結婚式のスタイルで神前式を選んだ場合、誓詞奏上という演出が入ります。簡単に言えば誓いの言葉ですが、仰々しい名前に怖気づく新郎も少なくありません。
「どんな内容を話せばいいの?」
「上手に読み上げるためのコツは?」
「何をすればいい?」
具体的な内容や流れを知らないと、不安を感じてしまうこともあるかもしれません。この記事では、誓詞奏上の基本的な流れや読み上げのポイント、さらには誓詞の例文や注意すべき点まで詳しく解説します。
神前式を控えている方や、自信を持って誓詞奏上を行いたい方はぜひ参考にしてみてください。
誓詞奏上とは
誓詞奏上とは、神前式における重要な儀式の一つで、新郎新婦様が神に対して自らの口で誓いの言葉を捧げるシーンを指します。この儀式は、夫婦として共に生きる決意を表明する見せ場の1つです。
内容やタイミングについて紹介していくので、参考にしてみてください。
誓詞奏上では何をするのか
神前式の誓詞奏上とは、新郎新婦様が自らの口で結婚に関する誓いの言葉を神前で読み上げる神聖な儀式です。この行為には、二人の結婚を神に報告し、新しい生活における誓いを正式に立てるという重要な目的があります。
教会式では神父が誓いを促す形を取りますが、神前式では新郎新婦様が主体となり、一言一言心を込めて誓いを読み上げる点が特徴。誓詞が書かれた和紙げ奉納され、そこに書かれた文字を読み上げるのが主なやることです。
▼新婦様は自分の名前を言うだけ
誓詞奏上は主に新郎様が行います。
誓詞の大部分は新郎様が読み上げ、新婦様は自分の名前を含む一部の誓詞と最後の部分を読み上げるのが一般的です。
新郎様が結婚式で目立つ場を設けることができるため、新郎様に見せ場を作りたい場合にもおすすめ。
もし新婦様も積極的に誓いの言葉を読み上げたい場合は、人前式が向いているでしょう。
誓詞の内容について
誓詞奏上の内容は大まかに「結婚の報告」「夫婦の誓い」「締めの言葉」の3つで構成されています。誓詞は古い日本語で記されていますが、本番では読み仮名が付いた誓詞が用意されるため心配ありません。
また、練習用にプリントを渡してくれる神社もあります。事前にしっかり練習しておけば、自信を持って臨むことができるでしょう。
▼誓詞の例文
誓詞の具体的な内容や形式は挙式会場や宗派によって異なる場合があります。
しかし大まかな流れと内容は同じです。
夫婦の契りを結び固むるは
尊き神慮に依るものと喜びまつりて
今より後は千代に八千代に
相愛し相愛和し
祖先を敬い社会の責務を果たすことを
ここに謹んで申し上げます
何卒幾久しくお守りください
ここに
新郎○○
新婦○○
慎みて申す
神前式の流れと誓詞奏上のタイミング
誓詞奏上は「三献の儀」と呼ばれる新郎新婦様がお互いの杯を交わす儀式の後に行われます。挙式には進行役がいるので順番を忘れても大丈夫ですが、覚えておくとスムーズでしょう。
指輪交換も行う場合は誓詞奏上のあとに行います。挙式の進行も中盤に差し掛かった盛り上がるタイミングですので、十分に対策してくださいね。
▼神前式で挙式をあげるときの流れ
神前式の全体的な流れを紹介していきます。
各宗派などにより順番は若干前後しますので、実際の流れはプランナーに聞いてみてください。
参進の儀 | 新郎新婦様、親族、参列者全員で神殿へ向かう「参進の儀」。 巫女や神職の先導に従い、整然と行列を作り厳かな雰囲気の中で挙式会場へ進みます。 |
修祓(しゅばつ) | 新郎新婦様をはじめ参列者全員がお祓いを受け、心身を清めます。 これは神を迎えるための重要なステップです。 |
祝詞奏上 | 神職が夫婦の結婚を神に報告し、両家および新郎新婦様の未来に繁栄と幸せが訪れるよう祈ります。 |
三献の儀(三々九度) | 三つの盃を使った「三献の儀」。 新郎新婦が互いに杯を交わすことで、夫婦としての絆を深めます。 |
誓詞奏上 | 新郎様が誓詞を読み上げ、新婦様も加わります。 夫婦の誓いを神に奉納し、今後の円満な生活を祈りましょう。 |
指輪交換 | 新郎新婦様の希望に応じて取り入れられます。 |
玉串奉奠(たまぐしほうてん) | 新郎新婦様が神前に玉串を供え、神への感謝と誓いを表します。 両家の代表者も行うことが多いです。 |
神楽奉納 | 神を喜ばせるために舞を奉納します。 |
親族杯の儀 | 両家の親族が盃を交わし合い、両家が一つの家族となることを表現した儀式です。 「親族固めの盃」とも呼ばれます。 |
誓詞奏上を読み上げるときのコツ
誓詞の内容をしっかり理解し心を込めて読み上げることで、その誓いがより深い意味を持ちます。当日は緊張しやすいため、練習が成功のカギです。
読み上げるコツや所作について紹介していきます。二人で練習するときの参考にしてください。
誓詞の持ち方と所作
誓詞を読み上げる際には、まず誓詞そのものの扱い方に十分注意が必要です。
誓詞は丁寧に畳まれているため、開く際には焦らずゆっくりと開いてください。折り目の1つ1つを丁寧に開いていきましょう。
開ききった誓詞は新郎が右側を、新婦が左側を持ち二人で一緒に掲げるようにします。読み終えたときも同様に丁寧に折りたたんでください。
目線を上げる
誓詞を読み上げる際には、目線の高さが重要なポイントとなります。誓詞は神様に向けて誠意を込めて奏上するものであり、目線を下げすぎると良くありません。
そのため、誓詞を持つ際には自然な目の高さよりも少し下あたりに調整し、読み上げる声がクリアに伝わるよう意識しましょう。背筋を伸ばし、顔を正面に向けることが大切です。
はっきりと述べる
誓詞奏上では、はっきりとした発音を心がけることが何よりも重要です。誓いの言葉をしっかりと伝えるためには、丁寧に、そして聞き取りやすく読むことが求められます。
大きな声で自信を持って読み上げることで、その重みがより明確に伝わるでしょう。また、挙式の様子をビデオ撮影している場合は特に聞き取りやすさを意識してください。
自分の名前を読み上げる箇所では特に注意が必要です。ゆっくり大きな声で読み上げてください。
まとめ:神前式の誓詞奏上を成功させよう
神前式の誓詞奏上は、新郎新婦様が神様に誓いを捧げる大切な儀式であり、結婚の決意を形にする特別な瞬間です。この儀式を成功させるためには、事前の準備と心構えが欠かせません。
誓詞は単なる言葉ではなく、二人の思いを込めた誓いの証。それを自分たちの言葉として理解し、はっきりと誓うことで誓いの重みが増すでしょう。
この儀式を通じ、二人の未来への決意がより強いものとなるはずです。素敵な挙式となるよう、応援しています。