結婚式で、家族にも活躍の場を作りたいと考えている新郎新婦様は、たくさんいらっしゃるでしょう。
人前式は自由度が高く、進行が決まっているキリスト式や神前式とは違い、オリジナリティのある式ができます。そのため、家族と一緒に何かをしたい新郎新婦様からは、アットホームな結婚式が作れると人気です。
人前式の進行の中でも、誓いの言葉は最もふたりらしさが出せる演出になります。最近では、問いかけでの誓いの言葉を選ぶ新郎新婦様も多く、家族からの問いかけは絆が深まるおすすめの演出です。
そこで今回の記事では、家族が活躍する結婚式の例として、人前式の問いかけや家族に感謝を伝えられる演出についてまとめてみました。問いかけの例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
自由な演出で人気の人前式
人前式とは、新郎新婦様がゲストと向かい合い、結婚式を行う挙式スタイルのことです。神様に誓うキリスト式や神前式と違い、人前式ではゲストに対して誓いを立てます。
また、キリスト式や神前式は進行が決まっていますが、人前式には決まったかたちがありません。自分たちのオリジナルの式が作れるということで、アットホームやカジュアルな式にしたいカップルに人気です。
自由な演出
人前式の演出の中で、一番オリジナリティが出せるのが誓いの言葉です。
キリスト式や神前式では誓いの言葉の文面が決まっていて、それを厳かに読み上げていきます。しかし、人前式には決まりがありません。新郎新婦様がお互いに呼びかけ合ったり、ゲストからの問いかけに答えたりと、自由に組み立てることが可能です。
ほかにも、ダーズンローズセレモニーやリングリレー、キャンドルセレモニーなど、さまざまな演出を入れることができるのが人前式の良さ。
場所も決められていないので、チャペルや宴中、ガーデンなど、どこででも挙式を行なえます。衣装も自由で、ウェディングドレスだけでなく、白無垢や色打掛での和装人前式も素敵ですよ。
問いかけについて
今回のテーマである、誓いの言葉の問いかけについてですが、基本はゲストが新郎新婦様に問いかけをして、それに「約束します」や「誓います」と答える流れです。問いかける人に決まりはなく、両親や兄弟姉妹といった家族や友人、司会者からというパターンもあります。
アットホームな式をのぞむなら、家族や友人などふたりをよく知る人に問いかけをお願いするといいでしょう。誓いの言葉の中には、ふたりの性格や趣味などの人柄がわかる内容を取り入れると、よりふたりらしい結婚式になります。
問いかけを作成しよう
例文を紹介したところで、次は家族からの問いかけをどう作っていくかを紹介していきます。問いかけるかたちの誓いの言葉を作るときは、3つのポイントを抑えておくといいですよ。
- 問いかけの言葉の構成を理解する
- オリジナリティを出すコツを理解する
- 結婚式の理想の雰囲気を考える
この3つを意識して問いかけの言葉を作れば、結婚式の厳かさもありつつ、ふたりらしいアットホームな人前式を作れるでしょう。
問いかけの言葉の構成
問いかけの言葉を考える時は、「序文・本文・結び」を意識して作ります。全体の流れは次のとおりです。
誓いの言葉の構成
- ゲストに向けた挨拶
- 誓う内容(問いかけを入れる)
- 結び
- 日付
- 新郎新婦の名前
カジュアルな雰囲気の結婚式でも、誓いの言葉はふたりの決意を表す大切な場面です。問いかけの内容はくだけた感じにしても、前後の構成は守った方がまとまりもあり、誓いの言葉に重みも出ますよ。
私たちは 今日ご列席いただいた皆様の前で
結婚の誓いをいたします
(問いかけ内容を入れる)
今日の誓いを胸に刻み
これからはふたりで力を合わせ
笑顔のあふれる家庭を築くことを誓います
〇年〇月〇日
新郎〇〇 新婦〇〇
オリジナリティを出すコツ
誓いの言葉をオリジナリティのある内容にするコツは、ふたりにまつわるエピソードを入れることが一番です。それぞれの性格や趣味でもいいですし、子どもの頃のエピソードやお付き合い当時の出来事などもいいでしょう。
ただし、家族や親族、仕事関係や友人など、結婚式にはふたりに関わるたくさんの人が集まっています。できれば、誰もがほほえましく感じたり、くすっと笑えたりするような内容がおすすめです。
例えば、新郎の趣味が車で、誰もがそのことを知っていれば、見守っているゲストも共感できるでしょう。招いているゲストの顔ぶれも考えて内容を決めると、会場全体が一体感に包まれた結婚式になりますよ。
理想の雰囲気に合わせて作成しよう
結婚式の雰囲気をどのような感じにしたいか、理想に合わせて作成するのもポイントです。
誓いの言葉は、口調によっても雰囲気が違ってきます。温かい雰囲気の家族婚をイメージするなら、少し砕けたカジュアルな言葉遣いもいいでしょう。
フォーマルな口調を意識すると、かしこまった雰囲気になります。両家の結びつきを意識した、厳かな式におすすめです。
友人からの問いかけ例文
友人からの問いかけ例文を紹介していきます。
決まりもパターンもないので、自由に考えてみてください。
せっかくのオリジナル挙式なのですから、ありきたりではない挙式をお二人は望んでいるかもしれません。
これまでにないような内容にできると喜ばれるでしょう。
オリジナリティを出すにあたって大切なのが、その人と自分だけのエピソードを混ぜるということです。
そうすることで、他の人には書けない誓いが出来上がります。
新郎新婦様の人柄が伺えるエピソードを組み込むと、参列者にも楽しんでもらえる誓いになるでしょう。
例えば、ディズニーが大好きな新婦に対して新郎の誓いを立てる場合は、以下のような文章にしてもいいですね。
新郎〇〇に問います
○○(新婦)は大のディズニー好きで
パークへ行けないと大暴れしますが
雨の日も 晴れの日も
一緒にディズニー映画を鑑賞し
定期的に夢の国へ行く計画を立て
その笑顔を守ることを
誓いますか?
彼女のわがままにいつも付き合う彼氏の様子が目に浮かぶようです。
結婚後も変わらず、振り回されながらも仲良く幸せに過ごしてほしい、という思いが伝わる言葉ではないでしょうか。
エピソードを組み込むのであれば前半に入れて、後半はそれでも生涯をともにすることを誓うかといった内容になります。
新婦〇〇に問います
○○(新郎)は本の虫で
本屋を見かけると必ず吸い込まれ
財布を空にしてでも本を買います
そのせいでカフェ代が払えずとも
笑ってドラッグストアでお茶を買い
公園で本の話題に付き合うことを
誓いますか?
よほど本が好きで、苦労をかけそうだと心配する気持ちが表れる言葉ではないでしょうか。
思わず笑みのこぼれるような内容にして、温かな空気での挙式にしてみてください。
家族からの問いかけ例文
ここでは、家族からの問いかけの例文を紹介していきましょう。家族からの問いかけには、次の3つのパターンがあります。
- 両親から
- 兄弟から
- 子どもと一緒に
問いかけでの誓いの言葉は、家族が新郎新婦それぞれに望むことやお願いごとを問い、ふたりがそれに対して約束や誓いを立てるものです。
これからも両家とふたりがいい関係を築いていけるよう、家族の温かい交流を感じられるやり取りや、お互いを幸せにするという決意を込めて、誓いの言葉を作っていきましょう。
両親からの問いかけ例文
両親からの問いかけは、まじめな受け答えでふたりの誓いを伝えられる内容がおすすめです。
新郎側の親でも新婦側の親でも、これまで育ててきた子どもの成長を見守る気持ちは変わりません。親としては心配もあり、ふたりの決意を聞きたいとも思っているはずです。
カジュアルな雰囲気ではなく、少しかしこまった気もちで問いかけに答えるといいでしょう。
新婦の両親:
(新郎)くん
(新婦)はおっとりとした性格で
強く主張することがあまりありません
(新婦)の気持ちを汲み取って
穏やかな家庭を築くことを誓ってくれますか?
新郎:
はい 誓います。
新婦の両親:
(新婦)は大切に育ててきた娘です
(新郎)さんも大切にして
誰よりも幸せにしてくれると誓ってくれますか?
新郎:
はい 誓います
新郎の両親:
(新婦)さん
(新郎)は頑張りすぎてしまうところがあります
時には ペースを緩めるよう導き
健康を気遣ってくれますか?
新婦:
はい 約束します
新郎の両親:
(新婦)さん
(新郎)は仕事で遅くなる日も多いですが
これからは(新婦)さんの美味しいごはんで
疲れを癒してくれますか?
新婦:
はい 約束します
兄弟からの問いかけ例文
兄弟や姉妹と仲が良いふたりなら、兄弟からの問いかけでの誓いも、和んだ雰囲気になっていいですよ。その場合は、兄弟だからこそのエピソードを交えた問いかけがおすすめです。
親とはまた違った雰囲気で、親しみのある誓いの言葉になるでしょう。
新婦の姉妹:
(新郎)さん 姉はお菓子作りが大好きで
これまでも一緒にいろいろなお菓子を作ってきました
これからも時々新居にお邪魔して
一緒にお菓子作りをするのを許してくれますか?
新郎:
はい 約束します
新郎側兄弟:
(新婦)さん 兄はサッカーが大好きで
試合を見始めると応援に熱が入り過ぎてしまいます
そんな兄を 呆れずに温かく見守ってくれますか?
新婦:
はい 約束します
子どもと一緒に誓いの言葉
最近では、お子様と一緒に行うパパママ婚も少なくありません。受け答えができるお子様がいる新郎新婦様の場合は、お子様も参加できる誓いの言葉がおすすめです。
お子様と一緒の読み上げや、ふたりの問いかけにお子様から返事をもらうなど、家族のほほえましい光景に、ゲストも感動する温かい人前式になるでしょう。
新郎:
休みの日は(子ども)ちゃんとたくさん遊び
(新婦)さんのお手伝いもします
新婦:
毎日(新郎)さんと(子ども)ちゃんに
おいしいごはんを作ります。
3人で:
パパとママと(子ども)ちゃんは
これからも仲良く暮らしていくことを誓います
ふたり:
これからも(子ども)ちゃんと仲良く暮らしていきたいので
パパとママが結婚してもいいかな?
子ども:
いいよ!
人前式でお子様と一緒にできる演出は、誓いの言葉だけではありません。ほかにも一緒にできる演出がいろいろあるので、パパママ婚を予定している方は、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6295/
家族に感謝を伝える結婚式にするには
家族に感謝を伝える結婚式にするには、ふたりだけでなく家族にも注目してもらう場面を作ることです。挙式や披露宴の中で家族の登場シーンを作り、スポットライトがあたる演出を取り入れることで、「ありがとう」の気持ちを伝えることができます。
家族が参加できる演出はいろいろありますが、あれもこれもと取り入れてしまうと、家族もやることが多くて落ち着けません。家族に参加してもらう演出と、友人などほかのゲストに参加してもらう演出とをうまく取り入れることで、誰もが楽しめる結婚式になりますよ。
ここでは、問いかけの誓いの言葉以外で、家族にスポットライトがあたる演出を紹介していきます。
両親と入場
キリスト式では、牧師に続いて新郎が入場し、その後に新婦が父親のエスコートで入場するのが一般的です。しかし、人前式では入場スタイルも自由なのが魅力。
新郎新婦それぞれが、両親と一緒に入場するのもアリです。新婦の入場時にベールダウンのセレモニーを入れると、厳かな雰囲気も取り入れられます。
ベールダウンとは、新婦の母が新婦のウェディングベールを下ろして、新郎の元へ送り出す儀式のことです。娘の最後の身支度を整えるだけでなく、悪いものから花嫁を守る魔除けの意味もあります。
式の入場時に取り入れるときは、次のような流れで行うと、新婦の両親が一緒にできる演出になりますよ。
新婦の入場の流れ
- 新郎が先に入場
- 新婦が母親と入場し、数歩進んだところで立ち止まる
- 向き合って、母親からベールダウン
- 母娘の様子を見守っていた新婦の父が、新婦の手を取り新郎の元までエスコート
式の入場時は、ゲストの注目も浴びるため緊張しますよね。両親と一緒に、もしくは見守ってくれている中なら心強くも感じますし、これまでの感謝をしっかり伝えられるのではないでしょうか。
兄弟姉妹がフラッグボーイ/フラワーガール/リングボーイを務める
フラッグボーイやフラワーガール、リングボーイなどは、小さいお子様が行うイメージがあるかもしれませんが、決まりはありません。結婚式を手伝ってもらうという意味で、兄弟姉妹にお願いするのもいいですよ。
フラッグボーイの役割は、新郎新婦の登場をゲストに知らせることです。人前式の始まりを告げるフラッグを持ち、バージンロードを歩きます。
フラワーガールの役割は、新婦が入場するときに、先頭に立ってバージンロードに花びらをまくことです。花びらによって、これから新婦が歩むバージンロードを清めます。
リングボーイは、結婚指輪の交換のときに、ふたりの指輪を運ぶのが役割です。ふたりの大切な結婚指輪を、兄弟に運んでもらうのも素敵ではないでしょうか。
家族全員に参加してもらいたいと考えるなら、リングワーミングもおすすめです。リングリレーと似ていますが、リングをバトンするだけではない点が大きな違いです。
リングワーミングでは、受け取った一人一人がリングを温め、ふたりへの思いを込めて次の人に手渡していきます。兄弟姉妹で順番に指輪を受け取り、新郎新婦の幸せを願ってふたりのところへ指輪を届ける様子は、家族の絆を強く感じることができ、見守るゲストも心を温かくするに違いありません。
披露宴の演出
挙式だけでなく、披露宴でも家族やゲストにスポットライトを当てた演出がいろいろあります。人気の演出をいくつか挙げていきますね。
▼ラストバイト
ラストバイトは、それぞれの母親から新郎新婦に、ケーキを食べさせる演出です。これまで育った家を巣立つ子どもへの最後の食事、という意味があります。
ケーキ入刀と新郎新婦のファーストバイトの後に、それぞれの母親を呼んで行なうのが一般的です。
▼お手本バイト
お手本バイトは、新郎新婦に夫婦のお手本を見せるという演出です。新郎新婦がファーストバイトをする前に、両親を呼んでケーキの食べさせ合いを行ってもらいます。
または先輩夫婦を呼び寄せて行ってもらうのも盛り上がりますよ。
▼中座エスコート
お色直しの中座のときに、退場扉までエスコートしてもらう人を指名します。母親や兄弟を呼んだり、おじい様やおばあ様と一緒に退場するのも、家族を大切にする気持ちが伝わって素敵です。
▼花嫁からの手紙
花嫁から両親への手紙は、ほとんどの新婦が取り入れる演出でしょう。期待している両親も少なくありません。
手紙の朗読は、直接言葉で感謝の気持ちを伝えられます。結婚式の結びとして、ふさわしい演出でしょう。
新婦だけでなく、新郎も手紙を用意することをおすすめします。読まずに渡すだけでもいいですよ。せっかくの機会ですから、普段言えない言葉を手紙に託して伝えましょう。
▼両親への記念品贈呈
手紙の後は、両親への記念品の贈呈です。これまで育ててもらった感謝の気持ちを、記念品に込めて贈ります。
定番なのは花束ですが、生まれたときの体重でつくるウェイトドールも人気です。初めて抱いたときの重さは、両親にとってはかけがえのない思い出。立派に育って巣立つ姿を、頼もしく感じてくれるでしょう。
ふたりと両家の絆を深める意味では、三連時計などもおすすめです。一枚の板を三つに分けて作った時計は、それぞれの家で同じ時を刻んでいきます。三つ並べてお披露目すれば、家族の温かい絆を感じ、ゲストも拍手を惜しまないでしょう。
花嫁からの手紙や記念品贈呈は、結婚式では定番なので、両親もそのつもりでいるはず。しかし、ラストバイトやお手本バイト、中座エスコートなどは、サプライズで行うケースも多いです。
ただ、急なことで慌ててしまう親御様もいると思うので、サプライズにするか事前に相談しておくかは、ふたりでよく話し合って決めましょう。
▼参加型の結婚証明書
ゲスト一人ひとりの承認を貰って作り上げる結婚証明書は、お二人にとっても記念になります。ゲストも結婚式に来たという実感を持ってもらいやすいです。
その他のゲスト参加型の演出については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6463/
ゲストと作る人前式
人前式は自由度が高く、キリスト式や神前式ではできないオリジナルの進行で、ふたりらしい結婚式をできるのが魅力です。家族もふたりを見守るだけでなく、参加することで一緒に結婚式を作り上げることができます。
人前式の進行の中でも、問いかけのかたちで行う誓いの言葉は、アットホームな雰囲気の式になることから人気の演出です。親しい間柄だからこそのエピソードを交えることで、周りのゲストも絆の深さを感じ、温かい気持ちになることでしょう。
挙式だけでなく、披露宴でも家族にスポットをあてた演出がいろいろあります。「家族に感謝の気持ちを伝えたい」「ゲストも参加する場面をつくりたい」という新郎新婦様は、ぜひ今回紹介した内容も参考にして、思い出深い結婚式を作ってくださいね。