結婚式を予定していたけど、直前になって身内に不幸が起こることもあるかもしれません。
突然の出来事にどのように対応したらよいのか迷ってしまいますよね。
「急な不幸があったら、結婚式は欠席した方が良い?」
「結婚式での忌中や喪中のマナーって?」
古くからのしきたりは、わからないこともたくさんあるでしょう。
本記事では、身内に不幸があった場合の結婚式に対する考え方についてご紹介しています。
結婚式での忌中・喪中のマナーを、参列する側と主催する側それぞれの立場でご紹介していますので、参考にしてくださいね。
- 参列直前に不幸が! 忌中・喪中はいつまで?
- 忌中・喪中に結婚式に参加してもいいのか
- 弔事を優先させるのが基本
- 故人との関係性によって喪中期間は違う
- 忌明け後なら出席することが多い
- 出席する自分の心と新郎新婦様の判断次第
- 急なキャンセル連絡の仕方
- 喪中に招待された時の考え方
- 忌明けなら参加する人が多い
- 返信はがきで欠席連絡するときは
- 当日は電報を送ってお祝いを伝えよう
- 身内に不幸があっても結婚式をあげるべきか
- 喪中に結婚式をあげていいかの判断
- 結婚式を延期するときはどれくらい伸ばす?
- 延期を決めたときの連絡方法
- 喪中に結婚式をあげる場合の注意点
- まとめ:お祝いに水を差さないように上手く対応しよう
参列直前に不幸が! 忌中・喪中はいつまで?
昔から身近な人に不幸があったら、一定期間は喪に服すという考え方があります。
喪に服すというのは、亡くなった方を偲んでお祝い事を控え、つつましく暮らす様子のこと。
まずは忌中や喪中がどういう考え方に基づいているのかご紹介します。
忌中の考え方
忌中とは、神道の「死は穢れのあるもの」という考えのもと、他人との接触を避けて過ごす期間のこと。
神道 | 五十日祭を終えるまでの五十日間 |
仏教 | 身内に不幸があった日から四十九日間 四十九日の法要を終えると忌明けとなる |
穢れを神様のいるところへ持ち込まないようにするため、神社への参拝も控えなくてはいけません。
故人が亡くなって間もない期間のため、悲しみや喪失感もある中では静かに落ち着いた生活をしましょう。
喪中の考え方
喪中は、一般的に2親等以内の近親者が亡くなった際に一周忌が終わるまでの最大1年間を喪に服すことです。
仏教の考え方に基づいた故人を偲ぶための期間とされ、結婚式や新年のお祝いなどは控えるのは忌中と同様です。
ただし、喪中は神社への参拝を控える必要はありません。
厳密には忌中は喪中の期間に含まれるので、忌明けからは神社へお参りに行っても良いと覚えておきましょう。
忌中・喪中に結婚式に参加してもいいのか
忌中や喪中がどういう期間かわかったところで、結婚式への出席についてはどのように考えればよいかご紹介します。
基本的にお祝い事は控えるのがマナーですが、タイミング次第で対応が異なるので注意しましょう。
弔事を優先させるのが基本
弔事は故人と最後のお別れであり、慶事のように後日あらためてご挨拶は出来ません。
結婚式に出席するつもりでも身内に不幸があった場合は、弔事を優先させましょう。
忌が明けてから、あらためてお祝いに伺うのがおすすめです。
故人との関係性によって喪中期間は違う
喪中の期間は故人との関係性によって異なります。
詳しい喪中期間を知り、結婚式への出欠の判断材料にしましょう。
喪中は故人との関係性が深いほど長めで、血縁関係の近い親や子供、また配偶者などは一周忌が終わるまでの1年間を喪中とします。
祖父母や孫、兄弟の場合、喪中は半年ほど。
明治時代には法令で喪中期間が定められていましたが、現在は厳密な期間が決まっているわけではありません。
同居していたり親しくしていた場合には、親族でなくても喪に服すこともあります。
忌明け後なら出席することが多い
どのタイミングで結婚式にお呼ばれされたかが、大事なポイントになります。
結婚式の日程が忌中の真っ只中であれば、欠席しなくてはいけません。
招待されたタイミングは忌中でも、結婚式の日程が忌明けであれば参加する人が多いでしょう。
つまり身内に不幸があって約50日間は忌中のため欠席、忌明け後は喪中であっても出席という考え方が一般的になってきました。
出席する自分の心と新郎新婦様の判断次第
他に判断材料として重要なのは、結婚式へ参列してお祝いをする気持ちになれるかどうかという自分の心の問題です。
せっかくお祝いの席にお呼ばれしても、気持ちの整理がついてないと存分に楽しめません。
また、新郎新婦さまが喪中のゲストをどのように判断するかという問題もあります。
新郎新婦様だけでなく、親御さまも含め結婚式を主催する側がどのように感じるかも忘れてはいけないポイント。
急なキャンセル連絡の仕方
出席する予定であった結婚式の直前に不幸があった場合は、欠席せざるを得ません。
身内に不幸があることは予測ができない出来事なので、どうしても急な欠席になってしまいます。
どのように新郎新婦さまに連絡をするとよいかご紹介します。
なるべく早く直接連絡を取る
新郎新婦さまはゲストが欠席する際には、お料理や引出物などのキャンセル手続きをしなくてはいけません。
そのため欠席が分かり次第、なるべく早く連絡をするのが鉄則です。
また直前の連絡になるので、メールや手紙ではなく、直接電話して連絡するとよいでしょう。
欠席の理由はハッキリと言わない
身内に不幸があった旨を伝えてしまうと、お祝いの雰囲気に水を差してしまうかもしれません。
不幸があった場合には、欠席の理由はハッキリと言わないことがマナーです。
「家庭の事情で」や「やむを得ない事情があり」と、理由はぼかして伝えましょう。
ただし、新郎新婦さまの方から「何かあったの?」と質問された時には、それとなく理由が分かるように伝えても。
欠席になってもご祝儀は後日渡す
招待状にて出席とお返事をしていたが、急な不幸で欠席してしまう場合には、ご祝儀をお渡しするのがマナー。
新郎新婦さまは出席してくれる予定でおもてなしの準備をしているので、欠席すると負担をかけてしまうかもしれないためです。
欠席でもお祝いする気持ちに変わりはないので、きちんと気持ちをご祝儀で示しましょう。
忌が明けたら、改めて新居に訪問するなどしてご祝儀をお渡しします。
二次会の参加も見送る
二次会に参加する予定だった場合も、身内の不幸があった時には見送りましょう。
古くは忌中の間は、お酒や肉・魚なども控えるつつましい生活を送るものとされていました。
二次会など結婚式よりもカジュアルな場であっても、お酒を飲んだりお祝いパーティーのような派手な外出は控えるのが理想的。
二次会についても忌明けであれば、出席しても問題ないでしょう。
喪中に招待された時の考え方
結婚式に招待された日程が、喪中だった場合の対応方法についてご紹介します。
忌明けなら参加する人が多い
喪中であっても忌明けであれば出席する人が多い近年。
結婚式を招待してくれた相手との関係性による対応の違いをみていきましょう。
▼友人の場合の対応
忌中は欠席するのがマナーですが、忌明けからは出席しても良いでしょう。
また特に親しい間柄の友人には、事情を説明して喪中でも出席してもよいかどうか承諾を得るのも1つの方法です。
▼仕事の関係者の場合の対応
取引先など仕事関係の結婚式に招待されている場合、主催者の新郎新婦さまは喪中だと知らないかもしれません。
その場合はわざわざ喪中を知らせずに出席する方が、かえって無用な心配をかけずに済むという考え方もあります。
返信はがきで欠席連絡するときは
結婚式の日程が忌中の場合は、招待状を欠席で返信することもあるかもしれません。
たいていは新郎新婦さまから結婚式に出席できるかどうか、招待状を発送する前にあらかじめ確認してくれるはずです。
しかし出席するつもりでいても、招待状が届くまでの間に身内に不幸があると欠席になってしまうことも。
招待状をいただいたのに欠席になってしまう場合は、返信ハガキを出す前に直接お伝えした上で返送しましょう。
欠席の場合でも、ご祝儀を1万円程度包んで後日お渡しするのがマナーです。
結婚式の欠席連絡をする際の詳しいマナーについては、こちらをご覧ください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7199/
当日は電報を送ってお祝いを伝えよう
結婚式には欠席しても、お祝いの気持ちだけでも伝えたい方は祝電を送るのがおすすめ。
ただし、祝電は披露宴の中で紹介される場合も多く、喪中だと分かってしまう文章はお祝い事に水を差すためおすすめしません。
祝電ではお祝いのメッセージを届け、喪中で欠席になってしまった旨は後日改めて事情をお伝えすれば良いでしょう。
結婚式を欠席するときの電報の送り方については以下の記事で詳しく解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7790/
身内に不幸があっても結婚式をあげるべきか
結婚式を主催する側である新郎新婦さまの身内に不幸があった場合には、結婚式を挙げてもよいかどうか迷ってしまいますよね。
ここからは新郎新婦さまの立場で、不幸があった時の対応の仕方について解説しますので、参考にしてください。
喪中に結婚式をあげていいかの判断
結婚式を挙げようと準備中に不幸があった場合は、予定していた通りに結婚式を挙げてもよいかどうか判断に迷うところ。
判断基準となるポイントを3つご紹介します。
周りの方々の理解や故人との関係性、結婚式までのタイミングなど、十分に考慮して決めましょう。
▼両家、親族の理解が得られるかどうか
結婚式は新郎新婦さまだけでなく両家にとって大切なイベントであり、ご親族の理解が得られるかが重要なポイント。
年配のご親族の中には、喪中期間に結婚式を挙げるべきではないと考える方もいるかもしれません。
ご親族にも両親から説明してもらうなど、理解を得られるように手を尽くしましょう。
▼ 気持ちの整理がついているのかどうか
自分やパートナーの気持ちに整理がついているかどうかも大切なポイント。
故人を思い出し悲しい気持ちになってしまうなど、心が癒えるには時間が必要な場合もあります。
不幸があったタイミングが結婚式の日程に近いほど、気持ちの整理も難しいかもしれません。
▼故人との関係性がどうか
亡くなった故人が新郎新婦さまにとって、どういう関係性の方かというのも判断基準の1つ。
故人が近しい存在であるほど、新郎新婦さまが喪主になる可能性があったり、7日ごとの法要などで忙しくなります。
身内の不幸に関わるさまざまな雑務と、結婚式の準備を平行して行うのはなかなか大変なこと。
故人とのお別れを滞りなく済ませてから、結婚式をする方が落ち着てい準備ができるかもしれません。
結婚式を延期するときはどれくらい伸ばす?
もしも結婚式の延期を選択をする場合には、どのくらい先の日程に伸ばすと良いかご紹介します。
基本的には喪中はお祝い事を控えるという考えに基づいて、喪が明けたタイミングになるように延期するのがおすすめ。
ただし結婚式まで直前の場合には、延期するのにもお金がかかってしまうかもしれません。
また、式場によって延期できる期間が決まっている場合もあるので、式場によく確認してした上で延期の日程を決めましょう。
延期を決めたときの連絡方法
延期を決めたら最初に式場へすぐさま連絡しましょう。
延期に伴う事務手数料などが発生する可能性があるため、できるだけ早い連絡がおすすめ。
式場と新しい日取りなどを相談して延期の日程が確定したら、続いてゲストへ連絡しましょう。
まず主賓や上司など目上の方から順に、直接会ってまたは電話で伝えます。
招待状を発送した後の場合は、口頭で伝えたあとにお詫び状を送付しましょう。
忘れてはいけないのは、自分たちで外部へ手配している発注先への連絡です。
ドレスやペーパーアイテム、ウェルカムグッズやカメラマンなど、外部発注先にもなるべく早く延期の日程を伝えましょう。
喪中に結婚式をあげる場合の注意点
不幸があったタイミングによっては、喪中でも結婚式を挙げる選択をする方もいらっしゃるでしょう。
つづいては、喪中に結婚式をあげる場合の注意点をご紹介します。
▼「故人の希望」で開催したことに触れる
結婚式まで近いタイミングで身内に不幸があった場合に、そのまま予定通り結婚式を挙げる新郎新婦さまもいらっしゃいます。
直前でキャンセル料がかかってしまうことや、亡くなった身内が結婚式を楽しみにしていてくれたことなどを考慮した結果の選択です。
関係者にはお酌して挨拶回りする際などに、「故人の希望」で開催したことを折に触れて話すと良いでしょう。
▼神前式ならお祓いが必要
神道の考え方では「死は穢れ」のため、神前式を行う際には事前にお祓いをする必要があります。
ただし、そもそも忌中の間は、神社へお参りに行くのは控えなくてはいけません。
そのため忌が明けてからお祓いへ行き、その後神前式という手順になります。
まとめ:お祝いに水を差さないように上手く対応しよう
急な不幸があった際に、結婚式ではどのように対応したらよいか悩んでしまいますよね。
結婚式に参列する側でも、主催する側でもお祝い事なので、失礼がないように出来る限り誠意を持って対応したいところ。
本記事では、結婚式を予定していた時に突然の訃報が入ってきても対応に困らないように忌中・喪中のマナーをまとめました。
お祝いに水を差さないように、落ち着いて対応できるといいですね。