結婚式について自分のこととして意識し始めるまでは、結婚式に種類があること自体知らなかったという人もいるのではないでしょうか。
「挙式スタイルって何があるの?」
「どれを選べばいい?」
「神前式と人前式は何が違うのか知りたい」
結婚式に参列経験のある人であれば、なんパターンかは目にしたことがあるかもしれません。しかし、参列経験があっても、数回の経験では明確な違いを把握するのは難しいですよね。
本記事では、挙式スタイルについての基本的な知識や、どうやって選ぶとよいかなどを元ウエディングプランナーが紹介します。好みや結婚式への思いなどを、新郎新婦でしっかり話し合い、自分たちに合った式を作る参考にしていただければ嬉しいです。
結婚式4つの挙式スタイルと費用について
結婚式には4つのスタイルがあり、それぞれ全く異なった意味を持つ式となります。
何に対して2人の結婚を誓うのか、という結婚式に対する根本的な考え方にも関わる部分です。適当に決めてしまうのではなく、2人でしっかり話し合って決めるのがいいでしょう。
どの挙式スタイルにもメリット・デメリットはあります。2人はどの部分を大事にしたいのか、結婚式について考え始めるいいきっかけになるかもしれませんね。
以下4つの観点からそれぞれの挙式スタイルについて解説していきます。
- 服装
- 場所
- メリット/デメリット
- 費用
教会式(キリスト教式)
キリスト教式とも呼ばれる、キリスト教の教えにのっとったスタイルで神に愛を誓うセレモニーとなっています。王道の結婚式に憧れがある方や、アレンジを加えるのが苦手という方、ゲストの方を向くのが恥ずかしいという方にもおすすめです。
▼服装:洋装
新婦は純白のウエディングドレス、新郎はタキシードを身にまとい、祭壇の方を向いて挙式を執り行います。
▼場所:チャペル、ホテル、結婚式場
式の進行は牧師様が行い、教会やチャペルなど、一般的な結婚式場やホテルなどでも多く取り入れられている挙式スタイルです。
▼メリット/デメリット
メリット | バージンロードやベールダウン、誓いのキス、などの王道の演出が取り入れられているので、写真映えがよい。 |
デメリット | 新郎新婦はゲストに背を向けている時間が長いので、ゲスト参加型にはなりづらい。 ゲストに向けた結婚式を思い描いているカップルには物足りなく感じてしまうかも。 |
▼費用
選ぶ式場によって費用感は異なりますが、基本的な代金だけでも20万円程度〜と考えておくのがいいでしょう。ただし、教会で挙げる場合とホテルなどで執り行う場合では金額の差が大きく、希望会場の価格帯は事前に把握しておくのがいいでしょう。
人前式
参加してくれたゲストに結婚を承認してもらう、というスタイルの結婚式です。宗教などにとらわれず、自由に新郎新婦の希望にあわせた結婚式を作れることが人気で、最近は人前式を選ぶカップルも多くなりました。
読み方は「じんぜんしき」ですが、神前式(しんぜんしき)と区別するために「ひとまえしき」と呼ぶこともあります。定番の結婚式は面白くないと感じる方、ゲストに向けた結婚式にしたいと思っている方に向いているスタイルといえるでしょう。
人前式については次の記事も参考になります。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6417/
▼服装:自由
洋装でも和装でも問題ありません。2人らしい格好での挙式も可能です。
▼場所:どこでも可能
進行は、司会者を取り入れたり、ゲストにお願いしたりとさまざまですが、カジュアルなイメージの結婚式にも、ある程度しっかりとした格式ある式にもアレンジすることができます。結婚式場やホテルのチャペル、レストランウエディングなど、場所にもあまり縛られないのがポイント。
▼メリット/デメリット
メリット | 新郎新婦の好きな場所で、好きなイメージの式を作れること。 とにかく自由度が高く、ゲスト参加型の演出にも対応しやすい。 |
デメリット | 年配の方や目上の方など、関係性や年齢層によっては、受け入れられ難い可能性があること。 参加ゲストにあわせて、アレンジは配慮する必要がある。 |
▼費用
自由度が高い分、費用も幅が広く、シンプルに数万円で済ませることも可能ですが、司会者などを入れた豪華な式の場合は30万程度と高額になります。自分たちの希望と予算が見合っているのかは、事前に確認しておくと安心ですね。
神前式
古くから日本で行われてきた伝統的な結婚式の方法で、神社などの神殿で、神に結婚を報告します。ドレスより和装に興味がある方、日本らしく厳かな式にしたい方にぴったりです。
家と家の結びつきという考えを尊重する挙式スタイルなので、少人数ウエディングで考えている方にもおすすめします。
神前式については以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5457/
▼服装:和装
式は神社の神職である宮司や巫女によって執り行われ、新郎新婦は白無垢と紋付袴の和装スタイルです。
▼場所:神社、神殿
神社や神殿を持つホテルなどで行うことができます。家と家を結びつけるという考え方から、新郎新婦2人の結婚式というよりは、両家のための結婚式という考え方が大きいです。
▼メリット/デメリット
メリット | 日本らしい神聖な空間での結婚式になること。 美しい非日常の空間で写真を残せること。 |
デメリット | 場所によっては天候の影響を受けやすいこと。 ゲストの人数に限りがあること。 |
結婚式専用に作られた大きな会場とは違い、神前式では、基本的に親族のみが参列します。たくさんの友人にも見てもらいたい、などの場合にはあまり向かないスタイルかもしれません。
▼費用
神前式には、15万円〜という費用がかかります。聖歌隊などはいないので比較的安く済みますが、有名な神社などでは盛大に挙式を行うこともあり変わらないことも少なくありません。
仏前式
仏様や両家のご先祖様に結婚を報告する、という目的で行われる結婚式です。仏教の教えに従った日本らしいスタイルで、代々お寺で結婚式を挙げてきた、という家の歴史がある場合もあります。
古くからの繋がりやご先祖様を大切にしたい方、身内のみでシンプルに式を済ませたい方におすすめです。 仏前式については次の記事でも詳しく解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6269/
▼服装:和装
寺院という場所柄により、新郎新婦は紋付袴と白無垢といった和装スタイルが一般的です。
▼場所:寺院、仏壇
基本的には新郎新婦どちらかの家と縁のある寺院で、僧侶によって執り行われます。稀ではありますが、どちらかの自宅に仏壇がある場合は僧侶を呼んで、自宅で結婚式を行うことも可能です。
▼メリット/デメリット
メリット | 古くから家と繋がりのある寺に頼める安心感。 新郎新婦のどちらかのご両親が同じ場所で式をしている場合は、親孝行にも。 |
デメリット | あまり華やかな式ではないことと、ゲストが親族のみに限られること。 友人などに結婚を報告する場を設けたい方は、別途パーティーなどを用意する必要がある。 |
▼費用
費用は、10万円〜とほかの結婚式のスタイルに比べて手頃で、コストを抑えたい場合にもうれしいですね。ただし、ウエディング施設ではないため設備面のチェックは必須です。
迷う方必見! 挙式スタイルまとめ
選んだ挙式スタイルによって結婚式場選びのやり方も変わってきます。好みや、結婚式を行う目的、着たい衣装など、選ぶ基準は人それぞれかと思いますが、しっかり話し合って新郎新婦2人が納得できるものを選ぶことが大切です。
迷うことがあれば結婚式場のプランナーと相談するのもOK。下記のまとめを見ながら、意見を出し合ってみてくださいね。
特徴 | メリット | デメリット | 費用感 | どんな人におすすめか | |
教会式 | ・神に誓う ・教会、チャペル ・洋装 |
・王道スタイル ・写真映え◎ |
・ゲストから見えにくい | 30万〜 | ・王道に憧れがある ・アレンジが苦手 ・ゲストを見るのが恥ずかしい |
人前式 | ・ゲストに誓う ・チャペル、レストランなど ・洋装、和装 (どちらでも) |
・自由度が高い ・ゲストが参加し易い | ・ラフなスタイルを受け入れがたい人も | 数万〜30万程度 | ・定番は苦手 ・ゲストに向けた式がしたい |
神前式 | ・神に誓う ・神社、神殿 ・和装 |
・日本らしい結婚式 ・美しい風景 |
・天気 ・親族のみ |
30万〜 | ・和装が好み ・日本らしくしたい |
仏前式 | ・仏様、ご先祖様に誓う ・寺院 ・和装 |
・安心感 | ・親族のみ | 10万〜 | ・ご先祖様を大切にしたい ・身内だけがよい |
挙式スタイルを決定する前に確認すること
新郎新婦の好みや、どのような結婚式にしたいかという、漠然としたイメージが定まったからといって、すぐにスタイルを決めてしまうのは早すぎるかもしれません。せっかく決めたのに、のちのち問題が出てきた、ということのないように、事前に確認すべきことをしっかり知っておきましょう。
結婚式は新郎新婦にとっても周りにとっても大きなイベントであるということを意識して、準備を進めていきたいですね。
宗教観の確認
意外と結婚間際までお互いの宗教観について話をする機会がなかった、という方も多いのではないでしょうか。あまり熱心に信仰していない人にとっては気にならない部分かもしれませんが、結婚式をする上で宗教は重要なポイントのひとつです。
例えば、どちらかが熱心なキリスト教信者であるにも関わらず、結婚式は神前式を希望すると、違和感を持ってしまうかもしれません。まずは、お互いの宗教観について話し合い、知った上で結婚式の話に進むのがスムーズですね。
新郎新婦だけでなく、家族や親族の宗教観にも注意が必要です。新郎新婦はあまり気にならなくても、家として信仰がある場合は結婚式にもこだわりがある可能性があります。
せっかく結婚式のスタイルを決めたのに、のちのち反対されてしまった、ということにならないためにも自分たちの身近な人の宗教観を把握しておくのが重要です。
▼教会式を選ぶ割合が一番多い
選ばれる割合としては教会式が一番です。そのため親御様は当然のように教会式で考えていた、なんてこともありえます。
結婚式は2つの家族の始まりでもありますので、家族や身近な人の希望などもくみ取れるとなおよいでしょう。
希望する結婚式について話し合う
結婚式で叶えたいことがある場合は、結婚式のスタイルを決定する前に、新郎新婦で共有し、希望が叶えられるかを調べておく必要があります。
例えば、新婦が父親とバージンロードを歩くことが夢でも、神前式では叶えることが難しいですよね。あとから後悔しないために、やりたいことがある場合はまずリストアップしておくなど、優先順位をつけて検討しておくようにしましょう。
結婚式に憧れがあるとういう方も多いかと思いますので、コンセプトだけでなく自分の理想の結婚式とはどんなものか、まずはイメージしてみてくださいね。
予算ははっきり決めておく
現実的な部分に目を向けると、結婚式に自分たちがいくら出せるのか、をまずは確認し話し合っておく必要があります。挙式スタイルで紹介した通り、結婚式の方法によってかかる金額には大きく違いが生じます。
2人の予算にあわせて実現可能な選択肢を見極めることも大切ですね。1万円単位まで細かく予算を決めておくと、挙式スタイル選びだけでなく、今後の式場見学などでもとても役立ちます。式場ごとの見積もりが出た際に比較しやすく、より現実的に話をすることができますよ。
結婚式に対する価値観は人それぞれなので、お金があっても出せる金額は異なります。たくさん予算を割ける場合は挙式と披露宴、予算を抑えたいという場合は挙式のみや、挙式と親族での食事会など、選択肢はさまざまです。自分たちの予算を明確にし、より具体的な話に進めていきましょう。
人前式と神前式の両方であげることはできないの?
人前式と神前式を両方行いたい、という欲張りな方もいらっしゃるかもしれません。実現は可能です。
神前式で挙式をあげたあと、友人向けのパーティーの中で人前式を執り行うという方法があります。人前式は場所を問わず開催可能ですから、宴内人前式を行えば両方の挙式スタイルを体験可能です。
神に向けた誓いの言葉とゲストに向けた誓いの言葉を言うことができるでしょう。
結婚式のコンセプトの考え方
結婚式では、コンセプトを決めると理想の結婚式をイメージしやすくなり、準備もはかどります。式場決定後に結婚式場のイメージも踏まえてコンセプトを決定するのが基本です。
ただ、ある程度2人の中で方向性を固めておくと、挙式スタイルや式場選びもスムーズに進められます。コンセプトがしっかりと定まった結婚式では、準備の段階から方向性がブレにくく、一貫性のある式になりますよ。
結婚式には、お花や用意するアイテムなど、たくさん決めていくことがありますが、コンセプトがあればそれに合わせたイメージが選びやすいです。コンセプトが決まっていないと、あれもいいこれもいいと目移りしてしまい、全体を通してみると、統一感がなかったという失敗もありえます。
絶対にコンセプトを作らないといけない、というわけではありませんが決めておくと判断がしやすく準備がスムーズです。以下の2ステップで考えてみてください。
また、Instagramで理想の結婚式のイメージを投稿しているのでまだイメージが掴めないという方は参考にしてみてくださいね。
結婚式の希望と理由を書き出す
まずは、2人の希望をすべて書き出してみましょう。あまり抽象的な内容ではイメージがしにくいので、具体的に実現したときを想定して考えておくのがポイントです。
どうしてその希望を叶えたいのかという理由まで添えておくと、整理がしやすく、コンセプトを考える際のヒントにもなりますよ。
理由:ドラゴンクエストのゲームの話がきっかけで交際が始まったから
理由:クリスマスが記念日であることと、年齢的に子どもっぽいイメージにはしたくないから
理由からコンセプトを抽出する
どうしてその希望を叶えたいのか、という部分を具体的に掘り下げていけば、コンセプトを決定しやすくなります。難しく考えてしまいがちですが、2人がどんな結婚式にしたいのかを話し合う過程で、自然とコンセプトを決められるのがベストです。
リストアップした希望や理由について、考えや根底にある気持ちを相手に伝えてみましょう。
理由:ドラゴンクエストのゲームの話がきっかけで交際が始まったから
→コンセプト:ドラゴンクエスト
理由:クリスマスが記念日であることと、年齢的に子どもっぽいイメージにはしたくないから
→コンセプト:大人のXmasウエディング
詳しくは以下の記事でも解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7559/
挙式スタイルが決まったら
挙式スタイルについて、2人や周囲が納得できるものが決まったら、いよいよ自分たちの希望するスタイルが叶う式場に見学予約を入れましょう。会場探しは、予想以上に時間や労力がかかるので、余裕を持って予定を入れるように意識するといいですよ。
会場探しから始めよう
時期の目安としては、挙式をしたい時期の1年〜遅くとも半年前までには会場を見学し、予約しておくのがいいでしょう。気候の良い時期や、吉日などは予約が埋まりやすいので、日程にこだわりのある方は、早めの予約が必要です。
人気の会場は、予約が取りづらく、空いていてもすぐに予約が入ってしまうので、気に入った場合は早めの予約を意識しておくといいですね。
会場探しをはじめたい方、気になる会場がある方は、こちらの検索サイトで情報をチェックしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/
見学前の心づもり
会場見学にいく前には、事前準備をしておくことをおすすめします。結婚式場ではプランナーさんと具体的な話ができるので、聞いておきたいことやチェックしておきたいことを、リストアップしておくと便利です。
一度にたくさんの情報が入ってくるので、自分たちの聞きたいことを忘れてしまったという方も多く、貴重な機会を有意義に過ごすためにも、リストの準備は重要ですよ。
式場見学でのポイントは以下の記事をぜひ参考にしてみて下さい。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5960/
まとめ:理想が叶う結婚式を開催しよう
ここまで紹介してきた通り、結婚式と一口に言っても、スタイルによって特徴が大きく異なります。好みや結婚式への思い、宗教観など、選ぶ理由はさまざまですが、大切なのは、新郎新婦が後悔しない結婚式を挙げることです。
すべての理想を叶える、というのは難しいかもしれませんが、自分たちの理想が叶うスタイルをしっかり検討し、納得して選べば理想の結婚式だといえるのではないでしょうか。
そのためにも、周囲への確認をしっかり行った上で、じっくり準備を進めていくことが大切ですね。この記事が、少しでも準備の参考になれば幸いです。