にならないように、ふさわしいマナーで出席しましょう。