披露宴でゲストから一番注目を浴びるのが、新郎新婦が座る高砂席。写真もたくさん撮られる場所だから、おしゃれにコーディネートしたいですよね。
高砂のメインテーブルを彩るのは、装花だけではありません。さまざまな小物使いもポイントです。
ソファやサイドテーブルなどを活用すると、雰囲気ががらっと変わります。季節感のあるコーディネートにするには、旬の花や色選びも大切です。
そこで今回は、元フラワーコーディネーターの筆者が、高砂のコーディネートアイデアや装飾ポイントを解説します。
「高砂の装花にこだわりたい」「おしゃれに見えるアイデアを知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
高砂席とは?
高砂(たかさご)席とは、新郎新婦が座る席のこと。かつては、ゲストより一段高い場所にメインテーブルと椅子を設けるのが当たり前でしたが、最近では段差を作らないケースも少なくありません。
テーブル上や周りを装飾するのは、新郎新婦を華やかにしたり、写真映えを良くしたりするためです。
高砂の名前の由来
高砂の由来は、兵庫県の高砂神社にある相生の松のこと。雌雄の幹が根元でひとつになった松で、かつて祝言でよく歌われた能の謡曲「高砂」は、この松に着想を得たと言われています。
松を夫婦に見立て、一生添い遂げられるように願いをこめて、「高砂」と呼ばれるようになったそうです。
高砂席はテーブル・椅子・装花・装飾の組み合わせ
高砂席は、主にテーブルと椅子、装花・装飾で構成されています。テーブルをサイドのみにしたり、ソファ席ではテーブルをなくしたりと、組み合わせ次第で雰囲気を変えることが可能です。
それに合わせて、装花・装飾も足元やサイドなど自由に飾れます。
高砂席のコーディネートアイデア
高砂席は、横長の大きなメインテーブルに新郎新婦の椅子をそれぞれ置くのが定番でした。
しかし、最近ではソファを使ったりサイドテーブルを置いたりと、自由なレイアウトが可能な会場も少なくありません。
- チェア × メインテーブル (足元が隠れるタイプ)
- チェア × メインテーブル(足元が隠れないタイプ)
- チェア × サイドテーブル
- ソファ × サイドテーブル
- ソファ × テーブルなし
1.チェア × メインテーブル (足元が隠れるタイプ)
メインテーブルに2脚のチェアの組み合わせは、高砂席の定番スタイル。
ホテルや専門式場などの格式のある会場に多く、かしこまった披露宴におすすめです。
足元が隠れるように作られた専用のテーブル、もしくはクロスを掛けて足元を隠します。
段差をなくせば、カジュアルな雰囲気にもOKです。
2.チェア × メインテーブル(足元が隠れないタイプ)
デザイン性のあるウッドテーブルに2脚のチェアの組み合わせは、かしこまりつつカジュアルな雰囲気を演出。
足元を見せたナチュラル感が魅力です。
あらゆる式場にマッチしますが、アンティーク調のダークブラウンや無垢のパイン材など、色や材質でも雰囲気が変わります。
3.チェア × サイドテーブル
メインテーブルを置かずに、新郎新婦のチェアとサイドテーブルの組み合わせ。
正面にテーブルがないことで、高砂席での写真も全身のドレス姿を撮ってもらえます。
サイドテーブルは、ドリンクや料理を置くため両側にあると便利です。
全身が常に見えているので、くつろぎすぎないようにしましょう。
4.ソファ × サイドテーブル
チェアではなくソファにすると、よりリラックスした雰囲気に。
ゲストハウスやレストランなど、堅苦しくなく開放感のある会場におすすめです。
サイドテーブルを置いておけば、ドリンクや料理も置けるので困りません。
また、深く腰掛けるより浅く座った方が、姿勢よくドレス姿もきれいに見えます。
5.ソファ × テーブルなし
高砂席をフォトブースにしたい、装飾にこだわりたいという場合は、テーブルなしでソファだけにするのもありです。
テーブルがないとグラスやお皿などが置けませんが、新郎新婦は飲食をする時間も少ないので割り切るのもよいでしょう。
木箱や丸太を重ねて、テーブル代わりにするのもおすすめです。
高砂席の装飾ポイント
高砂席の装飾は、メインテーブル上に装花を飾るのが基本になります。さらに、足元やサイドにも装花を置いたり、新郎新婦の後ろに飾り付けをしたりも。
花だけでなく、小物や木箱、バスケットなど、さまざまなアイテムを使った装飾も可能です。
高砂席の装花の種類
メイン装花は、新郎新婦を華やかに見せる役割があります。基本は、横長のパレットにこんもり花をアレンジし、テーブル上を花で隠すように飾るスタイルです。
ほかにも、花を小分けにして飾ったり足元にも花瓶を置いたりと、さまざまなスタイルがあります。
- シンプルなクラシカルスタイル
- 床にまで溢れる装花
- アシンメトリーな今どきスタイル
- ナチュラルなグリーンを多めに
- 写真映えするアーチ
▼シンプルなクラシカルスタイル
シンプルなクラシカルスタイルは、横長に花がこんもり盛られたアレンジ。
途切れのないゆるやかな一山や、真ん中と両端に分かれた三山が定番です。
土台のスポンジが見えないようにアレンジするので、花をたくさん使います。
格式のある式場やかしこまった雰囲気にしたい方におすすめです。
▼床にまで溢れる装花
グリーンを長く垂らしたり、床にも花瓶などで装花を置いたりすれば、より華やかな装飾に。
花だけでなく、オーガンジーやシフォンをドレープをとってたっぷり床に垂らせば、ドレッシーな雰囲気を演出できます。
木箱や丸太、キャンドルやランタンなど、合わせる小物で雰囲気を変えることも可能です。
▼アシンメトリーな今どきスタイル
定番のアレンジはシンメトリーが基本ですが、アシンメトリーに装飾すれば今どきのおしゃれな装花になります。
片側に一山作って、もう片側は花瓶や小ぶりなアレンジを点在させると、格式を保ちつつトレンド感のある装花に。
カジュアルな雰囲気にするなら、デザイン違いの小瓶をランダムに並べるのもおしゃれです。
▼ナチュラルなグリーンを多めに
花がメインの装花は華やかですが、グリーンを多めにするとナチュラル感が増します。
明るいグリーンはさわやかに、濃いグリーンやシルバー系は大人っぽくと、種類によって雰囲気を変えられるのも魅力でしょう。
1種類をたっぷりではなく、複数のグリーンを組み合わせるのがおすすめです。
▼写真映えするアーチ
新郎新婦の後ろに装花で大きなアーチを作ると、写真映えするフォトスポットに。
丸い土台にアレンジするだけでなく、両サイドから高さのある枝ものやパンパスなどを活けて、アーチっぽくするのもありです。
シンメトリーよりはアシンメトリーにすると、動きがあることで華やかさが増します。
小物のおすすめ活用方法
花だけで空間を埋めようとすると高額になりやすいため、ボリューム感を出しつつ節約するには小物をうまく使うのがポイントです。
花と小物をそれぞれ単独で置くのではなく、重ねたり絡めたりしながら配置することで、統一感のある装花になります。
- キャンドル
- アンティークフォトフレーム
- 鳥かご
▼キャンドル
キャンドルは、高さや太さ違いでいくつか用意し、アシンメトリーに配置するのがおすすめです。
どんな装花にも合わせやすいのが、オフホワイト。
ナチュラルな装花なら、ボタニカルキャンドルもよいでしょう。
キャンドルホルダーやランタンで変化を付けるのもありです。
▼アンティークフォトフレーム
ブロンズやゴールドのアンティークフォトフレームを置くだけでも、おしゃれな装花になります。
2つ以上置く時は、オーバルやスクエアなど形違いで置くのがポイントです。
ふたりの写真を入れてもよいですし、モノクロやセピアの小粋な写真でも映えますよ。
▼鳥かご
アンティークテイストの鳥かごは、花を飾ったりグリーンを絡めたりしてアレンジしましょう。
洋古書を積んで高さを出し、中から花やグリーンがこぼれるように見せても素敵です。
キャンドルを入れたりレースのリボンを結んだりすると、ちょっと甘めな雰囲気にもなります。
持ち込み可能なアイテムと注意点
持ち込み可能なアイテムは、会場によって異なります。メイン装花と一緒に使いたい小物は自分では飾り付けられないため、フローリストにおまかせしなければなりません。
どのように使ってもらいたいかを、事前にしっかり伝えておきましょう。会場やアイテムによっては、持ち込み料が掛かる場合もあるので注意が必要です。
季節ごとのお花と装飾アイデア
春はパステルカラー、秋はアースカラーといったように、季節をイメージする色がありますよね。見ていてしっくりくる季節感のある装花にするには、その季節らしい色と旬の花でコーディネートするのがポイントです。
ここでは、季節に合わせた高砂席の装飾アイデアを紹介します。
春のコーディネート
春のコーディネートは、淡いパステルカラーや明るい色がおすすめです。鮮やかなグリーンを使って、新緑をイメージするのもよいでしょう。
ナチュラルな雰囲気にはアネモネやスイートピー、華やかにするならバラやシャクヤクも。かすみ草など小花で白を添えると、さわやかさも演出できます。
夏のコーディネート
夏には、白グリーンのさわやかコーデや、ビビッドカラーの鮮やかな組み合わせがおすすめです。デルフィニウムやブルースターで青を入れると、涼しげな雰囲気になります。
さわやかコーデにはアジサイやトルコキキョウ、ビビッドカラーはアンスリウムやモカラなどの南国系の花がぴったりです。
秋のコーディネート
秋は、こっくりとした色、朱色やオレンジなど実りを感じる色がおすすめ。紅葉したグリーンを使うと、より一層季節感を感じられます。
秋の花は、ダリアやコスモス、ケイトウなどが代表的です。パンパスグラスなどの穂ものや、ローズヒップなどの実ものを取り入れても、秋らしいコーディネートに。
冬のコーディネート
冬は、白やワインレッド、ブルーグレーなどの深い色がおしゃれです。ユーカリなどのシルバー系グリーンを合わせると、トレンド感のあるコーディネートになるでしょう。
クリスマスローズやコットンフラワー、サンキライ、エリンジウムなどを入れると、季節感のあるアレンジに。
まとめ:結婚式の高砂席はこだわりポイント!
新郎新婦が座る高砂席は、ゲストから注目されるだけでなく、写真にも一番残る場所です。できれば装花や装飾にこだわって、おしゃれで写真映えするコーディネートにしたいですよね。
高砂席は、テーブルと椅子の組み合わせだけでなく、装花のデザインや使う花・色合いによって、コーディネートが無限にあります。
小物や季節感のある花を上手く取り入れながら、二人の結婚式のテーマに合った素敵な高砂席にしましょう。