モーニングコートとは? 結婚式における服装マナーについて | 結婚式場の選び方

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結婚式ではモーニングコートを着ようとお考えのお父様や新郎様が多いのではないでしょうか。
ただモーニングコートはめったに着る機会のない衣装なので、着こなし方がよくわからない方もいるかもしれません。

「そもそもモーニングコートってどんな衣装?」
「他の衣装との違いを知りたい」
「モーニングコートを着るときの注意点は?」

本記事では、モーニングコートの特徴や着用マナー、コーディネートの仕方などを元ウエディングプランナーが徹底解説
モーニングコートについての知識を深め、初めて着る衣装でも上手に着こなせると良いですね。

モーニングとは

画像:花嫁を花婿に引き渡すタキシードの父親

モーニングコートとは、後ろ側の裾が長いジャケットに、縦縞のグレーのスラックスを合わせた衣裳のこと。
モーニングコートは、18世紀にイギリスの貴族が朝の日課である乗馬をする際に着用していた乗馬服が起源になっています。

乗馬服は元々はフロックコートと呼ばれる裾が膝丈まである長い着丈でした。
しかし馬に乗る際に長いコートの前裾が邪魔になり短くカットしたため、カット・アウェイ・フロックコートとも呼ばれるのです。

まずはモーニングコートがどんな衣裳なのか見ていきましょう。

男性の昼の正礼装

イラスト:モーニングコートの解説

モーニングコートは昼の時間帯の正礼装とされ、特に英語圏では夜間のイベントでは着用されないことが一般的です。
国際的な式典や政治家の内閣発足などフォーマルな場で着用されているのを見たことがあるかもしれません。

しかし、日本においては昼夜の服装の区別が曖昧であり、ナイトウエディングなどでも着用できます。
新郎様やお父様がモーニングコートを選ぶ場合、結婚式の時間帯に関係なく選んで大丈夫です。

 

モーニングコートを着る人

結婚式におけるモーニングコートは、主に新郎新婦の父親の衣装として定番です。
ゲストがモーニングコートを選ぶことは少なく、主役のイメージがある衣裳と言えるでしょう。

▼2人ともモーニングコートでもいいのか

新郎様とお父様が共にモーニングコートを着用すると、衣裳が被ってしまうと心配になる方もいるかもしれません。
しかし、花婿用の衣裳と父親用ではデザインが大きく異なるため、同じモーニングコートと言っても全くの別物です。
お父様が着るモーニングコートは、ドレスコードの基本に忠実で細かなルール通りのデザイン。
一方新郎様のモーニングコートは、ジャケットの裾は特徴的な形を保ちつつも、色やデザインが華やかになっています。

新郎様は主役のため華やかなデザインを選び、黒ジャケットにグレーストライブのスラックスという定番デザインは避けましょう。

 

レンタルで用意する人がほとんど

結婚式でのモーニングコートについては、多くの方がレンタルを選びます。
実際、個人でモーニングコートを購入している方はほとんどいません。

レンタル衣裳のメリットは、サイズ調整やトータルコーディネートを専門のスタッフが提案してくれる点です。
結婚式場では多様なデザインから選ぶことができ、適切なフィッティングも受けられます。

モーニングコートとその他衣裳との違い

画像:花嫁と腕を組むモーニングコートを着た父親

結婚式では主役である新郎様だけでなく、両家の代表としてお父様も正礼装を着用しなくてはいけません
その昔、結婚は家と家の結びつきを宣言する儀式であり、家長である父親は主催者の中心でした。

時代とともに結婚はプライベートなものという価値観に変化してきましたが、父親が主催者側の立場であるのは変わりません。
主催者側であるお父様もスーツではなく、正礼装でゲストをお出迎えしましょう。

正礼装とはフォーマルな場で着用する最も格式の高い服装のこと。
洋装ではモーニングコートやフロックコート、燕尾服(場合によってはタキシード)が正礼装で、和装では紋付羽織袴が正礼装です。

それぞれの衣裳の特徴とモーニングとの違いについてご紹介しますので、参考にしてくださいね。

スーツとの違い

モーニングコートとスーツの主な違いは、その格式と用途です。

モーニングコートは、昼の正礼装として位置づけられ、特に結婚式や正式な行事において新郎様やお父様が着用します。
一方スーツは略礼装や準礼装に分類され、結婚式に友人として参列する際やカジュアルウエディングに適した服装です。

スーツはビジネスシーンからプライベートまで幅広く着用されますが、モーニングコートは特定のシーンしか着用機会がありません。
似たような形でも衣裳が持つ意味は全く異なります。

 

タキシードとの違い

モーニングコートとタキシードは、結婚式などの正式な場で着用される衣装です。

タキシードは準礼装または新郎の正礼装として知られており、披露宴やフォーマルなイベントで着用します。
黒色のカマーバンド、蝶ネクタイを合わせたスタイルは「ブラックタイ」と呼ばれることも。

一方、モーニングコートは昼の正礼装とされ、特に父親が着用することが多い衣裳です。
どちらも結婚式でよく見られる衣裳ですが、よく着用する人に違いがあるでしょう。

 

黒紋付き袴との違い

和服の中で最も格式が高いのが、黒紋付き羽織袴です。
江戸時代に武士階級の人々が公式な儀式の場などで着用していたことに由来し、現在では成人式や結婚式などに着用します。

羽織の背中、左右の袖に2つ、そして胸元に2つの家紋がある五つ紋が最も格式の高いものとされています。
色は黒がフォーマルな場で着用される正式なものですが、新郎様は白や紺など黒以外の華やかな羽織袴を着ることもあります。

主に和婚での着用が推奨されますが、新郎も黒紋付き羽織袴を着ることが多いので父親が着ることは少ないです。
新郎との衣裳被りを避けるため、和婚であっても父親はモーニングを着ることが多くなっています。
お母様が和装の黒留袖を着ていても、両親が和装で揃える必要はありません。

 

フロックコートとの違い

フロックコートは膝丈までの長さを持つジャケットで、前身頃には6つのボタンが並ぶダブルブレストのデザインが特徴です。
この衣裳はかつて昼の正礼装として用いられ、モーニングコートの原型ともなっています。

直線的で重厚感のあるデザインが特徴ですが、ドレスショップでも取り扱いがない場合も多く、着用機会は減少。
モーニングコートはフロックコートの裾をカットし、動きやすくしたものです。

 

燕尾服との違い

燕尾服はジャケットの後ろの裾がつばめの尻尾の形をしているのが特徴で、夜の正礼装として宮中晩餐会や国際的な公式行事で着用されます。

ドレスコードでは「ホワイト・タイ」として知られ、白いベストと白い蝶ネクタイが基本のスタイルです。
燕尾服はクラシカルで格式高い印象があるため、厳かなチャペルや豪華な披露宴会場に良く似合うでしょう。

一方、モーニングコートは昼の正礼装に分類され、公式な昼の行事や結婚式で新郎様やその父親が着用します。
日本では時間による服装のマナーは厳しくないですが、時間に合わせて使い分けるとよいでしょう。

モーニングコートの着方マナー

画像:ハンガーにかけられて並ぶ新郎衣裳

それぞれの衣装の特徴や着用場面が分かってきたところで、モーニングコートのより詳しい着こなしについて解説します。
ジャケットやパンツだけでなく、シャツやサスペンダーなど細かなアイテムについても基本的なルールがあります。

正礼装としてマナーを守って着用できるように、目を通してみてくださいね。

1.シャツ

ジャケットの中に着るシャツは白のウイングカラーを合わせます。
ウイングカラーとは襟が立っているシャツで、首回りのサイズをぴったり合わせることが綺麗に着るための重要なポイント。

 

2.パンツ

パンツは、コールズボンと呼ばれる黒とグレーのストライプ柄のものを合わせます。
モーニングコートやディレクタースーツに合わせる礼服用のズボンで、厚手の上質な生地で仕立てられています。
ウエスト部分がアジャスターになっていて、サイズを調整できるものが多いでしょう。

▼サスペンダーは必須

モーニングコートにはサスペンダーを合わせる決まりになっているので、ベルトは着用しません。
ベルトの使用を前提としていないので、モーニング用のズボンにはそもそもベルト通しがついていない場合も多いでしょう。
またレンタルで用意する衣裳は、サスペンダーで履く位置を微調整すると裾丈をジャストフィットさせることができます。

 

3.ベスト

ベストはジャケットに合わせて黒を合わせるのが基本です。
ただしお祝い事の席では、グレーやシルバーなど明るい色のベストを合わせることもあります。
厳格な結婚式では基本に忠実な黒いベスト、カジュアルな式ではシルバーのベストと雰囲気によって選んでもよいかもしれません。

 

4.コート

モーニングコートのボタンは、慶事と弔事で留め方が変わるので注意しましょう。

モーニングコートには通常のボタンに加え、内側にもう1つボタンがついていて、結婚式などの慶事では内側のボタンを留めます。
この留め方は、2つのボタンが拝んでいる手のように合わさることから「拝み合わせ」と呼ばれます。

 

5.衣裳小物について

モーニングコートに合わせる小物について解説します。
レンタル衣裳では小物一式もセットになっていますが、持ち方や着こなし方など細かなルールについても把握しておくと良いでしょう。

  • 手袋
  • カフス
  • ポケットチーフ
  • 靴・靴下
  • ネクタイ

▼手袋

手袋は白い布制か革製のものを用意しましょう。
人前に立つ時は、左右の手袋を指先が見えるように揃えて右手で持ちます
細かなルールですが、「今日は武器を持たず、争いごとをしない」という意味が込められているのです。
使用していない時はポケットに入れておくか、スタッフが預かってくれる場合が多いでしょう。

▼カフス

カフスはワイシャツの袖口を止める装飾品で、結婚式では白いパールや白蝶貝がふさわしいとされています。
ジャケットを羽織るとあまり目立たないため、省略する方もいます。
ただ結婚式では新婦様と腕を組む際に腕を曲げるので袖口から見えることも多く、細部まで気を配って着こなしましょう。

▼ポケットチーフ

イラスト:ポケットチーフの折り方

ポケットチーフは白い無地のものであれば、どのような折り方でも構いません。
お祝いの席にふさわしいスリーピークスがおすすめです。
あらかじめ成形されたポケットチーフを利用すると簡単でしょう。

▼靴・靴下

靴は黒い革靴を合わせ、靴下は白と黒の縦縞かまたは黒い靴下を合わせます。
正式には内羽根式の紐靴で、甲に1本のラインが入っているストレートチップのデザインがフォーマルにふさわしい革靴です。
内羽根式とは紐を通す部分が甲と一体型になっているタイプのこと。

▼ネクタイ

結婚式でモーニングコートを着る際には、シルバーや白、黒とグレーのストライプ柄などを合わせます。

黒一色のネクタイは弔事を連想させ縁起が良くないため、合わせてはいけません。

 

まとめ:モーニングコートを正しく着用して結婚式に臨もう

画像:並び立つ新郎新婦と両家の両親

結婚式というフォーマルな場では、主催者側の男性はモーニングコートを着用することが多いでしょう。
新郎様やお父様は人前に立つ機会が多いので、普段とは違う装いでもしっかりとポイントを押さえて着こなしたいところ。

本記事では、男性が結婚式で着る衣裳についてご紹介し、特にモーニングコートを詳しく解説しています。
モーニングに合わせる小物や細かなルール、着こなし方のポイントまで押さえてあるので、隅々までご一読くださいね。

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