披露宴の中座中に流れるプロフィールムービーは、新郎新婦の歴史を振り返る思い出の写真集です。新郎新婦それぞれの歴史、2人が出会ってからの出来事、これらをゲストの方々に知ってもらうための映像です。1人の男性(新郎)、1人の女性(新婦)が、1組のカップルなるまでの軌跡をゲストの方々に披露します。
一般的な結婚式のプロフィールムービーの構成としては・・・
生まれたばかりの自分を抱く両親との写真から、学校に通い始め、初めてできた友達や、部活や行事などを経て、2人が出会い、結婚式当日までに至った経緯を時系列で紹介していきます。
途中でゲストの方々が登場することもあり、会場にいる皆様の様々な思い出も、よみがえります。
会場の映像業者に頼むことが多いプロフィールムービーですが、2人で、または家族で手作りするカップルもたくさんいます。
手作りすることで、お互い知らなかった歴史を見ることができ、より分かりあえた、よりキズナを深められたという声も聞かれます。
「2人で作ろう」というカップルのために、7日間で完成させるというイメージで作業工程を紹介していきたいと思います。
結婚式の自作プロフィールムービー~1日目~
まず1日目は、プロフィールムービーの制作に必要な素材を準備します。
・2人の写真
・写真に対するコメント(説明文)
・BGM
以上の3つが欠かせない要素になります。
●結婚式のプロフィールビデオの構成
一般的な構成
・新郎パート・・・2分前後
・新婦パート・・・2分前後
・2人のパート・・・1分30秒前後
合計約5分前後で構成されます。
●具体意的に何をどう準備する?
・新郎が生まれてから現在に至るまでの思い出の写真10枚前後
・新婦が生まれてから現在に至るまでの思い出の写真10枚前後
・2人が出会ってから結婚に至までの思い出の写真10枚前後
合計30枚前後の写真で構成するのが、ちょうどいいと感じます。
それらの写真にのせるコメント
例)「小学校の遠足の写真」
⇒小学3年生の時の遠足、山登りは疲れたけど頂上で食べるお弁当は最高でした!
「中学時代の部活の写真」
⇒サッカー部の練習はキツかったけど、根性と大切な仲間を得られました。
「2人の初めてのデート」
⇒初デートは定番のディズニー!毎年3回は行ってます!!
以上のものを音楽に乗せてスライドさせていきます。
幼い頃の写真を探したり、2人の思い出を振り返るのも楽しい作業ではないでしょうか。
1日目はまず素材の整理から始めてみましょう。
結婚式の自作プロフィールムービー~2日目~
思い出の写真の中でも最近、撮影したものはデジカメで撮影したものが多いと思います。
デジタル撮影のものは、そのままパソコンに取り込めますが、幼い頃のフィルム撮影の写真はデータ化してパソコンに取り込まなければなりません。
●データ化する方法
スキャンする(ベストな方法です)
コピー機などでスキャンしてデータを直接パソコンに取り込めれば手間もかからず、写真と同じ、ちょうどいい寸法で取り込めるので見栄えがいいです。
解像度の設定は150dpi以上、できれば300dpiを推奨します。
家に機材がない方は仕事が終わった後、会社でこっそり、、、なんて手もあります。
写真そのものをデジカメ or スマートフォンで撮影する
遠くから少しズームして、自分の影が映らないようにしましょう。
縦と横が画面にぴったり合うよう、ぶれないよう慎重に撮影しましょう。
スマートフォフォンでも最近の機種であれば十分な解像度なので、画質的には問題ありません。
撮影後、データをパソコンに移しましょう。
解像度という言葉を聞いたことがあると思いますが、披露宴で使われるスクリーンの解像度は横720×縦480になります。
パソコンに取り込んだ際、それ以上の解像度になっているか確認しましょう。
写真、BGMのデータが用意できたらいよいよ編集作業に入ります。
結婚式の自作プロフィールムービー~3日目~
写真、コメント、BGM、素材が、すべて揃ったら編集ソフトにのせて形を作ってみましょう。編集ソフトと言っても様々なものがありますが、スライドショーだけならパソコンに最初から入っているレベルのもので問題ありません。いくつかのソフトの詳しい使い方に関しては後述します。
●写真をのせる
まずは写真をタイムラインにのせてみましょう。
新郎パートの幼少期から現在に至るまでの写真を1枚につき6秒から8秒の表示間隔に並べます。
●コメントをのせる
次に各写真の上にコメントをのせていきます。
●新郎パートが終ったら新婦パートへ
新郎パートが終わったら新婦パートも同じように並べていきましょう。
●最後に2人のパート
新郎新婦の紹介が終わったら、いよいよ2人の馴れ初めパートです。
2人の出会いから始めて、ゲストの皆様への挨拶で終わりにすると好印象です!!
とりあえず素材を並べて、完成図を想像してみる作業がとても大事です。
結婚式の自作プロフィールムービー~4日目~
どうでしょうか?
写真をすべて並べて、一つひとつにコメントをのせられましたか?
●形が出来たら、きれいに整える
ある程度の形ができたら、きれいに整えていきましょう。
写真の切り替わりはオーバーラップなどを使われることが多いと思いますので、のりしろも考えて写真の表示は6秒から8秒、コメントは、しっかりとした表示で5秒は見せたいですね。
「写真が出て」から「コメントが出て」から5秒で次の写真にオーバーラップ、というイメージです。
なるべく各写真が均等な尺で切り替わっていくと、見栄えがいいですが。
長いコメントをのせたい時は、その分、長く尺をとるのも大事になります。
●プロフィールビデオは尺も大切
また、BGMに関してですが、
1曲(4分から5分)で新郎パート・新婦パート・2人パートをまかなうパターンが、しっくりくるかなと思いますが、各パートで違う曲に切り替えたい場合は、サビの部分だけ使いましょう。
それぞれ1曲ずつ使ってしまうと、12分から15分となってしまい、とても長くて途中で飽きてしまいますし、ゲストとの歓談の時間が少なくなってしまいます。
3曲で1曲のフルコーラス分になるくらいに調節しましょう。
プロフィールビデオは見やすさと、飽きさせない長さ・構成が、とても重要です。
結婚式の自作プロフィールムービー~5日目~
通常のムービーは1つのプロジェクトで制作しますが、
自分の小さい頃を見られながら作るのは恥ずかしい・・・
なかなか時間が合わなくて一緒に作れない・・・
そんな方たちもいると思います。
そんな時は自分のパートは各自で、2人のパートは2人で一緒に作るのもいいかもしれません。
別々に書き出したデータを最後にくっつけて完成させればいいのです。
この際の注意点として、写真の枚数、全体の尺を合わせておきましょう。
どちらかだけが長かったり、短かったりするとバランスが悪いです。
パートごとにテイストが違うのもゲストを飽きさせないコツです。
1つのプロジェクトで作る際も、どちらかだけが頑張ってしまう傾向がありますが、2人のパートだけは一緒に作ってくださいね。
●おしゃれな魅せ方
一定のリズムで写真を紹介していくことは説明したと思いますが、同じリズムだけだとマンネリ化してきて、ゲストの方々が少し退屈に感じてしまうかもしれません。
そこで、ゲストの方々を飽きさせないおしゃれなテクニックを紹介していきたいと思います。
●テクニック1
写真を拡大してフューチャーさせる集合写真などを使用する場合、自分がどこにいるか分からない場合があります。
そんな時は一度、全体を表示させた後にオーバーラップを使い、自分の位置を拡大した写真に切り替えて、わかりやすく印象づけしましょう。
また、逆に拡大した写真から全体写真に切り替えても印象深いカットになります。
この際、使用する写真は同じものですが、切り替える前と切り替えた後で両方3秒程度、表示させるのが理想です。
●テクニック2
パートの頭に全ての写真を短いカットで少しずつ見せることも、おすすめのおしゃれなテクニックです。
1秒程度の短いカットをパート頭に登場させて、いつ撮ったどんな写真が出てくるのかをゲストの方に想像してもらい、期待させましょう。
以上のような効果を少しはさんで、マンネリ化しないムービーに挑戦してみましょう。
結婚式の自作プロフィールムービー~6日目~
やったー!!完成した!!
・・・と思ったら、2人でチェックしてみましょう。
最初から2人で見直すことで、意外と見落としていた点が見えてきます。
以下の点を、しっかりチェックしましょう。
●編集でやってしまいがちな注意しておくチェックポイント
・写真とコメントは合っていますか?
・写真の状況に見当違いのコメントはないか、表示時間は適切ですか?
・コメントを読み切れないうちに次の写真に切り替わっていないですか?
・文字の打ち間違えはありませんか?
・同じ文字の連続はありませんか?
・見やすい改行も必要
・BGMのボリュームは同じくらいですか?
BGMの切り替わりで音が大きくなったり小さくなったりが極端なものは避けましょう。
どうでしょう?
ばっちりですか?
間違っていた点があったら修正しましょう。
その際、最初に作った物を残しておいて、後で比べて確認できるようにしましょう。
会場によって持ち込みの品の納品期限があるので、注意しましょう。
結婚式の自作プロフィールムービー~7日目~
いよいよプロフィールムービー制作の最終段階です。
編集ソフトでの作業が終わったら、DVDに焼きましょう。
WindowsのWMMであればソフト上で焼けますし、i Movieの場合はBurnというソフトがフリーソフトであるので、それをインストールしてから焼きましょう。
焼き終わったら最終チェックです。
内容はもちろん、途中で止まらない、画と音はずれていないか、ノイズは入っていないか、以上の主だったところを2人で確認しましょう。
確認が終わったら、出来上がったDVDを会場に持って行きましょう!
以上でプロフィールムービーの制作の一連の作業は終了です。
お疲れさまでした。
当日は楽しんでくださいネ。
●注意点
自作のプロフィールムービーで一番大事なことは「見やすさ」です。
通常は、お色直し中座のタイミングでゲストの方々が見るため、自分たちでなく、ゲストの方々に見やすい映像を作る必要があります。
●文字について
文字数
できれば30字前後に収めたいです。
多くても50字までです。
それ以上は写真の表示時間内に読み切れません。
●文字の大きさ
当日はスクリーン上映のため、一番席が遠いゲストの事を考えましょう。
写真の横幅に20字収まるくらいが、ちょうどいいかなと思います。
●書体(フォント)
ゴシック体を推奨します。
細い書体ですと読みづらいですし、スクリーンによってはチラついてしまいます。
●写真について
小さい頃の写真など、時間が経ち、傷ついたり、色あせてしまっているものもあると思います。
現在、販売されているパソコンにはWindowsでもMacでも写真素材(jpg)を加工するソフトが最初からインストールされています。
スキャンするなどしてデータ化した素材を、そのまま使用せずに画像編集ソフトを使って一度、編集しましょう。
●具体的には
色あせた部分の「コントラスト(色の濃さ)」を上げる
汚い部分を「トリミング(切り取り)」を行う
出来るだけいい状態の素材を使って仕上げましょう。
特に思い入れのある写真を使用すると思うので、どうしても「自分本位」になりがちです。
自分達のためでなく、お世話になった人たちの為に作っているのだということを忘れないようにしましょう。