招待された結婚式を欠席するときに、一番悩むのはご祝儀を渡すかどうかではないでしょうか。ご祝儀を渡すにしても、欠席の場合の金額に迷いますよね。
結婚式を欠席するパターンは、招待の打診段階での欠席や、出席の返事をした上での欠席など、状況によってさまざま。欠席のタイミングによって、新郎新婦にも配慮したふさわしい対応をするのがマナーです。
今回は、多くの結婚式を手掛けた元ウェディングプランナーの筆者が、欠席時のご祝儀の渡し方や金額の相場についてまとめました。
欠席の返信はがきの出し方や、祝電の送り方についても紹介していきます。結婚式を欠席するときのマナーについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
結婚式を欠席する場合のご祝儀
結婚式を欠席する場合も、ご祝儀を渡すことで、お祝いの気持ちを新郎新婦に伝えることができます。
ご祝儀は結婚を祝福するために贈るものですが、必ずしも結婚式に出席するために渡すものではありません。現金はちょっとという方は、相場相当のプレゼントを贈るのもありです。
状況別:ご祝儀を渡すか渡さないか
結婚式を欠席する人全員が、ご祝儀を渡さないといけないわけではありません。渡すか渡さないかは、新郎新婦との関係性にもよるでしょう。
ここでは、渡さなくても差し支えない人、タイミングによらず渡した方がいい人について解説します。
▼縁を切った人や親しくない人の結婚式の場合
ご祝儀は、マナーとして欠席する場合も渡すことが多いです。しかし、相手との縁の深さやお付き合いの状況によっては、必ずしもご祝儀を渡す必要はありません。
次のような場合は、ご祝儀を渡さなくても失礼にならないでしょう。
- それほど親しくなく、関係性が薄い人
- 今後お付き合いをしていくつもりがない人
- 縁を切った人
▼自分の結婚で相手からご祝儀を受け取っている場合
欠席を伝えるタイミングに関わらず、ご祝儀を渡したほうがいい相手もいます。自分の結婚式にご祝儀をくれた相手には、出欠関係なくご祝儀を用意しましょう。
この場合のご祝儀の金額は、いただいた金額と同額がマナーです。ご祝儀にちょっとしたギフトも添えると、欠席のお詫びも伝えられます。
タイミング別:ご祝儀の金額相場
結婚式を欠席するときに渡すご祝儀の金額は、欠席を伝えたタイミングによって相場額が変わります。結婚式の招待を打診している段階と、出席を伝えて準備が進んでいる段階では、状況が異なるからです。
理由も含めて、タイミングごとのご祝儀相場を解説します。
▼招待状を受け取る前に断った場合
招待状を受け取る前に断った場合は、ご祝儀の金額の半分から1/3が目安です。友人の場合は相場が3万円なので、1万円包めば差し支えありません。
ご祝儀には、お祝い金だけでなく当日の飲食や引出物代も含まれていて、相場が2万円くらいになります。その分を差し引いた1万円が、欠席の場合のご祝儀として妥当です。
▼招待状の返信で欠席連絡した場合
招待状をもらってから欠席の連絡をした場合も、ご祝儀の1/2から1/3の金額でかまいません。招待状の返信タイミングでは、料理や引出物などの発注もまだだからです。
ただ、招待状をもらってからの欠席で申し訳ないと考えるのであれば、ご祝儀にお祝い品をプラスして贈るのもいいでしょう。
▼出席と回答したが欠席になった場合
出席と回答したものの欠席になった場合は、当日と同じ金額が失礼になりません。当日まで1ヶ月以上余裕がある場合は、料理などのキャンセルが間に合うため1万円でも大丈夫です。
ただし、新郎新婦に迷惑はかけてしまうので、しっかりお詫びの気持ちを伝えましょう。
▼直前になって欠席になった場合
当日まで1か月を切ってから欠席になった場合は、当日と同じ金額を渡すのがマナー。すでに料理などの発注も確定しているため、キャンセル料がかかってしまうからです。
特に直前での変更は、さまざまな調整で新郎新婦をさらに忙しくさせてしまいます。当日と同額包むことで、お詫びの気持ちも込めましょう。
欠席したときのご祝儀の渡し方
欠席したときに渡すご祝儀も、当日と同様にきちんとご祝儀袋に入れて用意しましょう。金額が異なるとしても、新郎新婦へのお祝い金であることに変わりありません。
渡すタイミングや渡し方にもマナーがあるので、相手に失礼のないよう心がけましょう。
ご祝儀を渡すタイミングはいつまで?
ご祝儀を渡すタイミングは、結婚式の1~2か月前がベストです。あらかじめ欠席が分かっている場合は、新郎新婦が準備で忙しくなる前に渡しましょう。
1か月切ってから欠席になった場合は、結婚式の1~2週間前までに渡せると安心です。直前に欠席になった場合は、結婚式が終わって新郎新婦が落ち着いてから渡す方が迷惑になりません。
ご祝儀はできれば直接会って渡す
ご祝儀は、できれば直接会って渡すのがマナーです。お祝いの言葉を添えれば、新郎新婦にも喜んでもらえます。
友人に代わりに渡してもらったり、ネットで振り込んだりはNGです。最近は、アプリで簡単にお金を贈れますが、お金を渡すことだけが大事なのではありません。
相手に誠意を感じてもらうには、直接ご祝儀袋で渡すことが大切です。
ご祝儀袋は現金書留でも送れる
ご祝儀は手渡しが基本ですが、遠方で会う機会がない場合は、現金書留で送る方法もあります。現金書留は金品専用の封筒で、郵便局から送ることが可能です。
現金書留でご祝儀を送るときは、現金をそのまま入れるのではなく、ご祝儀袋に包んでから封筒に入れましょう。その際、お祝いのメッセージを添えるのがマナーです。
現金書留については以下の記事で詳しく解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6528/
返信はがきを欠席で出すときのマナー
返信ハガキを欠席で出すときにもマナーがあります。詳しくみていきましょう。
返信はがきの書き方
基本的な書き方は、次のとおりです。
- 欠席を〇で囲み、上の「ご(御)」や「ご出席」は二重線で消す
- ご芳名などの「ご(御)」も二重線で消す
- 空いているスペースには、お詫びとお祝いのメッセージを記入する
- 宛名の新郎新婦の名前の「行」を二重線で消し、様を付け加える
詳しい欠席時の返信はがきの書き方については、次の記事を参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7199/
返信はがきの投函は時間をおいてから行う
招待状を受け取ってから欠席の返信はがきを投函するまでには、1週間くらい日にちを空けましょう。
あらかじめ欠席が分かっていても、すぐに返信はがきを送るのはマナー違反になります。「そもそも行く気がなかった」「検討すらしなかった」と受け取られてしまうからです。
新郎新婦様に連絡する
出席の意思を伝えていながら返信はがきを欠席で出す場合は、はがきだけでなく新郎新婦に電話やメールでも連絡しましょう。
「出席すると言ってくれたから招待状を出したのに」と、新郎新婦に残念な思いをさせてしまいます。直接連絡することで、お詫びの気持ちを伝えましょう。
欠席する場合のメッセージと理由例文
欠席する場合に返信はがきにメッセージを書くときは、理由を明確にしてもいいケースとぼかした方がいいケースとがあります。体調不良や身内の不幸など、お祝いにふさわしくない理由は詳しく伝えないのがマナーです。
ここでは、それぞれの例文を紹介します。
▼理由を明確にする場合の書き方
ご結婚おめでとうございます
ぜひお祝いに駆けつけたいところですが
海外出張と重なってしまったため
残念ながら欠席させていただきます
末永い幸せを心よりお祈り申し上げます
▼理由をぼかす場合の書き方
この度はご結婚おめでとうございます
結婚式への出席を楽しみにしておりましたが
やむを得ない事情により欠席とさせていただきます
おふたりの幸せを心よりお祈り申し上げます
結婚式を欠席するときは祝電でお祝いがおすすめ
結婚式に出席できなくても、当日お祝いを伝えられるのが「祝電」です。結婚式に招待されても欠席せざるを得ないときは、祝電で新郎新婦を祝福しましょう。
飾れるタイプの祝電を送れば、ウェルカムスペースに飾って花を添えてもらうことができるので、喜んでもらえますよ。
祝電の送り方
祝電は、できれば前日までに結婚式場に送りましょう。直前の欠席で当日送る場合は、挙式前までに届くよう手配し、式場にも連絡を入れておくと安心です。
挙式と披露宴の場所が異なるときは、披露宴会場に送りましょう。お祝いの文面をオリジナルで依頼する場合は、忌み言葉を使わないよう注意してください。
詳しくは以下の記事で解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7483/
カタログギフト付き祝電という手も
祝電には、カタログギフト付きもあります。ご祝儀相当の金額のプレゼントが付いた祝電を送ることで、急きょ欠席になったときも結婚祝いとして贈ることができます。
ほかにも、ぬいぐるみ電報やフラワー電報など、ウェルカムスペースに飾っておけるタイプの祝電もおすすめです。
面白い電報を送って新郎新婦を喜ばせたい方は次の記事が参考になるでしょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7850/
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/8562/
まとめ:結婚式を欠席するときもご祝儀は用意しよう
結婚式を欠席するときも、ご祝儀を渡すのがマナーです。ご祝儀の金額をいくらにするかは、欠席を伝えるタイミングによります。
結婚式の1か月前までなら当日包む予定の半分から三分の一、1か月を切っているなら全額包むのが基本です。ご祝儀は1か月前までに手渡しが理想ですが、遠方などで難しい場合は現金書留でも送れます。
結婚式当日は、祝電を送ると喜んでもらえるのでおすすめです。今後もお付き合いの続く相手なら、ご祝儀や祝電でしっかりとお詫びとお祝いの気持ちを伝えましょう。