今回は、ゲストハウスで40人前後の結婚式を数多く手がけた元ウエディングプランナーが、費用相場や成功のポイントについてまとめました。
「親しい人とゆったり過ごしたい」「一人一人と触れ合える結婚式にしたい」というカップルに人気なのが、少人数での結婚式。
家族や親族、ごく親しい友人を呼んで40人くらいで行うと、きちんと感もありつつアットホームな結婚式になるでしょう。
「ゲスト40人だとお金はどれくらい用意しておけばいいの?」
「当日の雰囲気ってどんな感じ?」
「盛り上がるにはどうしたらいいのか知りたい」
本記事では40人規模の結婚式の費用感や雰囲気、全員で楽しめる演出、後悔しない結婚式場選びについても解説します。
40人くらいのゲストでの結婚式を考えている、アットホームな結婚式にしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
40人規模の結婚式はどんな雰囲気か
結婚式の招待人数は、10人程度の少数から100以上の大規模なものまで幅広く、最適な人数はカップルによってさまざまです。一般的には60人~80人で行う方が多く、40人での結婚式はそれよりも少し小規模になります。
では、40人規模の結婚式は一般的な規模と違い、どのような雰囲気になるのでしょうか。
親族のみや近親者での温かみのある結婚式
40人規模の結婚式は、列席者が家族や親族の近親者のみや、ごく親しい友人を加えたものになります。ふたりとの関係が特に近いゲストが集まるので、心も実際の距離も近い温かみのある結婚式になるでしょう。
距離が近いからこそ言葉が直接届き、心から祝ってくれていることが感じられる安心感もあります。全員が参加できる演出や、ひとりひとりとの会話を楽しめる時間は、少人数でしか得られない充足感が感じられるでしょう。
一般的な結婚式との比較
一般的な結婚式との大きな違いは、家族と近い距離で楽しめることと、ひとりひとりとの時間が取りやすいことです。人数が多いと受付や移動にも時間がかかりますが、少人数なら待ち時間が少なく進行もスムーズに進みます。
しかし、家族や親族が中心になるので落ち着いた雰囲気になりやすく、盛り上がりや華やかさにかけるかもしれません。
人数が少ないメリット
結婚式の参加者が少ないことには、さまざまなメリットがあります。
まずゲストが少ないため、ボリュームゾーンよりも全体的な費用を抑えることが可能です。また、40人というほどよい人数により、結婚式がアットホームな雰囲気になります。
ゲストが親密な友人や家族に限定されるため、温かみのある、リラックスした空間を作り上げることができるでしょう。新郎新婦がゲスト一人一人と直接コミュニケーションを取ることもでき、満足度の高い時間を過ごせます。
ゲスト同士の距も縮まり、心のこもった演出やメッセージ、おもてなしが行き届き、一生の思い出に残る瞬間をたくさん作ることも。40人規模の結婚式は、ゲストとの時間を大切にしたい新郎新婦にぴったりな規模です。
人数が少ないデメリット
人数が少ないことにはデメリットも存在します。
参加者の数が限定的になるため、演出や余興で盛り上がりが欠けると感じることもあるかもしれません。また、ちょうどいい広さの会場を見つけるのが難しい場合もあります。
少人数向けの会場では手狭に感じ、一般的な広さの披露宴会場では人数が少ないために隙間が目立つことも。盛大さを求める新郎新婦には物足りないかもしれません。
少人数だからこそ、それに見合った演出やムードづくりが求められ、工夫が必要となる場合もあるでしょう。また、コミュニケーションの取りやすさというメリットはあるものの、会話が途切れることがあり居心地の悪いテーブルができてしまうかもしれません。
自己負担額の平均と相場について
次に、40人規模の結婚式の費用について、自己負担の平均と相場も含めて解説します。見積もりでは、総額からご祝儀分を引いた自己負担額がいくらになるのか提示されることが基本です。
見積もりの項目には、人数で変動する部分としない部分とがあります。人数を減らすことで総額を抑えても、変動しない部分の金額が大きいと自己負担が多くなるので注意しましょう。
40人規模の結婚式の総額
40人規模の結婚式を行う場合の平均費用は220万円~280万円くらいです。
結婚式は挙式料や会場費、衣裳美容や写真などの人数に左右されない項目と、料理やドリンクなどの人数で変動する項目に分けられます。一般的な結婚式と比較すると、人数が少ない分総額は抑えられるでしょう。
40人規模の結婚式の平均的な自己負担額
40人規模の結婚式の平均的な自己負担額は130万円くらいです。ゲスト人数に平均のご祝儀額3.3万円を掛けると、想定のご祝儀額を計算できます。
親族の場合は、家族間でご祝儀額の取り決めをしているケースも多いです。両親に聞いてみると、より具体的な自己負担額を見積もることができるでしょう。
親族や家族からの援助額を含めると、自己負担額はもっと抑えられるという方も多いです。一度お祝い金や援助金も含めて自己負担額を算出してみてもよいでしょう。
費用を抑えるための見積もりポイント
自己負担の金額が想定より多かった場合は、人数に左右されない項目をチェックしてみましょう。
教会式を人前式に変更する、キャンドルサービスをやめてフォトラウンドにするなど、ひとつひとつ見直してみてください。
しかし、小規模の結婚式で料理やドリンクのランクを下げてしまうと、ゲストに物足りなさを感じさせやすいので注意が必要です。
結婚式の規模ごとのコスト比較
最初は40人規模の結婚式を想定していても、ゲストをリストアップしていたらかなり増えてしまったという方も少なくありません。予算が足りなくて、さらに人数を減らしたいという方もいるでしょう。
ご祝儀の一人当たりの平均額は、少人数の方が高くなります。少人数婚の場合、親族の割合が高くることと親族は多めにご祝儀を包むためです。
予算が足りなくて支払いが難しいという場合には、人数を減らすのがよい解決策になるでしょう。
人数 | 30人以下 | 60人 | 80人 | 100人以上 |
総額の目安 | ~200万円 | 300万円 | 400万円 | 450万円~ |
ご祝儀の目安 | ~100万円 | 180万円 | 280万円 | 300万円~ |
自己負担額の目安 | ~100万円 | 120万円 | 120万円 | 150万円~ |
40人規模の結婚式を成功させるポイント
40人規模の結婚式を成功させるには、ふたりがゲストとどう過ごしたいかが大切です。
パーティの演出や服装、席次レイアウトなど、40人規模だからできることや気を付けるべきポイントがあります。
きちんとしたパーティにする
40人規模の結婚式では、身内のみの会食をイメージしていても、司会者を立てたきちんと感のあるパーティにしましょう。
歓談の時間ばかりだと盛り上がりにかけてしまい、ゲストに十分楽しんでもらえません。
新郎新婦の入退場やケーキ入刀、両親へ記念品の贈呈といった基本的な演出があるだけでも、メリハリのある結婚式になりますよ。
両家の格を合わせる
両家の両親の、服装の格を合わせることも大切です。
身内のみの結婚式の場合、セミフォーマルのスーツとワンピースで出席する方もいます。一方で、フォーマルなモーニングと黒留袖が当たり前と考える方も少なくありません。
両家が揃っていないとお互いに気まずい思いをしてしまうので、あらかじめ相談して決めておきましょう。
席次レイアウトを工夫する
会場のスペースに余裕があれば、円卓の人数を少なく配置することでゲストもくつろいで過ごせます。
家族席は新郎新婦から一番遠い末席が基本ですが、身内だけであれば高砂の近くに家族席を配置してもいいでしょう。
ゲストとより近い距離でアットホームに過ごすなら、長卓にしてゲストの間にふたりが座るのもおすすめです。
ゲスト全員と交流を深める演出を取り入れる
40人規模の結婚式では人数が少ないからこそ、ひとりひとりと触れ合える演出を取り入れましょう。
ゲストにフルーツを入れてもらい、最後にふたりがリキュールを注いで完成させる果実酒づくりは、全員が参加できる演出です。
フォトラウンドでは、一卓ごとにしっかり時間を取れば、会話を交えながら写真撮影も楽しめます。
元ウエディングプランナーおすすめの演出
ここで、40人規模の結婚式におすすめの演出を5つ紹介します。アットホームな結婚式を希望するおふたりに、新郎新婦とゲストとの絆が深まるハートフルな演出をピックアップしました。
- リングワーミング
- 植樹の儀
- キャンドルリレー
- ケーキバイト
- 花嫁の手紙
人数が少ないからこそゲスト参加型の演出もおすすめです。
1.リングワーミング
リングワーミングは、指輪交換の前にゲストひとりずつに結婚指輪を温めてもらうセレモニーです。
ゲストは指輪を手にしたら、ふたりへの祝福と幸せを願う気持ちを込め、次のゲストに渡していきます。
人数が多いと時間がかかってしまうので、少人数だからこそできる演出です。
用意するものもないので、簡単に取り入れることができます。
2.植樹の儀
植樹の儀は、苗木を鉢に植えて一緒に水を注ぐことで、新しい家族の誕生と幸せを願うセレモニーです。
ゲストには苗木を入れた鉢に順番に土を入れてもらい、最後にふたりが土をかぶせ水を注ぎます。
ゲストはふたりの家を訪ねるたびに、木の成長を見ることができるでしょう。
3.キャンドルリレー
キャンドルリレーは披露宴で行うことが多いですが、結婚式に取り入れるのもおすすめです。
厳かな式の中で、温かいキャンドルの炎がふたりを祝福してくれます。
ふたりからゲストへつないだ炎を一斉に吹き消すことで、一体感のある結婚式になるでしょう。
4.ケーキバイト
ケーキ入刀と併せて行うケーキバイトですが、ファーストバイト以外にも種類があります。
40人の結婚式でおすすめなのはサンクスバイト。
お世話になった人など感謝を伝えたい人を呼んでケーキバイトを行います。
ケーキ入刀&ファーストバイトの演出内容のアレンジについては以下の記事も参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/3362/
5.花嫁の手紙
結婚式の定番演出である花嫁の手紙ですが、40人規模だからこそより感動的なシーンになります。
ごく親しい人たちに囲まれて感謝の気持ちを伝えるシーンは、ゲストの心にも残るシーンになるでしょう。
40人規模の結婚式を検討する時のポイント
最後に、40人規模の結婚式を検討する時のポイントを紹介します。ふたりが40人くらいと思っていても、後から人数が増えてしまうケースは少なくありません。
身内だけだからと気楽に考えていても、参列するゲストがきちんとした結婚式のつもりでいたら、気まずくなってしまうでしょう。
家族婚ならなおさら、ふたりだけで決めずに家族にも相談することが大切です。
披露宴の会場選びで気を付けること
会場を選ぶ時は、40人ぴったりではなく広さに余裕のある会場を探しましょう。60人くらい入れる会場であれば、席もゆったり配置することができます。
広すぎる会場だとスペースに余裕がありすぎて、寂しく感じてしまいかねません。会場見学の時に、レイアウト図やサンプル写真を見せてもらうといいでしょう。
くつろいで過ごしたいなら、貸切のできるゲストハウスやレストランがおすすめです。
プランを利用する場合の注意点
結婚式場のプランを利用する時は、人数の増減時やプランが利用できなくなるケースについてしっかり確認しておきましょう。
40人以上で適応されるプランでは、人数が増える場合はひとりあたりに掛かる費用が追加されるのが一般的です。しかし、40人を切ってしまうとプランが使えなくなったり、割高になったりすることがあります。
ふたりが使える別のプランがあれば比較し、利用条件も理解した上で契約しましょう。
親族のみの結婚式のメリットと注意点
大規模な結婚式ではふたりが決めた日にゲストが予定を合わせますが、親族のみなら全員が揃いやすい日程を選ぶことができます。人数が少ない分、二人の準備も比較的少なくすむでしょう。
しかし、親族だけだからとマナーを省略するのはNGです。招待状を贈る、親族紹介の場を設けるなど、基本は抑えておきましょう。
まとめ:40人でアットホームな結婚式をしよう
40人規模の結婚式は、家族や親族、ごく親しい友人など、ふたりが気兼ねなく過ごせる人が中心になります。
きちんと感のある結婚式でありながら、家族の絆を深めたい、大切な人とゆっくり過ごしたいというカップルにおすすめです。
大人数の結婚式だと矢継ぎ早に進行が流れていきますが、少人数ならひとりひとりとの会話も楽しめます。
全員が参加できる演出も取り入れながら、アットホームな結婚式を叶えましょう。