挙式の入場時や披露宴の演出として人気のダーズンローズセレモニー。新郎がゲストから12本のバラを受け取り新婦に愛を誓う、ロマンチックなシーンに憧れる方も多いでしょう。
基本的な流れはありますが、アレンジを加えることでよりふたりらしい、感動的なセレモニーになるはず。
そこで今回解説するのは、ダーズンローズセレモニーの意味や由来、やり方についてです。元ウエディングプランナーの筆者が、おすすめのアレンジ例や行うときのポイントについても紹介していきます。
「ダーズンローズセレモニーをやりたい」「おすすめのやり方を知りたい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
ダーズンローズセレモニーとは
ダーズンローズセレモニーとは、1ダース(12本)のバラを使って新郎が新婦にプロポーズする演出のこと。
まずは、ダーズンローズセレモニーの流れや由来などについて理解していきましょう。
ダーズンローズセレモニーの流れ
ダーズンローズセレモニーの基本的な流れは、次のとおりです。
- ゲストに1本ずつバラを持ってもらう
- 新郎が1本ずつ集める
- ブーケにして新婦に誓いの言葉とともに渡す
- 新婦はブーケから1本抜き、返事とともに新郎の胸ポケットに挿す
バラの花の色で多いのは、ウエディングドレスに合わせた白や、愛情の意味を持つ赤。ほかにも、ピンクを使ったり白と赤を混ぜたりするケースもあります。
ダーズンローズセレモニーの由来
ダーズンローズセレモニーは、19世紀のヨーロッパで、ある男性が行ったプロポーズが由来です。
男性は、道中に咲いている花を摘みながら、意中の女性の元へ向かいました。そして、摘んだ花を花束にして、プロポーズします。
花束を受け取った女性は、「Yes」の返事とともに花束から抜いた1輪を、男性に渡したというものです。
新郎新婦が持つブーケとブートニアも、この由来が元になっています。
12本のバラに込められた意味
ダーズンローズで使うバラそれぞれに込められている意味は、次の言葉です。
「感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」
どの言葉も、ふたりがお互いを支え合い、幸せな結婚生活を送っていくために欠かせないものばかり。
これらの意味を持つバラを、新郎が新婦に対して誓いを立てるという決意とともに贈るのが、ダーズンローズセレモニーなのです。
行うタイミング
ダーズンローズセレモニーを行うタイミングは、主に次の2つになります。
▼人前式の挙式時
ダーズンローズセレモニーは、人前式の入場時がおすすめです。
挙式では新郎が先に入場し、新婦は後から父親とともに入場するケースが多いですよね。
そのため、新郎は入場時にバラを集めて、祭壇前で新婦を待つという流れになります。
人前式がよいのは、自由度が高くゲスト参加型の演出も取り入れやすいからです。
教会式では伝統や儀式を大切にするところもあるので、できるかどうか確認してみましょう。
▼お色直しの再入場時
披露宴では、お色直しの再入場時がおすすめです。
最初の入場時でも可能ですが、食事の提供は乾杯後になるので、セレモニーが終わるまでゲストを待たせてしまいます。
お色直しのタイミングであれば、そういった心配がいりません。
ゲストテーブルごとにバラを集めに行くとしても、ゲストと会話をしたり写真を撮ったりしながら、ゆっくりテーブルを周れます。
挙式時より、アレンジもしやすいですよ。
挙式で行う場合のアレンジ例
次に、挙式ではどのように行うのか、流れに沿って解説していきましょう。
1.ゲストにバラの花を1輪渡す
ゲストに1輪ずつバラを渡しておきます。バラを持つゲストは、指定でもランダムでもかまいません。
指定する場合はあらかじめ伝えておくか、当日のサプライズにしてもよいでしょう。
司会者にアナウンスしてもらいながら行うと、ゲストもスムーズに受け取れます。
2.ゲストにバージンロードの左右に並んでもらう
バラを持ったゲストには、バージンロード側に座ってもらいましょう。座席の奥の方だと新郎が受け取りづらかったり、スムーズにできなかったりするかもしれません。
また、ゲストには立ちあがって渡してもらい、新郎に祝福の言葉を掛けてもらうと、感動シーンになるでしょう。
3.新郎はバラを集めながら祭壇へ向かい、ブーケを作る
入場した新郎は、1輪ずつバラを集めながら祭壇へ向かいます。バラを集めたら、祭壇前でブーケを作りましょう。
ブーケのリボンを新郎のお母様に結んでもらうのもおすすめです。また、バラを集めるときに頭を揃えるように重ねていくと、きれいに束ねられますよ。
4.新婦が入場する
ブーケの準備ができたら、新婦の入場シーンです。入場したら新婦のお母様にベールダウンをしてもらい、お父様のエスコートで新郎の元へ。
ダーズンローズセレモニーのときは、ブーケを持っていません。腕を組んでいない方の手がぶらぶらしないように気を付けましょう。
5.ブーケを渡し誓いの言葉を述べる
新郎新婦が向かいあったら、新郎はブーケを渡し誓いの言葉を述べます。バラ12本の意味とともに「これらをあなたに誓います」と伝えるのもいいですし、一言「結婚してください」でもよいでしょう。
海外のプロポーズシーンのように、ひざまずいて行うのもロマンチックです。
6.新婦は返事としてバラを1輪新郎の胸ポケットに挿す
新婦は新郎の言葉を受けてブーケからバラを1輪抜き、新郎の胸ポケットに挿すことで承諾の返事になります。
ただ、茎の長いバラを胸ポケットに入れるのは無理がありますよね。大抵は、短く作ったブートニアをブーケにするときに差し込んでおき、返事に使うことが多いです。
披露宴で行う場合のアレンジ例
披露宴での流れは挙式時とそれほど変わりませんが、パーティ中に行うことでアットホーム感が高まるかもしれません。
アレンジ例も交えて紹介していきましょう。
1.ゲストにバラの花を配る
披露宴では、お色直しの再入場時に行うことが多いです。新郎新婦のお仕度中に、テーブルごとや指定したゲストにバラを配りましょう。
装花と一緒に飾っておき、演出時に抜いて使うのもありです。
司会者にアナウンスしてもらっておくと、スムーズに進みますよ。
2.入場してバラを集める
新郎新婦がふたりで入場するときは、新婦が寄り添う形で新郎がバラを集めていきます。テーブルフォトやゲストとの会話を楽しみながら、テーブルラウンドを兼ねて行うのもよいでしょう。
挙式と同様に、新郎が先に入場してバラを集めるやり方でもかまいません。
3.ブーケを作る
バラを集めたら、ブーケを作りましょう。ブーケのリボンを結ぶのは、バラを渡してくれたゲストの一人に頼むのもいいですし、別の方にお願いするのもありです。
もし、ふたりのキューピッド役になった方がいれば、その方に依頼すると盛り上がるでしょう。
4.ブーケを渡し新婦への愛を伝える
ブーケが完成したら向き合って立ち、新郎から新婦へ愛の言葉とともにブーケを渡します。見守るゲストを証人に、「一生大切にします」「必ず幸せにします」と誓いの言葉を述べるのもよいでしょう。
「結婚してください」と、あらためてプロポーズの言葉を伝えるのもありです。
5.新婦は1輪のバラを新郎の胸ポケットに挿して返事とする
新婦は受け取ったブーケから1輪のバラを抜き、新郎の胸ポケットに挿すことで返事をしたことになります。
新郎がブーケを渡すときにひざまずいてそのまま返事を待つと、新婦は屈まなければなりません。姿勢的に苦しいので、受け取るときは立ち上がるとスムーズです。
ダーズンローズセレモニーを行うときのポイント
最後に、ダーズンローズセレモニーを行うときのポイントを5つ紹介します。オリジナリティのある演出にするコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
演出の意図やバラの持つ意味を説明しておく
セレモニー前に、演出の意図やバラの意味をゲストに説明しておきましょう。
説明なしでは、バラを渡すゲストがとまどってしまい、他のゲストも置いてけぼりになってしまうかもしれません。
受付で説明カードを配ったり、司会者にアナウンスしてもらったりするとよいでしょう。
本数は12本にこだわらなくてもOK
バラの本数は、12本にこだわらなくても大丈夫です。
ゲスト全員に1輪ずつ配って行ってもかまいません。挙式時にゲストが座る椅子の列の数で用意するのもよいでしょう。
ただし、本数が多くなると時間がかかるので、担当プランナーにも相談してみてください。
バラ以外の花でもよい
セレモニーは、バラ以外の花で行ってもかまいません。お付き合いしているときにもらった花など、ふたりにとって思い出深い花を選ぶのもよいでしょう。
バラのような一輪咲きの花だけでなく、かすみ草などのボリュームのある花も混ぜると、ブーケが華やかになりますよ。
サプライズもおすすめ
セレモニーをサプライズで行うのもおすすめです。挙式時に内緒でバラを集め、新婦が入場したらブーケを持った新郎が待っていたなんてシーンはロマンチックですよね。
ちゃんとしたプロポーズをしていないという方は、セレモニーにかこつけて行うのもよいでしょう。
なぜ選んだのかメッセージを添える
バラを持つゲストを指定した場合は、なぜ選んだのかのメッセージを添えると、ふたりの気持ちが伝わります。
受付で役目があることを伝えるときに、メッセージカードを渡すのもよいでしょう。また、新郎がバラを受け取るときに、選んだ理由と感謝を伝えるのもありです。
まとめ:ゲストも感動のダーズンローズセレモニーにしよう
ダーズンローズセレモニーは、12本のバラを新郎が新婦に渡し愛を誓う演出のこと。自由にアレンジできる人前式で人気のセレモニーで、披露宴の再入場時に行うこともあります。
今回は、ダーズンローズセレモニーの意味や由来、行うときの流れやアレンジ例などを紹介してきました。
必ず12本にしなければいけないわけではなく、バラ以外の花を使って行うこともあります。ぜひふたりらしいアレンジも加えながら、感動的なセレモニーにしてください。