結婚式場までにかかる交通費や、宿泊の必要がある場合にはホテル代として、新郎新婦からゲストへ渡すお金をお車代といいます。
お車代はありがたく頂戴するのが基本ですが、いただいたお車代が思っていたよりも多かった、というケースもあるでしょう。
「お車代をもらったらお返しが要るの?」
「おもてなしとして受け取ったままだと失礼?」
「お返ししたいときはいくらが相場?」
今回は、お車代を多くもらいすぎてしまった場合の考え方や、お礼の方法などについて、詳しく解説します。お車代のお返しマナーについてお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
お車代のお礼はないと失礼にあたるのか
いただいたお車代が、実際にかかった交通費より多かったときには、もらいすぎてしまったと感じる方も多いかもしれません。しかし、お車代にはお返しをしないのが一般的です。新郎新婦からの気持ちと考えて、ありがたく受け取っておくのが良いでしょう。
そもそもお車代とは
お車代とは当日新郎新婦から渡される現金のことです。お車代には、結婚式場までにかかった交通費や宿泊費として渡されるお車代と、主賓やスピーチへのお礼として渡されるお車代の2種類があります。
どちらも結婚式に来てくれたゲストへの感謝の気持ちを表すものです。
▼交通費・宿泊費としてのお車代
遠方に住んでいるゲストは、新幹線や飛行機を利用して結婚式場まで来るため、近場のゲストに比べて交通費が高額になります。さらに、結婚式のために当日や前日に宿泊が必要であれば、ホテルなどの費用も必要となるでしょう。
その場合にかかる費用がゲストの負担にならないよう、新郎新婦から渡されるのがお車代です。基本的には、実費分に近い金額が用意されているので、お車代に対してのお礼は必要ないと考えてOK。
▼お礼としてのお車代
乾杯の発声や、祝辞をお願いした人には、新郎新婦からのお礼がお車代という形で当日渡されます。入っているお金は新郎新婦からの気持ちであるため、基本的にはお車代へのお礼は行わないのが一般的です。
金額が多すぎると感じる場合や、お礼に何か贈りたい方は、お返しをしても問題はありません。
ご祝儀との考え方
交通費をあらかじめご祝儀から差し引いて包んでしまった、ということもあるかもしれません。例えば、友人では3万円程度をご祝儀として包むのが相場ですが、交通費として1万円を引いた2万円を包むといったケースです。
そういった場合には、できれば新郎新婦に正直にその旨を伝えて、お互いの負担にならない程度のお返しをするのも良いでしょう。
ご祝儀は新郎新婦へのお祝いの気持ちとして渡すものです。金額には決まりがないため、個人の自由ではありますが、受け取った相手がどう感じるかをしっかりと考えて決めるのが理想でしょう。
新郎新婦がどう感じるか
交通費や宿泊費として渡されたお車代は、遠方から結婚式に来てくれたゲストへの感謝の気持ちでもあります。実際にかかった金額でもあるため、お礼として何か用意するよりは、しっかり受け取った報告と感謝の言葉を伝えればOK。
また、挨拶などのお礼として渡されたお車代も、新郎新婦はお返しがあるとは考えていないことがほとんどです。どうしても何かお返しがしたい場合には、相手に気を遣わせない程度の範囲でできることを考えましょう。
お車代をたくさんもらった時のお礼の仕方
いただいたお車代が多すぎたと感じた場合や、どうしても何かお返しを贈りたい場合には、どのような方法が良いのでしょうか。
ここでは、お車代へのお礼の手段をいくつかご紹介します。
新郎新婦が喜ぶ方法を取ろう
お返しでは、新郎新婦に負担を感じさせることがないよう、どのような方法であれば喜んでもらえるかをしっかり考えることがポイントです。
自分にあったお礼の方法を見つけていきましょう。
▼言葉で感謝を伝える
メールや手紙などで、改めて感謝の気持ちを伝えるのもお礼の方法の一つです。
結婚式は新郎新婦が時間と労力をかけて準備してきたものであるため、当日の感想と一緒に伝えると喜ばれるでしょう。
お車代のお礼という形ではなく、結婚式への招待のお礼や結婚式の感想を送るついで、という体でお礼を伝えるのがおすすめです。
▼プレゼントを贈る
プレゼントを用意する場合には、あまり気負わない程度のものを結婚祝いとして選ぶのがポイントです。
例えば、ちょっとしたお菓子や、コーヒー・紅茶、おしゃれな石鹸、ハンカチなどが挙げられます。
高価なものは相手に気を遣わせてしまうため、ささやかでありつつ、もらって嬉しいものを考えるといいですね。
▼お車代のお返しとは言わない
お車代のお返しとしてではなく、何か他の理由をつけてお礼の気持ちを贈るのも一つの方法です。
プレゼントに手紙やメッセージを添える際、「美味しいお菓子を見つけたお裾分け」や、「旅行のお土産」「新郎新婦の好きそうなお店を見つけた」など、何か別の理由をつけて贈りましょう。
伝え方が違うだけで、相手が気持ちよく受け取れるかどうかも大きく変わるため、同じプレゼントでも渡し方への配慮がポイントです。
お礼状の書き方
お礼状は、手紙やメール、プレゼントへの添え状といった形で新郎新婦へ渡します。
▼書き方
- 挨拶
- 招待のお礼
- 結婚式の感想
- お車代のお礼
- 締め
上記のイメージが一般的です。
お礼状の例文
例文を2つご紹介します。自分にあった言い回しを見つける参考にしてみてくださいね。
春風が心地いい頃となりました
先日はお2人の結婚式に招待いただき
ありがとうございました
〇〇さんのドレス姿がとても美しく
お2人の仲の良い姿をいているだけで
私も幸せな気持ちになれました
お食事も美味しくいただき
とても素敵な時間でした
結婚式の際には
お車代もお気遣いいただき
本当にありがとうございました
ひとこと感謝の気持をお伝えしたく
お手紙を送らせていただきました
またお会いできる日を楽しみにしております
穏やかで過ごしやすい季節となりましたが
お元気にお過ごしでしょうか?
先日は結婚式にお招きいただき
本当にありがとうございました
とても素敵な結婚式で
私まで感動してしまいました
お2人のラブラブな様子が見れて
とても嬉しかったです
またお車代にもお気遣いいただき
ありがとうございました
ありがたく受け取らせていただきます
また改めて食事にでもいきましょう
感謝の気持ちを伝えるポイント
お礼状では、「忙しい」や「短い」などの忌み言葉は厳禁ではありません。あまり頻繁に使うのは避けたいですが、気をつける程度で問題ないでしょう。
また、お祝い事へのお礼状であるため、明るい雰囲気を意識しながら、結婚式での話題に触れるのがおすすめです。新郎新婦の未来についてなど、楽しいことがイメージできる内容を盛り込むと素敵なお礼状がつくれますよ。
プレゼントを贈る際は
プレゼントは、相手を恐縮させず気持ちよく受け取れるものを選ぶことが大切です。実際にどのようなものが良いのか、具体例を踏まえてご紹介していきます。
おすすめのプレゼント
相手が気負わず受け取れる、高額ではない、気持ち程度の贈り物がおすすめです。価格は3,000円以内を目安にしましょう。
▼おすすめのお菓子
見た目にもおしゃれなお菓子は、誰にでも贈りやすいギフトの定番です。自分ではあまり買わないような、少し良いものをイメージすると喜ばれます。
▼おすすめのコーヒー
コーヒーや紅茶は、好みを詳しく知らない相手にも気軽に送りやすいアイテムです。本人があまり飲まない場合にも、来客用など使い道があるのがうれしいですね。
▼おすすめの石鹸
石鹸は誰でも使いやすく、消耗品であるため、性別や年齢を問わず喜ばれやすいギフトです。香りやブランドなど、相手の好みに合わせて贈るのも良いでしょう。
のしは必要?
基本的にはのしはなくても問題ありません。ただし、目上の相手へ贈るなど、かしこまって送りたい場合には、のしを着けてもOKです。
のしをつける場合には、結婚祝いと同じように水引が10本一組で結び切りになっているものを選ぶのが一般的。表書きは、「寿」や「御礼」などを選びましょう。
新郎新婦と良好な関係を続けよう
お車代へのお礼やお返しは、基本的には必要ありません。ただし、もらえることが当たり前ではなく、新郎新婦からの気持ちであることは忘れないようにしましょう。
感謝の気持ちを伝えたい場合には、自分が相手の立場だったらどう感じるかをしっかり考えながら用意することが大切です。せっかくのお礼が、相手を悩ませたり、気を使わせたりしては意味がないということを意識しておきましょう。
これからも新郎新婦との良いお付き合いを続けていくために、この記事が参考になれば幸いです。