披露宴後半における最大のハイライトシーンといえば「花嫁の手紙」です。場合によっては、その1日で最大の「見せ場」でもあります。結婚式といえば、花嫁が涙ながらに 手紙を読んでいるシーンを思い浮かべる人も多いと思います。最近では、手紙を読まない花嫁も増えていますが 今まで言えなかった感謝の気持ちを、素直に伝えられるせっかくの貴重な機会なので是非、読んで欲しいですし、ご両親だけでなくゲストの方々も意外と期待しています。
一般的な「流れ」はとりあえず崩さない
まず最初に、とりあえずの「一般的な構成」を紹介します。
①お越しくださったゲストへお礼を一言
②お母様への感謝の言葉(エピソードを交えて)
③お父様への感謝の言葉(エピソードを交えて)
④おばあ様おじい様、兄弟姉妹へも一言
⑤結びに新郎のご両親への挨拶
基本的には、これに沿うべきです。定番である理由があり、確立されたものです。この「軸」は、ある程度沿った方がいいものであり、流れに関しては、あまり崩さない(オリジナリティを出さない)ことが望ましいです。また、手紙を読んでいる時間は「5分~8分」が適切です。10分だと、少し長いです。15分は長すぎます。感動していいた両親や、ゲストも冷めてしまうのが現実です。「尺」は、意外と核心となる要素であり、言葉は尽きないかもしれませんが、<うまくまとめる>というテクニックも重要です。
「違い」を出すなら
上記の無難な例で紹介した5つの項目は、言わば「必須」の内容でもあります。それにプラスアルファ加えることが、「心に残る手紙」になります。
鉄板のプラスアルファとして、
・幼い頃の両親への気持ちと現在の感謝の気持ちの「ギャップ」
・ネガティブな気持ちからポジティブな気持ちへの「心の成長」
・自分の理想の家族像と、育った環境の類似点
・新郎に対する一言
「いやらしくならなように」気をつけて「自己陶酔感」は、絶対に出さないようにしましょう。とはいっても、「計算」もアリです・・・。内容に関して、あまり神経質になることはありませんが、「家族」への「感謝の気持ち」を「シンプル」に「正直」に伝えることを目標としましょう。最後に意外と思われるかもしれませんが 「泣かないで読みきること」がコツだったります。泣くことによって、冷めてしまうゲストや「泣けばそりゃ、、、」と思われることもあります。何よりも、「何を言っているか分からない」となりがちです。泣くのは「花束を渡した後」が「鉄板」です。「いい結婚式」の花嫁の手紙は、非常にシンプルであることも特徴です。
もっと「いい手紙」を読みたいなら・・・
以上を守っていただければ、ある程度は<ハズない>ことは確かです。しかしながら、もっと「高み」を目指す方も多いはずです。「はりきった感じ」というのは「ちょっといやらしいかな・・・」と思ってしまったり、また恥ずかしいからといって「そっけない内容」はもったいないことです。何よりその本質は、「会場の人に聞かせる」というものではなく、ご両親(お世話になった方々)への「感謝の気持ち」を自分の言葉で述べることです。この「自分の言葉」という部分が最も大切なことであり、「教科書通り」の内容にする必要は本来ないのです。「いい恰好」ではなく、「伝える」ということを最優先に考えましょう。そうは言っても、「ここだけはコツだよ」という部分もあり、その中でもやはり「ツカミ」と「シメ」は、工夫した方がいい部分と言えます。花嫁の手紙は、「本当の気持ちがこもっている」ものであれば内容に関して、本来「何でもいい」はずです。しかし、その中でも「書き出し」と「結び」について 悩んでいる新婦様が多く、実際に「印象」を非常に大きく左右するポイントです。「ここだけ良ければ全部いい」という部分でもあり、 「そこを外すと全部・・・」ということも考えられるのです。というのも、「花嫁の手紙のコーナー」の始まりというのは、いい意味でも悪い意味でも「宴会の余韻」を引きずっている時間であり、なかなか新婦の言葉に耳を傾けないことも多いです。最悪の場合には、「まだまだうるさい」と言える状況です。「このタイミングで何を言うか」というのは、会場にとっても自分にとっても「スイッチ」となるのです。
花嫁の手紙の「最高の書き出し」
手紙を読むのに際して、ゲストの方々に「今日集まっていただいたお礼」をすることはワンランク上のマナーとしておすすめしますし、現在では「当たり前のこと」にもなってきています。
問題はその後です。ほとんどの場合は、挨拶の後にすぐ
・お母さんへのパート→お父さんへのパート
・お父さんへのパート→お母さんへのパート
いずれかのパターンで、進めることが一般的ですが、その前に「前置きとしての文」の内容を悩んでいる新婦様が多いようです。
一番のおすすめは・・・「感謝」と「感想」です。
一緒に今日ここにいること、花嫁姿を見せられたこと、今日ここに立てるようになるまで育ててくれたことに対し、「2人に対して」まずは「お礼」の気持ちを伝えます。成人した後に、普段の生活で「素直に」「はっきりと」、「ありがとう」と伝えることは、あまりないと思います。お母さんへのパート、お父さんへのパート、各結びには、お礼は伝えると思いますが、まずはお父さん・お母さんではなく、「親」に対するお礼をしっかりと伝えましょう。そして更に「結婚できて嬉しい」という自分の「感想」を伝えましょう。親にとっては「子供の喜びが自分の喜び」です。娘が「嬉しい」と感じるために、今まで育ててきたはずです。
「~さんの奥さんになれて嬉しい」ということも「いいフレーズ」には違いありませんが、やはり育ててくれたことによって「今これだけ嬉しい」ということを自分の言葉で伝えましょう。
そして、そして更に「お父さん・お母さんも喜んでくれていれば嬉しい」という「ワンパンチ」も加えておくことをおすすめします。喜び・感謝・達成感の乱れ技です。
花嫁の手紙の「最高の結び」
一般的な花嫁の手紙において、締めのフレーズで読む
・お父さんお母さんが理想の夫婦です。
・私が育ったような家庭を気付きたいと思います。
・これからもパパとママの娘です。
これらは今となっては「無難な結び」になってしまいます。いいフレーズだと思うのですが、「いやらしい」と、敢えて、こういった結びにしない新婦様もいます。やはり、「お父さんとお母さんの娘に生まれてきて本当によかった」という言葉は「親に感謝している」という面でお子さんを持つゲストに非常に「ウケ」がいいです。無難、且つ最高のフレーズです。お父さん・お母さんにとって、何よりも最高に嬉しい言葉だと思います。それまで泣かなかったお父さんが嗚咽を漏らし始めるのも、このフレーズがきっかけになることが多いです。冷静に考えて読むと、少しいやらしいですが。。。
もう一歩踏み込んだアドバイス
主題と少しずれますが「パパ」「ママ」という呼び方を手紙の際にすることは、現在では一般的になっていますが「どうかと思う」という人もいることが事実です。特に「会社関係の人の前で」そう読んでしまうのを「上司」の方などは疑問に思うかもしれません。普段そう呼んでいて、いきなり「お父さん」「お母さん」と 呼ぶのは逆に変ですが、パパ・ママとするのであれば必ず「いつもの呼び方で呼ばしていただきます。」と読む前に了承をいただきましょう。いろいろ書いてきましたが正直な気持ちを伝えるために、やはり小手先のテクニックは必要のないものだと思います。本来は、人に聞かせるものではなく、ご両親に伝えることが目的であることを忘れず、「見栄」等は考えずに「自分の言葉」で書きましょう。