親族として結婚式に招待された場合、家族分として招待状が連名で送られることがあります。結婚式では家族単位で招待する際、連名で招待状を出すのは定番ですが、連名の招待状を受け取るのははじめてという方も多いかもしれません。
「連名で送られた結婚式の招待状はどのように返信すればいいのか」
「返信はがきの正しい書き方が知りたい」
「メッセージはどう書けばいいのか分からない」
本記事では上記のような悩みを持つ方向けに、返信はがきの書き方を元ウエディングプランナーが詳しく解説しています。1人分で出席の返事を出すのと、5人分の返事をするのとでは書き方も異なるのです。
全員が出席できるとは限らないため、さまざまなシチュエーションを想定した書き方をご紹介しています。ぜひ参考にして下さい。
家族宛など連名で届いた返信はがきの書き方
結婚式で1世帯を招待するときには、1枚の招待状を家族全員宛として出すのが基本です。
招待状の宛名が連名になっている場合や、「ご家族様」などの記載がある場合には、家族で招待されていると考えていいでしょう。家族ぐるみで親交があっても、招待状の宛名が1名だけであれば、招待されているのは宛名に名前がある人だけということになります。
連名だったり家族として招待されているときの招待状の返信は、出席する人数によって書き方が異なるので注意してください。
まずは基本的な返信はがきの書き方とマナーを紹介します。出席人数に関わらず気を付けるべきポイントです。
もっと詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6631/
招待状の返信は濃く太く書く
招待状の返信はがきに記入する際は、消えないボールペンや毛筆で、はっきりと濃く太く書くことを意識しましょう。ボールペンの色には黒か濃紺を使用します。
忙しい新郎新婦に確認の手間をかけさせないよう、薄い文字や判断しにくい文字になっていないかしっかりチェックしておくと安心です。
裏面の敬称を消す
送られてきた招待状の返信はがきの裏面には、敬称がつけられています。「ご」「御」「御芳」などの敬称部分は、返信はがきを記入する際、二重線を使って消しておくのがマナーです。
そのままにしてしまうと、自分の名前に敬称をつけたまま相手にはがきを送ることになってしまうので、忘れずに対応しましょう。縦書きなら縦線、横書きなら横線で消します。
2文字以上を消す場合には二重線を引き、敬称が1文字の場合には斜めに線を引くのが正しい書き方です。 線は定規を使ってまっすぐに引きましょう。
Q.返信はがきにイラストを描いてもいい?
招待状の返信はがきにイラストを描いて送る方もいらっしゃいます。新郎新婦と親しい間柄であれば問題ありません。
ただ、招待人数が多い場合にイラストを描いてから文字を書き始めるとスペースが足りなくなる恐れがあります。連名での招待の場合は、必要事項を全て書いてからイラストに取り掛かるとよいでしょう。
表面の宛名に敬称を付ける
招待状の返信はがきの表面には、返信先である新郎新婦の両方かどちらかの名前が記載されています。名前の下には通常「行」「宛」といった記載があるので、この部分を消して代わりに「様」を書き足すようにしましょう。
新郎新婦の名前が両方書かれている場合には、どちらにも「様」を付ける必要があります。忘れがちなポイントですが相手を敬う大切なマナーなので、しっかり確認しながら準備を進めて下さい。
アレルギー欄について
誰がなんのアレルギーをもっているのか、相手にわかりやすいようはっきりと記入しましょう。
アレルギーは重大な事態を引き起こす可能性がある部分なので、新郎新婦側も慎重になります。親しい間柄や身内であっても、わかっているだろうと思い込まず、丁寧な記入が求められていることを意識しましょう。
アレルギーがない場合には、ない旨も返信はがきにしっかり記入しておくのが親切です。
▼メッセージの文例1
妻○○が妊娠中のため
生ものとカフェイン・アルコールについて
ご配慮いただけますと幸いです
他の家族にアレルギーはありません
当日を心より楽しみにしています
▼メッセージの文例2
息子○○にはバラ科アレルギー
夫○○には牛乳アレルギーがあります
どちらも火を通して調理したものであれば
大丈夫です
ご面倒をおかけしますが
ご配慮いただければ幸いです
返信はがきのアレルギー欄の書き方については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6745/
全員出席できる場合の書き方
招待された人が全員出席できるときには、返信はがきにて新郎新婦に出席できる人をわかりやすく伝えましょう。
家族で招待していても、小さいお子さんがいる場合などには一緒に出席するのかわからない、ということもあります。家族の誰が出席できるのか、返信はがきにメッセージとして添えるなどの配慮があれば、相手にも喜ばれるでしょう。
出欠席欄は出席に〇
全員出席の場合には、返信はがきの出席部分に◯を記入します。御出席の「御」の部分や「御欠席」には二重線を引くのが書き方のマナーです。
出席者の名前を書く
出席する人の名前は、全員分を漢字でフルネームがわかるように記入しましょう。返信はがきに記入された名前は、新郎新婦がゲストの名前や漢字に間違いがないか確認するためにも使用します。
苗字が同じ場合には、苗字を書いた下に下の名前を続けて書く形でもOKです。
メッセージに書くと良いこと
返信はがきを送った側と受け取った側で認識に違いがないよう、家族全員で出席できることを一言書き足しておくと安心です。受け取る相手の立場に立って記入すると、丁寧なはがきになります。
以下の文例も参考にメッセージを書いてみてください。
▼メッセージの文例1
ご結婚おめでとうございます
家族全員で出席させていただきます
お二人の門出を祝えることを
大変楽しみにしております
▼メッセージの文例2
このたびはお招きいただきありがとうございます
この素晴らしい式に家族全員で出席できることを
心より嬉しく思います
お二人の晴れ姿を楽しみにしていますね
出席できない人がいる場合の書き方
出席できない人がいる場合には、誰が出席できて誰が欠席なのかを、とにかくわかりやすく返信はがきに書きましょう。招待されて、出席できないこと自体が失礼にあたることはありません。しかし、せっかく招待してくれた相手へ配慮の気持ちをもって返信することが大切です。
出欠席欄は出席に〇
出席できる人が1人でもいる場合、返信はがきの出欠席欄は出席に◯をつけます。全員出席する場合と同様に、御出席の「御」の部分や「御欠席」には二重線を引くのを忘れないようにしましょう。
出席者の名前を書く
名前の部分には、出席する人の名前だけを書きましょう。出席できない人の名前も書いてしまうと、受け取った側は誰がくるのか判断できません。
書き損じてしまった場合には、二重線で間違った部分を消して書き直します。見た目をキレイにしたいからといって、修正テープや修正液を使うのはマナー違反なので注意が必要です。
メッセージに書くと良いこと
欠席者の名前はメッセージ欄にまとめて記入するとわかりやすいです。できれば欠席の理由も添えておくと、相手も気持ちよく納得できるでしょう。
ただし欠席の理由には、書いてよいものと書かないほうがよいものがあります。
以下の文例も参考にメッセージを書いてみてください。
▼メッセージの文例1
このたびはご結婚誠におめでとうございます
残念ながら娘○○は妊娠中のため
出席が叶いませんので
夫○○と妻○○のみ出席させていただきます
お二人の門出を心よりお祝い申し上げます
▼メッセージの文例2
結婚式にご招待いただきありがとうございます
妻○○は所用のため出席できませんが
夫○○と息子○○は出席させていただきます
素晴らしい一日を共に
お祝いできることを楽しみにしております
全員欠席する場合の書き方
場合によっては誰も出席が叶わないこともあります。残念ではありますが、正しい方法で欠席の旨をしっかりと返信しましょう。欠席の場合でも丁寧に返信はがきを書くことで、相手への誠意は伝えられます。
出欠席欄は欠席に〇
1人も出席ができないときには、欠席の部分に◯をつけます。御欠席の「御」の部分や「御出席」には二重線を忘れずに書き加えましょう。
欠席者の名前を書く
全員欠席の場合は、全員のフルネームを漢字で記入します。苗字が同じ場合には、苗字の下に名前を続けて書く形でOKです。
メッセージに書くと良いこと
出席できない理由を書いておくのがおすすめです。ただし前項で解説した通り、不祝儀にあたることは記入を控えます。
お祝いの場なので、相手がネガティブな気持ちになることがないよう意識して書いていくと安心です。以下の文例も参考にメッセージを返信はがきに書いてみてください。
▼メッセージの文例1
ご結婚おめでとうございます
当日はあいにく子どもの入学式と重なり
伺うことができません
お二人の新たな門出を心よりお祝い申し上げます
▼メッセージの文例2
この度はご結婚おめでとうございます
ご招待いただきましたが
やむを得ない事情により
欠席させていただきます
お二人の幸せを心よりお祈り申し上げます
結婚式を欠席したときはどうお祝いすればいい?
結婚式に招待されたものの、どうしても予定が合わず出席できない場合、別の方法でお祝いの気持ちを伝えましょう。欠席しても礼儀正しくお祝いの意を示すことが重要です。
返信はがきは基本的に出席の連絡しかしません。どうしても欠席になってしまうなら、別の方法でお祝いすることで新郎新婦にもモヤモヤが残らないでしょう。
ご祝儀の贈り方
事前に声を掛けられていたにもかかわらず、返信はがきで欠席の連絡をすることになったらご祝儀を用意するのがおすすめです。金額は用意しようと思っていた額の1/3~1/2程度が目安となります。
できれば手渡しがいいですが、難しければ郵送でも大丈夫です。ご祝儀を郵送するときは以下の記事も参考に用意してみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6528/
結婚祝いのプレゼントもおすすめ
結婚祝いとしてふさわしいギフトを選び、結婚式の2週間前までに届けるのが一般的です。直前過ぎると新郎新婦も忙しくしているので、余裕があるときに渡しておきましょう。
定番のギフトとしては現金やギフト券、夫婦で楽しめるグルメ商品などが喜ばれます。新生活が始まっていれば、家電やインテリアなどもおすすめです。相場とされるご祝儀額も参考に選んでみてください。
また、結婚をお祝いするメッセージを添えることも忘れないように気を付けてください。心温まる言葉を書いた手紙やカードを合わせて送ることで、欠席の理由を理解してもらい、感謝の気持ちを表すことができるでしょう。
後日食事に誘うのもおすすめ
後日改めて新郎新婦に直接お祝いの言葉を伝えるのもおすすめです。お祝いの食事会やプレゼントを贈ることで、結婚式への参加ができなかったことを補うことができます。
結婚式後に時間を取れば、当日の様子を聞きながら食事ができるでしょう。写真やビデオを見ながら、幸せな時間について話に花を咲かせられます。
欠席しても当日の様子が知れますし、新郎新婦にとっても思い出を反芻するきっかけになるのでおすすめのお祝い方法です。
親族として結婚式に参加するときは
結婚式は昔から、結婚する2人の家が開催するものと考えられています。最近では新郎新婦が中心となって結婚式を作っていくので忘れられがちですが、親族は主催者側の立場です。
気にしすぎる必要はありませんが、主催者側として参加していることをしっかりと意識して、ほかのゲストへの配慮の気持ちを持った行動を心がけましょう。
ゲストを立てた行動
親族のなかでも特に行動が求められるのは、新郎新婦の両親です。それ以外の親族にはあまり特別な役割はない場合が多いでしょう。
親族の配慮としては、デザートブッフェに真っ先に向かうなどの行動は避け、お開きの際などにはなるべく最後に会場をあとにするのがベストです。
目立ちすぎないように、ゲストと新郎新婦の時間を優先するように行動できるとよいでしょう。新郎新婦の関係者として結婚式に参加していることを忘れないようにしてください。
服装は準礼装~正礼装
親族のなかでも新郎新婦と関係が近い人ほど、格の高い服装が求められます。基本的に準礼装〜正礼装で問題はありませんが、両家の服装の格を合わせるかなど、気になる場合は新郎新婦に確認を取ると安心です。
イメージとしては、新郎新婦の友人や同僚などのゲストより少し格上の服装を心がけるといいでしょう。 女性なら長そでのドレス、男性ならポケットチーフやネクタイピンなどの小物にこだわってみてください。
まとめ:結婚式の招待状は正しく返信しよう
連名で受け取った招待状の返信はがきの書き方を紹介しました。
連名での招待状をはじめて受け取ったら、返信はがきの書き方に戸惑うかもしれませんね。しかし、基本的には通常の返信はがきと書き方はほぼ変わりません。出席できる人とできない人をはっきりわかりやすく記入しておくことが大切です。
せっかくの結婚式の招待には参加したいですが、もちろん難しい場合もあるでしょう。欠席の場合でも、お互いに気持ちよく招待状のやり取りができるよう、マナーを守った正しい書き方をしっかり覚えておいて下さい。
家族みんなで楽しく結婚式に参加できるよう、返信はがきを書く際にはこの記事が参考になれば幸いです。