結婚式に向けて動き始める頃に悩むのが、誰を主賓に迎えるかという問題でしょう。
「主賓って何?」
「誰に頼むのがいいの?」
「主賓の挨拶と乾杯の挨拶って別?」
分からないことも多いですよね。
本記事では元ウエディングプランナーが主賓や挨拶の種類、招待するときの方法やお礼の方法を紹介しています。
誰に依頼するのか、どうやるのかを確認して、実行に移していきましょう。
一番にもてなす相手であるということを念頭に行動すればやりやすいです。
結婚式の主賓とは
一般的には上司や恩師など目上の人で、お世話になった人を主賓して招待します。
新郎新婦様から1名ずつ招待するのが通常ですが、そうでないパターンも増えてきました。
主賓とはメインゲストとも呼ばれ、一番に気に掛ける存在でありなくてはならないゲストのことです。
招待ゲストの中で一番大切な、新郎新婦様が特別目にかける他とは違うゲストを指します。
誰を主賓にするのがいいか
主賓には主賓挨拶を頼むので、大切な時間の始まりを任せられる人物を主賓にしましょう。
一般的には、ゲストの中で一番社会的地位の高い人を主賓にするのが基本です。
- 上司
- 恩師
- 親の関係者
- 親族
会社の上司やお世話になった恩師に依頼することが多くなっていますが、パーティーの雰囲気に合わせて選びましょう。
アットホームな少人数婚では、共通の友人に依頼することもあります。
長い付き合いをしていきたい人は誰かという視点で選ぶのもよいです。
▼上司
結婚式の主賓として一般的な選択肢です。
お世話になっている上司やその上役にお願いします。
ゲストから見ても違和感なく、頼みやすいでしょう。
▼恩師
恩師を主賓に選ぶこともあります。
特に社会経験が浅い新郎新婦様や、同じ学校を卒業している場合などにおすすめ。
成長を感じられる時間になるでしょう。
恩師は人生の重要な時期を見守ってきた存在であり、心のこもった言葉が期待できます。
▼親の関係者
親御様がお世話になった方を主賓にすることも選択肢の一つです。
親御様の意向を大切にした結婚式にしたい場合は、聞いてみてもよいでしょう。
家族婚など身内の結婚式の場合におすすめです。
▼親族
家族婚などでは親族が主賓を務めることも多いです。
特に年長の親族であればスムーズな挨拶が期待できます。
親しい関係にある親族であれば、心温まるメッセージと共に過去の思い出話を披露することもでき、会場全体が和やかな雰囲気に包まれるでしょう。
何人に依頼すればいいか
主賓は新郎側から1名、新婦側から1名の合計2名招待することが一般的です。
ただ、最近は祝辞と乾杯挨拶をそれぞれにやってもらうなど、柔軟性が出ています。
招待人数や所要時間も併せて人数について考えてみましょう。
アットホームな少人数婚や家族婚であれば、主賓なしというパーティーもあります。
祝辞とウェルカムスピーチを兼ねることも可能でしょう。
ただ、結婚式の型として祝辞は組み込まれているものですし、形式を重んじる親族からは反対される可能性があります。
最低でも1名を主賓として招待するのがおすすめです。
主賓の役割とは
主賓の役割は、披露宴において感謝の気持ちや祝福の言葉を伝えることです。
主賓挨拶では祝賀の始まりを告げることで、結婚式全体の雰囲気を盛り上げる役割も担っています。
言葉の重みや影響を理解し、誠実に挨拶を行える人がふさわしいでしょう。
結婚式で行われる挨拶とは
結婚式で行われる挨拶は祝辞だけではなく、たくさんあります。
祝辞を無理に組み込まなくても、代わりになる挨拶はあるので主賓が必ずしも喋らなければいけないことはありません。
主賓として呼ぶならこの人だけど、挨拶は別の人がいいという場合などに参考にしてみてください。
特に友人スピーチはお二人のお人柄を知れるエピソードが聞けるので人気の演出です。
以下が結婚式の挨拶の種類です。
1.ウェルカムスピーチ
披露宴が始まるときに、新郎新婦様から行うスピーチです。
ゲストへ参加の御礼や、パーティーを楽しんでほしいこと、お二人のこれからなどを直接話せるチャンスです。
結婚式の始まりを告げる挨拶であり、祝辞の代わりに行ってもよいでしょう。
どちらかというと砕けた印象をゲストに与えます。
2.祝辞(主賓挨拶)
卒業式などでも聞くワードなので、なんとなくイメージはつくのではないでしょうか。
格を重んじた雰囲気にしやすいので、本格的な結婚式にするにはぴったりな挨拶です。
少し長めに3分~5分ほど時間をとることが多く、張り切って長めに挨拶をしてくれる方も多くいらっしゃいます。
形式を大事にした祝賀の始まりにしたい方は、祝辞を進行に組み込みましょう。
3.友人スピーチ
友人代表に出てきてもらい挨拶をしてもらうというプログラムです。
和やかな雰囲気を作るのにちょうどよく、友人中心のパーティーなどにおすすめ。
大事な友人から改めて結婚をお祝いしてもらえるでしょう。
その後の付き合いもより深いものになるのではないでしょうか。
4.乾杯挨拶
お祝いを述べ乾杯の発声をし、歓談の始まりを告げる挨拶です。
時間は短めに、朗らかな雰囲気で進める方が多い印象があります。
主賓が2人いて、祝辞を述べるのが1人の場合はもう1人が乾杯挨拶を述べることも。
お二人のことを良く知る方や、話すのが得意な人が向いているでしょう。
5.謝辞
披露宴の終わりの挨拶で、新郎や新郎の父から述べられることがほとんどです。
締めである謝辞をもって結婚式は閉宴となります。
乾杯の挨拶とは
主賓挨拶に続く重要な挨拶が、乾杯の挨拶です。
歓談の始まりを告げる挨拶ですから、盛り上がるような挨拶がおすすめ。
誰に頼むべきかなどチェックしておきましょう。
乾杯挨拶を誰に頼むべきか
乾杯挨拶をする方は、一般的には上司や尊敬する先輩、または恩師などです。
主賓に次ぐ立場の人が基本とされます。
盛り上げるのが得意な人やユーモアのセンスがある人が乾杯の挨拶を行うと、その後の歓談もにぎやかです。
またお二人のことを良く知る人物を選ぶことで、新郎新婦様の関係性やエピソードに触れた挨拶ができます。
目指す結婚式の雰囲気も考慮しながら誰に頼むのか考えてみてください。
乾杯挨拶を成功させるポイント
乾杯挨拶を成功させるためには、短か過ぎず長過ぎずな挨拶が理想です。
大体2分~5分の間に感謝の気持ちや新郎新婦様への祝福、共に祝うゲストへのメッセージを盛り込めるのがベター。
短めに話をまとめてもらうことで、ダレることなくスムーズな進行が可能となります。
そして最後に、大きな声で乾杯の発声を行うことがなによりも重要です。
短い話と分かりやすい「乾杯!」の発声ができていれば問題ありません。
主賓の頼み方
主賓の頼み方を紹介していきます。
大事なゲストですから、出席依頼の時点から丁重に接しましょう。
マナーを持って失礼のないように依頼すれば問題ありません。
結婚式後も縁が続く人でしょうから、お礼の仕方やその後の接し方についての項目も目を通してもらえたら幸いです。
結婚報告のタイミングで依頼する
まず、タイミングについてですが早め早めに行いましょう。
入籍したときや日取りが決まったタイミングなど、報告の際に合わせて主賓として出席してほしいことを伝えます。
間違っても挙式直前に聞くことはしないでください。
準備の期間が必要ですし、決まった時点ですぐ連絡することで気持ちが伝わります。
半年後や3か月後の予定になりますから、すぐには返事がもらえないこともあるでしょう。
返事は急かさないのが気遣いというものです。
いつまでに返事が欲しいかを伝えて、返答を待ちましょう。
直接会って声掛けがマスト
直接会って祝辞を依頼することがベストです。
メールやLINEの文面で聞くことはややマナーに欠けます。
遠方に住んでいてなかなか会いに行けないなどの理由がない限りは、直接会いましょう。
会いに行けない場合は、電話をするのがおすすめです。
手紙を出すのもいいですが、時間に余裕を持って行ってください。
挨拶について伝えること
依頼時には結婚式の日時だけ伝えればいいというものではありません。
日時だけ聞かされても祝辞についての情報がなければ、判断しづらい方もいらっしゃるでしょう。
依頼の際は、日時以外にも以下の情報を伝えます。
- 挨拶の長さ
- 結婚相手の情報
- 触れてほしくない話題
- 結婚式について
当日のイメージが湧くような情報を伝えることで、よりクリアに主賓の役割を認識してもらえるでしょう。
▼挨拶の長さ
挨拶の長さは、3~5分を目安に依頼すると良いでしょう。
挨拶が長過ぎると、ゲストの集中が途切れてしまうことがあります。
短めでお願いするくらいでちょうどよいです。
▼結婚相手の情報
結婚相手の名前などの情報を伝えておくと親切です。
- 名前
- 出会いのエピソード
- どのような人物か
特に名前は間違えてはいけないポイントですので、読み仮名までしっかり伝えたいところ。
▼触れてほしくない話題
触れてほしくない話題がある場合は、これもしっかりと伝えておくことですれ違いを防げます。
話して欲しい内容と合わせて伝えられると、挨拶の内容に困らせることも減るでしょう。
▼結婚式について
挨拶原稿を考えるにあたって役に立ちそうな情報も、あらかじめ共有できるとなお良いです。
- ゲストの人数
- ゲスト層
- 会場の広さ
- 結婚式のテーマ
- 披露宴の雰囲気
- 主賓の人数
これらの情報を主賓にしっかりと事前に伝えることで、挨拶が結婚式のテーマや雰囲気に調和やすくなります。
依頼時のセリフ
主賓を頼むときの言い方についても、失礼がないようにする必要があります。
以下の流れがスムーズでしょう。
- 結婚の報告
- 出席依頼
- 主賓としての出席の依頼
セリフ例も紹介するので、参考にしてみてください。
▼結婚の報告
まずは結婚の報告です。
入籍などのタイミングに合わせてアポイントを取り報告しましょう。
このたび結婚することになりました。
直接報告したかったので、決まってすぐにお伺いしました。
単刀直入に報告し、出席を依頼する言葉へと繋げましょう。
▼出席依頼
主賓となってもらいたい旨は以下のように伝えます。
挙式は●月●日に予定しておりますが、ご都合はいかがでしょうか?
後日正式な招待状を持参させていただきますので、ぜひご検討ください
相手が検討しやすくなる場面を作ることが重要です。
▼主賓として挨拶の依頼
主賓挨拶をお願いする際には、以下も付け加えましょう。
当日についての詳細は追ってお知らせいたしますが、どうかご検討いただけますようお願い申し上げます。
引き受けてくれた場合には、後日招待状と一緒に付箋(メッセージカード)を添えて、改めて感謝の気持ちを伝えます。
敬意と感謝の気持ちを込めた依頼をすることで、相手も快く引き受けてくれることでしょう。
お礼の仕方
主賓との関係は結婚式が終わればそれで終わりではありません。
主賓を引き受けてくれた方へのお礼方法にもマナーがあります。
長い付き合いを意識して接していくことがおすすめです。
当日:お車代を渡す
当日はお車代を渡しましょう。
お車代とは言いますが、交通費としてのみならずお礼の気持ちとして用意する現金を指します。
用意の仕方にも決まり事があるので、以下の記事も参考に用意してください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5188/
後日:お礼をする
結婚式を終えたら、3日以内にはお礼の挨拶に行きます。
心に残った言葉や招待してよかったという気持ちを伝えましょう。
関わりの少ない上司などが務める場合もありますが、その後も誠意をもって接しましょう。
縁ができたと考え、その繋がりを大切にしてください。
改めてなぜ招待したのか、尊敬している点、これからも導いてほしいことなどを伝えれば喜ばれます。
まとめ:失礼のないように主賓を招こう
主賓や挨拶について紹介しました。
祝辞は社会的地位の高い人に依頼するものです。
失礼のないように招待し、その後の関係も良好に保ちましょう。
マナーは多くありますが、どれも気持ちよく過ごしてもらうための、おもてなしの心の現れです。
メインゲストですから、一番のおもてなしを受けてもらいましょう。
本記事が心遣いの参考になれば幸いです。