結婚式に招待したゲストには、失礼のないようにおもてなししたいと考えますよね。
結婚式のマナーのひとつに「お車代」がありますが、具体的に分かりにくく、どう準備すれば良いか迷ってしまう新郎新婦様が多くいらっしゃいます。
「お車代は誰に用意すればいいの?」
「どこからが遠方からのゲストに当てはまるのか決められない」
「お車代についてゲストにはどう伝えたらいい?」
本記事ではお車代について詳しく解説し、ゲストにとっても新郎新婦様にとっても負担のないちょうど良い準備の仕方をご案内します。
結婚式でのお金の問題は今後のゲストとの関係にも影響を及ぼす可能性があるので、スマートに準備して結婚式はもちろんその後も良好な関係を続けていきたいですね。
お車代とは何か
結婚式でしばしば耳にされる「お車代」には実は2つの側面があることをご存知ですか。
ここではまずお車代が持つ「お礼」と「交通費・宿泊費」の2つの意味合いについてご紹介します。
1.お礼として渡すお車代
挨拶や乾杯の音頭をとっていただく主賓へのお礼の意味合いがある「お車代」。
他にスピーチや受付、余興などを担ってくれた同僚や友人にもご用意すると良いでしょう。
この場合のお車代は実際の交通費をお渡しするわけではありません。
目上の方に結婚式に足を運んでいただくお礼や、こちらからお願いした結婚式のお手伝いを引き受けてくれた感謝の気持ちをお渡しするものです。
2-1.交通費として渡すお車代
遠方からはるばるお越しいただくゲストの交通費を負担する「お車代」。
距離が遠いにも関わらず、自分たちの結婚式のためにわざわざ来てくれる感謝の気持ちと、実際にかかる金銭的な負担を軽くしてもらうためにお渡しします。
2-2.宿泊費として渡すお車代
宿泊が必要なゲストには宿泊費を負担するための「お車代」を用意します。
「宿泊代」とは言わず、交通費などと統一して「お車代」として渡しましょう。
遠方とはどこから当てはまるのか
交通費や宿泊費としてお車代をお渡しする場合の線引きは難しいところです。
遠方とはどこからなのか、どこまでを負担するのか結婚式ごとに事情は異なります。
自分たちの結婚式では、実際にどこを区切りにしたらいいか考えながら読み進めてくださいね。
交通費を渡すかどうかの線引き方法
まずは多くの新郎新婦様が頭を悩ませる交通費の線引き方法についてご紹介します。
結婚式は地域によって文化や慣習に差があるので、下記の4つの例はあくまで参考程度に考えてみてください。
自分たちの住む地域ではどうか、またご親族の交通費については両家の親御様と相談しながら考えてみてくださいね。
1.結婚式場からの距離
- 結婚式場のある都道府県外から来るゲストには渡す
- 結婚式場から50km以上離れているゲストには渡す など
交通網が発達している地域では公共交通機関を使ってお越しになるゲストが多く、心ばかりのお車代を用意するかどうか悩んだ時にはおすすめです。
距離の基準があるとゲストにもハッキリと示しやすく公平性がわかりやすくて良いですね。
中心地からの距離を測りたい場合は以下のサイトがおすすめ。
ただし住所検索ができないので、地図上から結婚式場を探す必要があります。
URL:https://www.cloudwoods.jp/hankei/
2.結婚式場までの所要時間
結婚式場に来るまでに1時間以上かかる人にはお渡しするなど、時間で区切る方法もあります。
遠方から車で来るゲストが多い場合など、交通網が発達していない地域におすすめの考え方です。
3.結婚式場までの交通手段
お車代の線引きとしてよく選ばれているのが、飛行機や特急列車で来るゲストにはお渡しするという交通手段を基準にする方法です。
飛行機や特急列車はバスや普通列車に比べて費用が高額になることが多く、そういったゲストの負担を減らす事ができます。
また、チケットをお二人で用意してお渡しする手も使えるので、お車代を節約しやすくなりますよ。
4.結婚式場までの交通費
ゲストが実際にどのくらいの交通費がかかるか調べて、片道2,000円以上のゲストにはお渡しするなど金額で区切る方法もあります。
ゲスト毎に金額を調べる必要があり、手間はかかりますが、ゲストに合わせたきめ細やかなおもてなしができます。
宿泊費を渡すかどうかの線引き方法
ゲストが宿泊を伴うということは遠方であることが多いので、宿泊費+交通費もかさんできます。
そういったゲストには予算の余力を考えて、出来る範囲でお渡ししましょう。
交通費と宿泊費を全額負担することは少ない印象ですが、主賓などのお世話になっている目上の方などにはそのくらいご用意しても良いかもしれません。
宿泊費を用意するかどうかはゲストが宿泊するかどうかで決まります。
ゲストが前泊するのか、当日泊っていくのかは開宴時間とおひらき時間を基に考えるとよいでしょう。
1.開宴時間に間に合うように自宅を出発できるか
結婚式が午前中など早い時間であれば、前泊が必要なゲストがいるかもしれません。
披露宴から招待している場合は開宴時間、挙式から招待している場合は挙式時間に間に合うように自宅を出発できるかどうかを調べましょう。
受付開始時間の30分前に結婚式場に着く想定で間に合うのかどうかで判断するのがおすすめです。
女性の場合は特にヘアセットや着付けに時間がかかるので、身支度の時間も考慮し常識的な時間に起床できるのかもポイント。
2.おひらき後(二次会後)に終電が間に合うか
ナイトウエディングなど遅い時間の結婚式であれば、終電に間に合うのかどうかで宿泊の有無を判断しましょう。
二次会まで考えている場合は二次会のおひらき時間から考えます。
当日は別れがたく話し込むことも予想されるため、終電の時間ぎりぎりであれば宿泊する方向で考えた方が安全です。
結婚式場までの交通費・所要時間・距離の調べ方
ゲストの自宅から結婚式場までの経路はYahoo!路線情報で調べるのがおすすめです。
住所検索が可能で、出発地点の住所と結婚式場の住所を検索窓に入力するだけで以下の情報が表示されます。
- 経路
(地図、乗り換え) - 所要時間
- 交通費
- 距離
住所検索であれば公共交通機関にかかる時間だけでなく、駅まで行くのにかかる時間も知ることが可能です。
よりパーソナライズされたおもてなしができるでしょう。
例1.太陽の塔(大阪)から東京スカイツリーまで行く場合のお車代
所要時間 | 4時間11分(乗車3時間3分) |
交通費 | 14,522円 |
距離 | 550.6㎞ |
お昼過ぎ頃の結婚式であれば日帰りも検討できそうですね。
午前中や夕方の結婚式であれば宿泊も視野に入れましょう。
▼お車代の目安(交通費のみ)
片道分 | 15,000円 |
往復分 | 3万円 |
例2.美ら海水族館(沖縄)から北海道大学まで行く場合のお車代
所要時間 | 9時間6分(乗車7時間21分) |
交通費 | 118,400円 |
距離 | 2726km |
飛行機を使うルートの場合、利用する航空会社によって交通費が大きく変動します。
飛行機を利用するほどの距離であれば宿泊はあるものと思って用意しても差し支えないでしょう。
▼お車代の目安(交通費のみ)
片道分 | 12万円 |
往復分 | 24万円 |
お車代の相場は? いくら渡すべき?
それでは具体的にいくらお車代を用意するのか、詳しい金額についてご案内します。
一部を負担するのか全額負担するのかなど、いくつかのパターンを見ていきましょう。
お礼としてのお車代の相場
おおよそ5,000円〜10,000円が相場になります。
お車代の相場については以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご確認ください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6733/
交通費・宿泊費の用意方法
交通費の一部や全額を負担するなどゲストの住んでいる場所や交通手段、他のゲストとの兼ね合いによって変わってきます。
結婚式の時間帯によって宿泊が必要になるのはこちら側の都合になるため、一部または全額をお渡しするとよいでしょう。
お車代を用意するパターンとしては以下が挙げられます。
- 交通費片道分+宿泊費
- 交通費のみ
- 宿泊費のみ
- 交通費+宿泊費全額
1.一部負担する
交通手段にもよりますが全額の負担が難しい場合は、片道分や気持ち程度の額を渡す方法もあります。
一部を新郎新婦様が負担することでゲストへの気遣いを感じてもらえるでしょう。
しかし、合計で数万円かかるのに1万円未満のお車代など、少なすぎるとかえって非常識に捉える人もいるので、最低でも半分程度を目安にすると良いでしょう。
2.一律で用意する
会社関係のゲストや友人グループ毎にお車代を一律で渡す方法は、ゲストが同じ地域から足を運んでくれるなど、ゲスト間でかかる交通費に差が少ない時におすすめの方法です。
3,000円〜5,000円程度が相場ですが、後々のトラブルを予防するためグループ内で必ず差が出ないようにしましょう。
3.全額負担する
予算的に余裕がある新郎新婦様は交通費や宿泊費を全額負担しても良いでしょう。
無理せずに心からそうしたいと思えるならおすすめですが、実費額以上を用意してしまうと逆にゲストが萎縮してしまう可能性もあるので、下調べはしっかりと行う必要があります。
▼ポイント:キリのいい金額で用意する
お車代として交通費や宿泊費を用意する時には、全額負担にしても一部負担にしてもキリの悪い数字にはせず、千円単位で切り上げて、なるべく万単位になるように準備しましょう。
小銭で渡すのはゲストも不便ですし、1円単位まできっちり実費分を用意するのはせこせこした印象になります。
端数がある場合には切り捨てではなく、必ず切り上げで用意しましょう。
海外結婚式・リゾート挙式の場合
海外での結婚式やリゾート挙式の場合は結婚式を行う場所自体が遠いので、ゲスト全員に長距離の交通費がかかります。
ゲスト全員分の交通費を負担するのは新郎新婦様にとっても予算がかかるのでお車代をなしにする方法もありますが、その場合はご祝儀を辞退するのはマストでしょう。
全額のご用意が難しい場合も飛行機のみ手配するなど、なるべくゲストの負担を減らすように努めると良いですね。
お車代の有無をゲストに伝えるときの言い方
お車代については、ゲストに事前に伝えておくことも大切です。
ゲストからは言い出しにくい事なので、お二人から早めに伝えることをおすすめします。
とりわけ、お車代を用意しない場合は、必ず前もって伝えておいたほうが良いでしょう。
ここでは、ゲストが気負いしない伝え方をパターンごとに紹介しますので、参考にしてみてください。
お車代を用意するときの伝え方
お車代を用意することに決めたら、ゲストにいくら用意するのかわかりやすいように伝える文例をご紹介します。
また、チケットを用意してお車代とさせていただく場合には、事前にゲストにその旨を伝え、予めチケットを送る対応でも良いか確認を取りましょう。
心ばかりご用意いたします
わずかではございますが
是非ご出席いただけますと幸いです
片道分を私どもで負担させていただきます
是非ご出席ください
私たちが全額ご用意させていただきます
遠方よりはるばるではありますが是非お越しください
お会いできることを楽しみにしています
お車代を用意しないときの伝え方
予算の関係や近場のゲストばかりの時、親族ではお互い様としてお車代はなしと決めている場合など、時にはお車代を用意しない場合もあるかもしれません。
その際にも事前にゲストにその旨をお伝えすると、出欠を考える1つの要素として参考にするゲストもいるでしょう。
わざわざお祝いにかけつけてくれるゲストに申し訳ないがお車代を用意できないこと、それでもよければ出席してほしいこと、欠席も視野にいれて無理のないお返事をお願いするなどに注意して言葉を選ぶといいですね。
宿泊代や交通費はゲストの皆さまに
ご負担をお願いいたしたく存じます
ご都合がよろしければご出席いただけると幸いです
ご無理のない範囲でお返事くださいませ
お車代の負担を減らすには?
ゲストへの心遣いとしてお車代を用意したい気持ちはあると思いますが、ゲストの人数や結婚式を行う場所によっては、新郎新婦様の大きな金銭的負担にもなりえるのがお車代。
完全に無くすことはゲストへの礼儀に欠くのでおすすめできませんが、少しでも負担を減らす工夫はできるのではないでしょうか。
ここではお車代を上手に節約する方法をご紹介します。
1.チケット手配する
パッケージングされた格安プランを探して、お二人でチケットを手配し、ゲストにはチケットの形で交通費を負担するとお車代の節約になります。
新郎新婦さまにとってはお車代の封筒を用意する手間も省けますし、ゲストにとっては自身でチケットを用意する手間が省けるメリットがありますよ。
2.バス・ハイヤーの手配
ゲストが同じ方面から結婚式場に向かう場合や、駅から結婚式場までの交通手段を用意する場合には、バスやハイヤーなどを手配し、乗り合わせをお願いする方法もあります。
ゲスト1人ずつにお車代を用意するよりも節約になりますが、ゲストにはバスの時間に合わせて集合してくれるように依頼したり、バスに乗るかどうか事前に確認しておく必要があります。
当日のお車代の渡し方
マナーよく用意したお車代も、当日しっかりと渡せなければ意味がありません。
渡すタイミングと封筒のマナーについて解説します。
お車代はいつ渡すのか
お車代を渡せるタイミングは主に2つです。
- 受付中
- 披露宴中
新郎新婦さまから直接渡すのは難しいので、受付係や親御様から渡してもらいましょう。
おすすめは交通費・宿泊費としてのお車代は受付中に、お礼としてのお車代は親御様から渡すことです。
この2つのタイミングを逃してしまったら、お見送りのときがラストチャンスとなります。
ただ、プチギフトなどもあり渡し忘れも多いのでなるべく披露宴中に渡し切れるのが理想です。
お車代の封筒の用意マナー
お車代はご祝儀などと同じようにご祝儀袋に入れて渡します。
宛名は書かないものなので、付箋などで誰に渡すものか分かるようにしておきましょう。
渡す金額によって相応しい封筒が変わるので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5188/
まとめ:遠方からのゲストにはお車代を用意しよう
ゲストにどこまでのお車代を渡すのか線引きするのは難しいところではありますが、新郎新婦様の無理のない範囲で負担することが1番大切ではないでしょうか。
結婚式でゲストにおもてなしするためのお金は、お車代だけでなく披露宴で振る舞うお食事のコースや、お土産としてお渡しする引出物などさまざまあります。
失礼にならないようにマナーを守りつつ、とは言えない袖は振れないのでバランスを考えて自分たちの身の丈に合う結婚式を考えましょう。
ゲストにとってもお二人にとっても良かったと笑い合える結婚式になるといいですね。