結婚式の受付係は信頼の置ける友人や同僚に頼みます。しかし、頼まれた方としては誇らしいとともに不安なことも多いでしょう。
「受付を頼まれたけどどうすればいいのか」
「ご祝儀はどう預かるのが正解?」
「当日心がけることが知りたい」
本記事では元ウエディングプランナーが上記のような悩みに応えていきます。招待状を持ったゲストがまず初めに接触するのが受付係です。
受付は結婚式の顔ですから、マナーや予習はばっちりにして当日に臨んでください。本記事を参考にしながら当日のシミュレーションを行いましょう。
新郎新婦様に受付を頼まれたら
新郎新婦様に受付係を頼まれたら、快く引き受けてください。受付では多額の金額をやり取りすることになるので、受付係は信頼の置けるごくわずかな人にしか依頼できません。
新郎新婦様の次に多くゲストと顔を合わせられる立場なので、楽しいですしあっという間です。決して面倒事を押し付けているわけではありませんので、ぜひ引き受けてください。
当日を上手く乗り切るコツは綿密な事前のシミュレーションと予習です。やることはだいたい決まっていますので、起こりやすいハプニングも予想しやすいでしょう。
本記事を参考に当日の動きをシミュレートしてみてください。
当日の動き
新郎新婦様と事前に当日の動きとタイムスケジュールを確認しましょう。受付係は一般ゲストとは少し違う動きをする場面もありますので、気をつけてください。以下が大まかな流れです。
1.受付準備
受付開始の30分前から受付の準備を始める場合がほとんどです。会場入りしたら、新郎新婦様と親族にお祝いの挨拶をしましょう。
大きな荷物はクロークに預け、貴重品のみ持って受付に立ち、受付に必要なものがすべて揃っているか確認します。だいたいこのあたりのタイミングで、結婚式場のスタッフから受付業務についての説明を受けるでしょう。
お車代は中に現金が入っているので、式場側でセッティングできないことが多いです。新郎新婦様から親族を通して渡す方法がよく選ばれますので、お車代の受け取り忘れがないように気を付けてください。
芳名帳に記入する用のペンなど小物類も見逃さずチェックしましょう。そしてこの時間でお手洗いの位置、喫煙所の場所を確認しておいてください。受付で聞いてくるゲストもいます。
また、受付係間で役割を決めておくと、受付が混雑してきてもスムーズ対応しやすいです。初めて会う人同士であることも予想されますので、自己紹介からの流れで決めるとスムーズでしょう。
2.受付開始
時間になったら受付を開始します。受付係は立場が新郎新婦様側なので、ゲストからの「本日はおめでとうございます」に対しては「ありがとうございます」と答えます。
受付ではお車代を渡すゲストには忘れず渡し、席次表等の配布物があればそれも渡します。預かったご祝儀は、ご祝儀を入れるための広蓋に納めます。トレーの形をしているので、預かったらそのまま平置きしていって大丈夫です。
受け取るときはゲストの目を見て丁寧に受け取ります。ご祝儀は受付後に袋に入れて保管することになりますので、広蓋に乗り切らなくなってきたら少しずつ袋へ移動させても問題ありません。
広蓋にご祝儀袋が並んでいる方が華やかな印象を与えますので、一度に全て移動させるのではなく少しずつ移動させるのがおすすめです。また、ご祝儀袋の表書きに名前が記入されているかも一緒に確認できるとなおいいです。
名簿のスタイルはいろいろとあると思いますが、受付に来たかどうかをチェックする欄は必ずあります。その他、ご祝儀を持ってきたかどうかやお車代を渡したかなどもチェックするタイプの名簿を新郎新婦様が用意するかもしれません。不安であれば事前に当日どんな名簿を使うか聞いてみるといいでしょう。
3.受付終了
まだ来ていないゲストがいる場合は、会場スタッフを通じて新郎新婦様に連絡しましょう。あらかじめ遅刻者がいた場合の動きについて打ち合わせておくとスムーズです。
1名だけ受付係を残して他は会場内に移動することもあります。開宴の5分前に受付を閉められるのが理想ですが、そう上手くいかないことも多いです。ゲスト側で招待された際は早めに受付を済ませましょう。
▼ご祝儀は指定された人・場所へ
ご祝儀は袋にまとめて、指定された人に渡すか、金庫へしまうパターンがほとんどとなっています。別の人や場所に預けないでください。1等の当選宝くじを持っていると思って、厳重に管理をお願いします。
もし途中で「渡す相手が私に変更になったんだ」と関係者を名乗る者から話しかけられても、なびかない姿勢が必要です。ご祝儀は必ず事前に指定された通りに預けてください。
大金を持たされているということもそうですが、ゲストからのお祝いの気持ちがこもったものです。必ず指定通りに預けてください。
よくあるハプニングと対処法
実際に当日起こったハプニングの中から、特に頻度が高かったものを紹介します。対処法も一緒に紹介しますが、実際にどう動くかは新郎新婦様に確認してください。
また、当日になって想定外のハプニングが合った際にまず誰に相談したらいいのかもすり合わせておきましょう。新郎新婦様は支度に忙しく、電話に出ている暇などありません。
受付係は受付を離れることができませんので、結婚式場のスタッフに声をかけるというのが一般的です。滅多にないですが、写真撮影を頼まれた場合も結婚式場のスタッフを呼んでください。
結婚式場のスタッフも最高の1日にしようと動いてくれますので、遠慮なく呼びつけて大丈夫です。
招待リストに名前のない人がきた
代理で参加、夫婦で参列など当日招待リストに載っていない人が来ることは割と起こります。結婚式場や新郎新婦様によって対応に違いはありますが、おおむねなんとか受け入れる場合が多いです。
挙式の受付なのか、披露宴からの受付なのかでも対応は違いますので、対応は新郎新婦様に確認しましょう。
リストの空欄に名前を控え、結婚式場のスタッフに速やかに連絡するという動きになってくることが多いです。名前が名簿にないことには特に触れず「ご案内しますので少々お待ちください」と受付の近くで待ってもらってください。
新郎側のゲストなのに新婦側の受付に来てしまったり、同じ式場内の別の婚礼のゲストだったりすることもあります。スタッフに声をかけるとともに、余裕があれば両家の名簿や参加する結婚式の確認ができるとよいでしょう。
席次表(配布物)が足りない
受付で渡す席次表などの配布物ですが、1人1部ではない場合もあります。親族やご夫婦には席次表を1組1部で渡すのが一般的です。
間違えて渡してしまうと後半になって数が足りなくなります。予備として多めに用意する新郎新婦様がほとんどですが、足りなくなりそうであれば早めに対応しましょう。
ないものはないので、すでにグループで来ていて全員に渡していたゲストから回収するというような動きになります。受付係は受付から離れられないので、結婚式場のスタッフなどが回収に行ってくれるでしょう。
少し時間がかかるので、早めの申告が大切です。
お車代を渡し損ねた、受け取ってもらえない
受付が混雑してくると、お車代の渡しそびれがよく起こります。必ずしも受付中に渡さなければならないものではないので、そこまで気にする必要はありません。
誰に渡せていないのかがしっかり分かれば大丈夫です。後ほど親御様や新郎新婦様より歓談中等にお渡しするというパターンに切り替えられます。
また、受けとってもらえないという事態もあり得るでしょう。3回ほど押し問答しても受け取ってもらえなかったら、受付で渡すのは一旦諦めます。
時間も限られていますし、後から親御様からのお渡しであれば受け取ったという例もあるので、次の方を案内してください。
自分のご祝儀はいつ渡すのか
受付係のご祝儀ももちろん自分たちで預かります。受付を始める前に、シミュレーションを兼ねて一度受付を行うのがおすすめです。
席次表の渡し方や、ペンのインクが出るかどうかなど一度練習と確認ができます。また、自分たちのご祝儀袋が広蓋に並ぶため、一番に来たゲストにも寂しい印象を与えません。
自分たちがゲストからどう見えるのかも確認できるので、受付係間で受付し合ってみることをおすすめします。一度挨拶などを声に出しておくことで、次に来たゲストへの挨拶もしやすくなりますよ。
まとめ:結婚式の受付係は重要な役割
受付係の役割やご祝儀の取り扱いについて紹介しました。
受付係でなによりも大切なのは事前の準備です。安心して受付をやりきるためにも、流れと役割の確認やハプニングへの対応方法はよく打ち合わせてください。
結婚式を成功に導くのは事前の綿密な連携です。準備と連携が上手くいけば怖いものはありません。笑顔をキープして結婚式に来てくれたゲストを迎えてください。
当日のパーティーの始まりがスムーズであることを祈っています。