冬と言えば、真っ白な雪やクリスマスのカラフルな装飾、お正月のおめでたい雰囲気などをイメージする方が多いでしょう。せっかく冬に結婚式を行うなら、冬を感じられる装花で彩りたいですよね。
季節感を取り入れた装花にするには、旬のお花や冬をイメージできるアイテムを取り入れるのがおすすめです。
そこで今回は、式場専属のフラワーコーディネーターとして数多くの装花を手掛けた筆者が、冬婚にぴったりの装飾を紹介します。
冬婚におすすめのテーマや装花のアイデアも解説していくので、冬の結婚式を予定している方はぜひ参考にしてください。
冬らしい結婚式のテーマ
結婚式の装花は、テーマを取り入れると印象深くなります。冬の結婚式でテーマ選びに困ったときは、季節感を取り入れるのがおすすめです。
冬はクリスマスやお正月など、装飾で雰囲気を出しやすい季節。ゲストにも伝わりやすく、雰囲気も盛り上がるでしょう。
1.冬の行事をテーマに
冬らしい結婚式の装花にするには、季節特有の行事をテーマにするのが一番です。クリスマスやお正月、節分など、冬は楽しくおめでたい行事が多いため、結婚式のテーマにも取り入れやすいでしょう。
ここでは、それぞれの行事をテーマにした結婚式のイメージを紹介します。
▼クリスマス
冬の結婚式で一番テーマにしやすいのが、12月のクリスマス。
装花をクリスマスカラーにしたり、松ぼっくりなどのアイテムを飾ったりと、雰囲気を作りやすい点もおすすめです。
サンタの帽子やトナカイのカチューシャで登場するなど、遊び心も入れるとより楽しめるでしょう。
▼お正月
1月の結婚式では、新年を祝うお正月をテーマに。
松や南天を使った装花を竹の器に飾るなど、和を意識した装飾がおすすめです。
ケーキカットの代わりに鏡割りをしたり、フラワーシャワーを折り鶴シャワーにしたりと、とことん和にこだわるのもいいでしょう。
▼節分
2月の節分は、邪気を祓い健康を願う日本古来の行事。
新郎新婦の新しい門出に、節分を取り入れるのもおすすめです。
豆まきをするのもいいですが、装飾に福豆を飾るだけでも節分感が出ます。
ウェディングケーキを恵方巻きにしても楽しめるでしょう。
2.冬の風物詩をテーマに
特別なイベントではなくても、冬の風物詩をテーマにするだけで季節感のある結婚式になります。冬をイメージする色の装花や、冬らしいアイテムを取り入れるなど、ゲストに伝わりやすい工夫をするのがポイントです。
▼雪・氷
冬の風物詩といえば、雪や氷。
白やシルバーといった色や、雪の結晶などの模様、雪だるまなどのアイテムで冬を表現できます。
白や水色のドレスを合わせれば、より冬のイメージを強調できるでしょう。
真っ白のチャペルや会場も、冬をテーマにした結婚式に合わせやすいですよ。
▼こたつ
寒い冬は、暖かい部屋でくつろぎたいもの。
装花やテーブルクロスなどのアイテムに、赤やオレンジ、黄色といった暖色カラーを使うのもおすすめです。
装花をマグカップにアレンジすれば、こたつでくつろいでいるかのような、暖かい空間を演出できるでしょう。
▼ウィンタースポーツ
ウィンタースポーツが好きな新郎新婦は、スキーやスノーボードのアイテムを取り入れるのもおすすめです。
スノーボードをウェルカムボードにしたり、ゴーグルやニット帽を飾ったりするだけで簡単に演出できます。
ゲスト装花にミニチュアを飾るのも面白いですよ。
冬らしい結婚式を叶えるアイデア
冬らしい結婚式を作り上げるには、全体のカラーや装飾でのコーディネートがポイントです。ここでは、冬らしい結婚式にする色合わせや、クリスマスの装飾のアイデアを紹介していきます。
1.冬を連想させるカラーとは
結婚式の装花を、冬を連想させるカラーでまとめましょう。特別なアイテムを取り入れなくても、冬らしい雰囲気にすることができますよ。
冬をイメージしやすいカラーコーディネートを、3パターン紹介します。
▼シルバーの差し色で雪を表現
白をベースにし、差し色でシルバーを入れることで、冬の雪や氷をイメージした装花やコーディネートができます。
白のお花にシルバー系の実物や葉を添え、テーブルクロスも白で統一して静謐な冬の一日を。
花器やキャンドルホルダーにもシルバーを使うことで、上質な結婚式を演出できるでしょう。
▼グレートーンで統一した厳かな冬
冬をイメージしたときに、寒色系で色のない白とグレーの世界を思い浮かべる方も多いでしょう。
白いお花にグレイッシュなユーカリなどの葉、テーブルクロスやナフキンなどもグレートーンで統一して。
白樺の枝など、葉のない枝ものを装飾に取り入れることで、冬の厳かな森を演出できます。
▼ワインレッドで暖かくモダンに
ワインレッドは暖かみがあり高級感も感じさせてくれるので、大人の落ち着いた結婚式にしたい方におすすめです。
寒い冬だからこそ、屋内の暖かさをイメージさせる色が季節を感じさせてくれます。
ワインレッドの装花にゴールドのアイテムを添えて、ラグジュアリー感を演出しても素敵です。
2.クリスマスパーティーの装飾アイデア
クリスマスと言えば、ツリーやリースなどさまざまなアイテムが想像できますよね。結婚式の装飾に取り入れて、クリスマスパーティらしい冬の結婚式を演出しましょう。
ここでは、おすすめのクリスマスの装飾アイデアを紹介します。
▼ウェルカムスペースにクリスマスツリーを
クリスマスツリーをウェルカムスペースに飾ってゲストをお出迎え。
オーナメントにふたりへのメッセージを書いてもらい、ツリーにそれぞれ飾ってもらう演出もおすすめです。
挙式中に披露宴会場のメインテーブル横に移動してもらえば、パーティ中もクリスマス感を楽しめるでしょう。
▼ブーケをクリスマスリースに
クリスマスリースをイメージしたウェディングブーケもおすすめです。
ヒムロスギやクジャクヒバなどの明るいグリーンに、赤と白のお花や松ぼっくりのクリスマスカラーで鮮やかに。
大人っぽい雰囲気にするなら、白にシルバー系の実や葉を合わせて落ち着いたトーンにするのも素敵です。
▼ミニツリーを模したゲストテーブル装花
ゲストテーブル装花には、ミニツリーをイメージしたアレンジメントを飾りましょう。
ミニツリーの周りにも、オーナメントや松ぼっくりをランダムに配置すれば、華やかな装花になります。
そのまま持ち帰りができるアレンジメントは、ゲストにお家でも楽しんでもらえるのでおすすめです。
▼メインテーブルにはキャンドルやオーナメントを装飾に
メインテーブル装花は、小ぶりなアレンジメントや、小瓶に活けたお花をランダムに並べましょう。
装花の間には、キャンドルやランプ、オーナメントなどを装飾し、クリスマス感を演出。
ポインセチアを飾ったり天使のオブジェを置いたりしても、クリスマスっぽい装飾になりますよ。
▼松ぼっくりの席札スタンドなど小物にも工夫を
松ぼっくりを席札スタンドにしたり、ナプキンをクリスマスカラーのリボンで結んだりと、小物も工夫してみましょう。
テーブルナンバーは、アンティーク感のあるゴールドのフォトフレームでおしゃれに。
装花にガーランドライトを絡めて光らせると、よりクリスマスの雰囲気が演出できますよ。
冬婚にぴったりな装花
最後に、冬婚にぴったりな装花について解説していきます。冬らしさを演出する工夫や、おすすめの花材を紹介していくので、参考にしてくださいね。
1.冬らしさのある装花とは
装花で冬らしさを演出するには、冬が旬のお花を使ったり冬をイメージする色を取り入れたりするのがポイントです。
白やくすみ系、ダークレッドなどの濃い色も冬らしく見えます。
また、グリーンも明るい色ではなく、濃い緑やシルバー系のグリーンを合わせると冬らしい装花になるでしょう。
2.冬婚に使いたい花材10選
ここでは、冬婚におすすめの花材を10種類ピックアップしました。
冬らしい結婚式のテーマに合わせて、ぴったりのお花を選びましょう。
- バラ
- チューリップ
- スイートピー
- アネモネ
- アマリリス
- クリスマスローズ
- シロタエギク
- コットンフラワー
- シルバーブルニア
- ユーカリ
1.バラ
カラーバリエーションの豊富なバラは、冬婚にも大活躍。
ピュアホワイトやダークレッド、シルバー系のくすみカラーなど、テーマに合わせた色が選べます。
エレガントなバラをメインにした装花は、大人ウェディングにもぴったりです。
2.チューリップ
チューリップは春の花ですが、切り花では11月後半から3月の冬の時期に出回ります。
白や紫、ワインレッドのチューリップは落ち着いた冬のイメージにぴったりで、春を待ち焦がれる冬の結婚式を演出できるでしょう。
3.スイートピー
スイートピーの切り花も、チューリップと同じ時期に出回ります。
真っ白な装花に添える白のスイートピーが、ひらひらと舞う雪を演出してくれるでしょう。
ネイビーやダークレッドなど、染めたスイートピーもおすすめです。
4.アネモネ
アネモネも旬は春ですが、冬に切り花が出回るお花です。
濃い色の芯に、白や紫、赤紫などの寒色系のカラーバリエーションは、しっとりとした冬の装花に使いやすいでしょう。
独特な花姿は、おしゃれに敏感な花嫁にも人気です。
5.アマリリス
アマリリスは、太い茎にユリのような大輪のお花を咲かせます。
白や赤の単色、白から赤へのグラデーションがかった花びらは、冬のクリスマス装花を豪華に演出してくれるでしょう。
エレガントな花姿は、和モダンにも似合います。
6.クリスマスローズ
白やグリーン、赤紫など、冬に似合うカラーの多いクリスマスローズ。
原種のニゲルが、クリスマスの頃に花を咲かせることが名前の由来です。
一重咲きのバラにも似た繊細な姿で、エレガントに冬の結婚式を彩りましょう。
7.シロタエギク
シロタエギクは、表面に霜を降らせたようなシルバーグリーンが特徴です。
白やくすみ系のお花に合わせることで、冬のイメージを印象付けてくれます。
中でも、細かく切り込みの入ったシルバーレースは、雪の結晶のようです。
8.コットンフラワー
綿の実がはじけて、コロンとしたふわふわの姿が印象的なコットンフラワー。
柔らかく白い綿が雪のようで、冬らしい装花には欠かせません。
ドライフラワーにしやすいので、枝のままでも実だけを飾りに使うのもおすすめです。
9.シルバーブルニア
銀色がかった白い実を固まってぎっしりつける、シルバーブルニア。
丸い実のかわいらしさとマットな質感が、冬の装花にぴったりです。
シルバーブルニアも簡単にドライフラワーにできるので、いろいろな場所に使いやすいでしょう。
10.ユーカリ
シルバー系の葉を持つユーカリは、冬婚の装花にぴったりのグリーンです。
白銀色が美しい丸葉ユーカリやアレンジしやすいグニユーカリ、存在感のあるポポラスなど種類も豊富。
数種類のユーカリを合わせるだけでも、おしゃれな装花になります。
まとめ:冬の結婚式も装花で空間を飾ろう
冬の結婚式を印象付けるためには、クリスマスなどのイベントをテーマにすること。もしくは、冬らしい色合いでコーディネートすることがポイントです。
赤や緑、ゴールドなどのクリスマスカラーで彩れば、楽しいパーティが演出できます。大人ウェディングにするなら、白やグレー、シルバー系の色で統一するのがおすすめです。
冬らしい花材を選ぶことで、季節感のある装花にすることもできます。冬婚にふさわしい素敵な装花で、結婚式の空間を飾りましょう。