結婚式のスタイルの多様化に伴い、和装ではなく洋装を着られるお母様も増えています。「カジュアルな結婚式だから」「身内だけだから」と、新郎新婦が洋装を希望するケースも少なくありません。
しかし、結婚式では格式やマナーをわきまえることが大切です。服装選びだけでなく、ヘアメイクや合わせるアクセサリーなどで悩まれる方も多いでしょう。
そこで今回解説するのは、結婚式での母親の洋装の選び方やマナーです。洋装に似合うヘアメイクやアクセサリーのポイント、レンタルできる年代別のおすすめドレスも紹介します。
最後までお読みいただくことで、母親の立場にふさわしい服装やアイテム選びができるでしょう。
結婚式における母親の服装マナー
結婚式での母親は、新郎新婦とともにゲストを迎える立場になります。そのため、母親としてだけでなく、ホストとしてもふさわしい服装を選ぶことが大切です。
正礼装をする
礼服には立場やシチュエーションに応じた格式があり、結婚式での母親に求められるのは、一番格式の高い正礼装です。
正礼装の服装は、和装では黒留袖、洋装ではアフタヌーンドレスもしくはイブニングドレスになります。
両親は、ゲストより格式の高い服装を選ぶのがマナーです。しかし、レストランウェディングなどのカジュアルな結婚式では、格式の下がる準礼装や略礼装でもよい場合もあります。
和装と洋装はどちらでもよい
正礼装には和装と洋装とがありますが、格式が合っていればどちらを選んでも大丈夫です。挙式スタイルが神前式の場合も、和装ではなく洋装で出席してもかまいません。
どちらを選ぶかは、結婚式場の雰囲気やゲストの顔ぶれなどで決めてもよいでしょう。
また、結婚式のスタイルによっては、新郎新婦にも服装の希望があるかもしれません。衣装を選ぶ時は、ふたりとも相談して決めるとよいでしょう。
夫婦・両家間で格を揃える
結婚式の服装を選ぶ時は、夫婦や両家間で格を揃えることも大切です。
両家の両親は並んで立つことも多いため、格が揃っていないとバランスを欠いてしまいます。両親同士も、当日お互いの服装の違いに気付いたら気まずくなるでしょう。
一方が和装でもう一方が洋装でも、格が揃っていれば問題ありません。ただし、写真を撮った時の見栄えもあるので、両家間で相談しておくと安心でしょう。
結婚式における母親の洋装マナー
洋装の正礼装は、時間帯に合った服装の選択が求められます。ヘアメイクやアクセサリーなども、服装やシチュエーションにふさわしいコーディネートをすることが大切です。
ここでは、洋装の正礼装を選ぶポイントや、コーディネートのマナーについて解説します。
アフタヌーンドレスとは
アフタヌーンドレスは昼間の時間帯に着る正礼装で、肌の露出をなるべく控えたドレスがマナーとされています。そのため、胸元や背中が詰まっていて、袖は7分丈以上の長さがあるデザインが一般的です。
スカート丈はくるぶし丈くらいで、高級感のあるシルクで光沢を抑えた生地が上品に見えます。
色は落ち着いた色がおすすめですが、黒一色は喪服に見られやすいです。刺繍などのデザインや小物などで、華やかさを取り入れましょう。
イブニングドレスとは
イブニングドレスは、夜の時間帯に着る正礼装です。昼間のアフタヌーンドレスとは異なり、露出がある方がよいとされています。
そのため、胸元や背中が開いていて、袖がないデザインが一般的です。イブニングドレスを選ぶ時は、羽織ものをセットで用意しておくと安心でしょう。
一方で、足元は露出せず、くるぶしより下までの長さを選ぶのがマナーです。高級感のあるシルクやサテンの光沢のある生地で、華やかさを演出しましょう。
似合う髪型について
ヘアスタイルは、夜会巻きやシニヨンなどのアップスタイルが似合います。ショートやボブでアップにできない場合は、巻いたりヘアアクセサリーをつけたりして華やかにしましょう。
カジュアル感のある結婚式では、ハーフアップにする方も増えています。コームやバレッタなど上品に見えるヘアアクセサリーを選び、きちんと感を演出しましょう。
昼間はパールなどの光らないもの、夜はビジューなどの煌びやかなものを選ぶのもマナーです。
似合うメイクについて
正礼装のドレスに似合うのは、ツヤ感のある上品なメイクです。ドレスに負けないように、普段よりも華やかなメイクを心がけるとよいでしょう。
また、結婚式では涙がにじむシーンも多いはず。アイラインやマスカラは、ウォータープルーフタイプを使うと安心です。
リップはグロスなどでツヤ感を出すと、パーティらしさを演出できます。グラスなどにリップがべったりつくと見栄えがよくないので、色移りしにくいタイプを選びましょう。
合わせるアクセサリーについて
フォーマルな場のアクセサリーは、昼間は輝きを抑えたもの、夜はきらびやかなものをつけるのがマナーです。昼の結婚式には、パールや天然石をあしらったアクセサリーを選ぶとよいでしょう。
夜の結婚式には、ビジューを施したイヤリングやネックレスがおすすめです。生花は花嫁のみとされているので、コサージュを付ける場合は造花を選べばマナー違反になりません。
主役は新婦なので、派手すぎない上品なアクセサリーを選びましょう。
合わせるバッグについて
バッグは、小ぶりのパーティバッグを合わせます。クラッチバッグやチェーンのついたショルダーバッグがおすすめです。
光沢のあるサテンや繊細なレース、ビーズ刺繍が施されたバッグを選ぶと、華やさが演出できます。お祝いの席では、殺生をイメージさせるものはNGなので、レザーやファー素材は避けましょう。
パーティバッグに入れるのは、貴重品や簡単なメイク用品のみ。ほかの荷物は、サブバッグに入れてクロークに預けましょう。
母親におすすめのレンタルドレス
ここでは、母親にふさわしいドレスの色や、年代別におすすめのドレスを紹介します。ドレスはどれもレンタルできるので、気になるものがあったらチェックしてみてください。
おすすめの色について
母親が着る洋装は、黒やネイビーなどの落ち着いた色や、明るいグレーなどの派手すぎない色がおすすめです。
黒いドレスは喪服に見えないように、レースや刺繍などで華やかさが演出されているとよいでしょう。
新婦が着る白は、マナー違反です。お色直しに黒やネイビーを着ることもあるので、相談して決めるとよいでしょう。
20代・30代の母親におすすめのドレス
20代・30代の母親には、若々しさがありつつ、落ち着きも感じられるドレスがおすすめです。
▼おすすめのドレス1
母親としての落ち着きを感じさせながら、若々しさも損なわない明るいブルーグレーのドレスです。
総レースで華やかさを演出しつつ、シンプルなデザインときれいなシルエットが上品。
シフォンのふんわりとした袖が、おしゃれに見せながら二の腕をカバーしてくれます。
▼おすすめのドレス2
夜の結婚式にふさわしい、ノースリーブのドレッシーなドレスです。
胸元や背中はレースの透かしになっているので、露出が控えめで上品に見えます。
派手さはありませんが、全身にたっぷり使ったレースや、動くたびに揺れる裾のスカラップカットが華やかです。
40代・50代の母親におすすめのドレス
40代・50代の母親には、落ち着きすぎず、華やかさとエレガントさを持つドレスがおすすめです。体型の気になる部分をカバーしてくれるドレスが着やすいでしょう。
▼おすすめのドレス3
ホテルなどの格式のある式場だけでなく、カジュアルなパーティにも使いやすいドレスです。
全体的にシンプルですが、流れるようなドレープがおしゃれで、エレガントに見せてくれます。
落ち感があり体型を拾わないデザインなので、長時間でも疲れにくいでしょう。
▼おすすめのドレス4
ナイトウェディングにもおすすめな、黒のロングドレスです。
レーシーな袖が二の腕をカバーしてくれるので、肩を出すのが苦手な方でも着やすいでしょう。
上半身のレース部分のスパンコールがさりげない輝きを放ちつつ、落ち感のあるスカートが上品さを演出してくれます。
60代以降の母親におすすめのドレス
60代以降の母親には、上品で高級感のあるドレスがおすすめです。体型カバーだけでなく、長時間でも疲れないデザインのドレスを選ぶとよいでしょう。
▼おすすめのドレス5
豪華で華やかなレースが高級感を感じさせてくれるロングドレスです。
上半身のエレガントな刺繍が顔周りを華やかに見せながら、縦ラインのスカートが上品さを演出してくれます。
チュールに刺繍を施すことで軽やかに仕立てられているので、疲れを感じにくいでしょう。
▼おすすめのドレス6
ボレロとノースリーブのロングドレスのセットアップは、昼と夜どちらの結婚式にも合わせられます。
立体感のあるレースのドレスは、上品なエレガントさを演出してくれるでしょう。
襟ぐりや袖、裾にバラ柄のレースが施されているシフォンのボレロも華やかです。
まとめ：母親が洋装してもOK！ マナーをしっかり守ろう
結婚式での母親は、一番格式の高い正礼装を着るのがマナーです。和装と洋装どちらでもかまいませんが、結婚式のスタイルの多様化で洋装を着る方も増えています。
今回は、母親が着る洋装のマナーと、ヘアメイクやアクセサリーのポイントなどを紹介してきました。おすすめドレスはどれもレンタルできるので、ぜひ参考にしてください。
この記事で解説したマナーをしっかり守り、母親にふさわしい洋装で結婚式に参列しましょう。
