家族婚のような少人数の結婚式の場合、「受付は必要なのか?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。受付の担当経験がない方は、受付にはどのような役割があるのかも詳しく知らないという場合も多いのではないでしょうか。
「親族のみの結婚式でも受付は必要なの?」
「受付をなくしても問題ない?」
「受付なしで結婚式を開催する方法を知りたい」
本記事では、受付の役割や、そもそも受付は必要なのか、設置する場合は誰に依頼するのかといった部分を解説していきます。受付の有無に悩んでいる方や、少人数の結婚式を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
結婚式の受付の役割とは
受付にはご祝儀を預かるだけでなく、ゲストの出席の管理、席次やお車代などの配布物を渡す、披露宴での席の確認などの役割があります。受付で行われている仕事は、結婚式をスムーズに進め、トラブルを避けるために欠かせません。
結婚式では受付が以下のような役割を果たします。まずは、どのような役割持っているのかをしっかり把握しておきましょう。
1.結婚式の顔
受付は結婚式に参列するゲストがはじめに訪れる場所です。結婚式のスタート地点として、案内的な意味も込めて設置しておくのが良いでしょう。
受付の挨拶があるだけで、ゲストはきちんと対応してもらっているという安心感が感じられます。 受付のでの対応一つでゲストの気持ちも大きく変わるので、受付係の選定は慎重に行ってください。
2.出欠の確認
受付を設置している場合は、ゲストが受付に到着次第、まずは受付の担当者が名前の確認を行います。ゲスト自ら芳名帳に記入して貰う場合や、名前を伺って担当者が一覧にチェックをつけていく方法が一般的です。
受付を設置しない結婚式では、無人のスペースに芳名帳を設置して、ゲストに名前を記入してもらうという方法があります。ただし、記入し忘れてしまう場合や、そもそも芳名帳の存在に気づかなかった、といったという可能性もあるでしょう。
参列者が親族のみや、ごく一部の友人のみで、新郎新婦が把握できるというケースでは、出席確認しないという選択肢もあります。
3.ご祝儀の預かり
ご祝儀は、式が始まる前に受付で預かるのが一般的です。受付終了後は担当者から、新郎新婦のご両親や兄弟などの親族に渡され、式が終わるまで保管されます。ご祝儀は現金が入ったものであるため、会場が預かってくれることはほとんどありません。
受付がない場合には、ご祝儀を辞退する、ご祝儀を先にもらっておくといった方法があります。ゲストと気軽に連絡が取れる場合には、受付がないことを伝え、当日ご祝儀を持参しないでほしいことを伝えましょう。
辞退する場合にも、招待状などにその旨を記載しておくとわかりやすいです。お金に関わる部分は特にトラブルになりやすいので、しっかり対策を立てておきましょう。
4.配布物のお渡し
結婚式では、席次表や新郎新婦のプロフィールなどを受付で配布していることも多いです。受付を置かない場合には、これらの配布物が行き届かず、ゲストが情報を把握できないといった失敗につながります。
また、お車代など金銭の受け渡しが必要な場合には、必ず受付の設置が必要です。お金に関わることは、式場側がサポートできない部分になるため、信頼できる人に任せましょう。
受付で参加してもらいたい演出がある場合にも受付があると安心です。例えば、ウエディングツリーやドレスの色当てクイズなどを行う場合は受付を置くのがおすすめ。
受付係から演出に参加するよう促すこともできます。
5.席の確認
受付では席次表を配り、披露宴での席の確認を行います。親族のみで卓数が少なく、新郎新婦が把握できると思っている方もいるかもしれません。
しかし、新郎新婦は基本的にゲストよりもあとに入場します。席がわからなかったり、席を間違えてしまったりするなどのトラブルもしっかり念頭においておきましょう。
ゲストのなかにアレルギー対応が必要な人がいる場合などは、特に席次は重要になるため、受付の設置がおすすめです。設置しない場合には、テーブルに席がわかるものをおくなど、混乱を避けるアイデアを考えておきましょう。
受付を設置しなくてもいい場合
近しい親族のみの結婚式など、受付の必要性を新郎新婦が感じていない場合には、無理に設置する必要はありません。受付は、あくまで式をスムーズに行うためのものです。なしでも問題がないと判断できる場合には、しっかり準備をしたうえで、受付をなしにするのも良いでしょう。
また、受付担当はほかのゲストよりも少し早めに会場につく必要があります。遠方の場合など、担当者が負担に感じる場合にも、設置は控えることが多いです。以下のような場合では受付を設置しなくてもよいでしょう。
1.出欠確認が目視でできる
家族婚や、ほんの少しの友人を招待した結婚式では、新郎新婦が出席者を見て出欠を把握できます。20名程度であれば卓数も少なく、一人ひとりの顔が見やすいでしょう。
良く見知った関係であれば、家族間で確認を行うといったことも可能です。
2.席次表なしで席が分かる
配布物を渡せないことを前提として、ゲストが席を把握できる環境であれば受付の必要はありません。だいたい20名程であれば、席札だけでも席がすぐに分かります。
不安がある場合には、大きな席次表を一枚テーブルに置いておくなど、ゲストが迷いにくい対策を考えておくと良いでしょう。
3.ご祝儀を辞退している
ゲストがご祝儀の渡し方に困らない場合も、受付の必要性は少ないでしょう。しかし実際にはご祝儀を辞退していても、当日持ってくる方は少なくありません。
しっかりと一人一人に言い含めてある、事前に受け取っているなどの事情がない限りは受付の設置が無難です。
受付を設置しない場合の注意点
受付を設置しない場合は、ゲストにとってイレギュラーな状況となるため対処法を考えておく必要があります。ゲストが迷ってしまわないように以下の点に留意しながら準備を進めるとよいでしょう。
ご祝儀は事前に預かる
ご祝儀は招待状などで辞退を伝えていても、ゲストによっては、お祝いの気持ちとして持ってくるケースがあります。できれば、受付がない旨を連絡し、ご祝儀がある場合には事前に受け取っておくのが無難です。
ゲスト全員とあらかじめコンタクトが取れるのがベスト。参加人数によっては難しくないかもしれません。
あらかじめ周知しておく
ゲストに事前に周知しておくのはもちろん、結婚式場のスタッフとも対応を共有しておきましょう。また、当日もスタッフや司会者からアナウンスを入れるとより分かりやすいです。
招待状にも明記し、できれば新郎新婦から事前にコンタクトを取ります。その際にご祝儀があれば預かってしまうのもいいでしょう。
席次表などの渡し方を決めておく
テーブルに設置しておくのか、無人の受付を設置するのかでも対応は違います。渡したいものがある場合は、確実に手に渡る方法を考えましょう。
結婚式場のスタッフに渡して貰うのは実は得策ではありません。誰に渡したのかの把握ができず、また家族分としてまとめて貰っていく人などもいるからです。
座席に設置できるのが一番ですが、その場合は自分の席がすぐ見つかるように工夫してください。
受付があったほうがいい場合
受付はできれば設置するのがおすすめです。受付をなしにする対策はさまざまありますが、設置するに越したことはないと思っておくと良いでしょう。
前述した通りなくても良い場合はありますが、以下の場合は特に受付の設置をおすすめします。
1.ゲストの年齢層が高い
結婚式では、受付があるのが当たり前と考えている人が多いのが実状です。
そのため、受付を済ませることで結婚式のはじまりを感じ、ないと不安を感じるゲストもいるでしょう。特に年齢層が高い場合や、目上の立場のゲストが多い場合には、設置を検討しておくと安心です。
2.人数が多い
人数が20名を超える場合などは、新郎新婦の目測だけでは出欠の確認が難しくなります。
さらに、席次表が手元にない状態では、ゲストが一つひとつ席を確認して自分の席札を探す手間が必要です。列席者の立場に立ったときに、席次表があったほうが良いと感じる場合にも、受付は合ったほうが良いかもしれません。
3.親族以外の招待客がいる
親族以外に、友人や会社関係者などを招待する予定があれば、受付はある方が安心です。親族よりもご祝儀を当日に持参する可能性が高いので、トラブルを避けるためにも、設置を検討しましょう。
受付がないと、ご祝儀を渡すタイミングが難しくなります。披露宴で新郎新婦に直接渡してしまう、なんてこともあるかもしれません。
パーティー中に数万円を持ち歩くのは得策ではありません。結婚式場のスタッフはもちろん預かれませんので、親御様などに隙をみて渡すことになります。
少人数婚や家族婚以外では受付は必須です。
受付係は誰に頼むのがよいか
受付を設置する場合に悩ましいのが、受付担当者の人選ではないでしょうか。受付にはどうしても向き不向きがあり、誰に依頼するかがスムーズな受付のポイントです。
間柄としては、友人や会社の同僚などにお願いすることが多いでしょう。
受付係にぴったりな人柄
まず重要視したいのが、金銭管理をしっかりできるかということです。ご祝儀は金額も大きく、ゲストからの気持ちがこもった貴重な品であるため、特に丁寧に扱える人を選びましょう。
また、遅刻は厳禁なので時間に正確であることや、誰に対しても礼節を持って接せられることも大切です。 結婚式の顔でもあるので、身だしなみが整っているかや立ち居振る舞いも重要なポイント。
マナーある言動ができる人を選んでください。
友人に依頼するのがベスト
ゲストに友人がいる場合には友人への依頼がベストです。親族は親族紹介や写真撮影などを入れている場合もあるので、受付を兼任できないこともあります。
上記の項目に当てはまる友人に依頼しましょう。
親族しかいない場合
ゲストに友人や同僚がいない場合には、なるべく新郎新婦と年齢の近い親族にお願いするのがベストです。いとこや兄弟など、新郎新婦側からそれぞれ依頼できる親族を探しましょう。
いとこや友人など家族以外に受付を依頼した場合は、お礼の用意を忘れないように気をつけてください。親族婚で人数が少ない場合や、ご祝儀の辞退を事前に伝えている際には、受付の設置をしない選択肢もあります。
受付係のお礼について詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/8715/
受付係を依頼するタイミング
招待状を送る前の声掛けの時点で依頼を打診しましょう。なるべく直接会って、または電話で依頼するのが丁寧です。
招待状には付箋と呼ばれる、受付係の集合時間などを記載したカードを同封します。
受付係に負担をかけない工夫
信頼できる人に任せたい受付係ですが、早めの集合時間や、仕事量によって相手には負担をかけてしまいます。できるだけ受付係に負担をかけないためには、どのような工夫ができるのか考えてみましょう。
ただし、多少なりとも負担をかけてしまうことは念頭に置いて、丁寧に依頼することも大切です。
エスコートカードを取り入れる
ゲストが自ら名前を探して席を確認できる、「エスコートカード」を使えば、受付での配布の手間がなくなります。一人ひとり配布物を手渡しするのは、意外と時間のかかる作業です。スムーズな受付を目指したい方にも向いています。
ただし、ゲストにはその分手間をかけてしまうので、友人中心など、カジュアルなパーティーにおすすめです。上司など目上の立場の人や、高齢の方が多い場合には避けておくのが無難でしょう。
ゲストカードを取り入れる
芳名帳の代わりに、招待状にゲストカードを同封する方法もあります。自宅で記入して当日持参するというスタイルなので、ゲスト側も余裕を持って記入が可能です。
受付係は芳名帳の記載の誘導や記載の間待機する必要がないので、案内がスムーズに進みます。出席人数が多い場合には特におすすめです。
ご祝儀は辞退する
受付で一番気を使う業務がご祝儀の預かりです。新郎新婦からすでにご祝儀の辞退が伝えられていれば、受付担当は配布物のお渡しや、出席の確認に集中できます。お金を扱うという緊張感も少なくなるので、精神的な負担も少なくなるでしょう。
まとめ:少人数婚でもばっちりの受付をしよう
少人数での結婚式でもできるだけ受付は設置するのがおすすめです。受付の役割はご祝儀の預かりだけではありません。ゲストの出席確認や配布物のお渡しなどの重要な業務も担当しています。
結婚式をスムーズに進めるためにも、自分たちの式には受付が必要かどうかをしっかり見極めることが大切です。この記事のなかでも紹介した通り、受付がなくても問題がない場合もあります。この記事を参考にしながら、受付の必要性について話し合ってみてください。