結婚式を華やかに彩ってくれる会場装花は、非日常感やおもてなし感を高めてくれる重要なアイテム。装花の打ち合わせを楽しみにしているカップルも多いでしょう。
しかし、実際に打ち合わせをしてみると想像以上に金額が上がってしまい、なんとか節約できないかと悩みを抱える方も少なくありません。
「装花の打ち合わせで見積もりが上がってしまった」
「ケチるとゲストにしょぼいって思われる?」
「装花を安くする方法はない?」
本記事ではウエディングプランナー兼フローリストとして会場コーディネートを手掛けてきた経験から、節約しつつも結婚式をしょぼく見せない方法を紹介していきます。
誰でも取り入れやすい方法ばかりなので、これから打ち合わせを控えている方はぜひ参考にしてみてください。
会場装花とゲスト満足度について
会場装花は飾れば飾るほど見栄えよく豪華になりますが、正直に言うとゲストはそれほど細かく覚えていないでしょう。
大切なのは会場に入った瞬間の印象と全体の雰囲気で、自分たちが納得できてゲストにとっても良い印象を残すことができれば、どこをどう節約しても問題ありません。装花を飾る場所はいろいろありますが、とことん節約するならメインテーブルとゲストテーブルのみでもいいくらいです。
まずは相場感と装花を設置する箇所について紹介していきます。
装花の相場としょぼく見えるライン
装花は総額で20万円ほどが相場です。装花はメインテーブルやゲストテーブル、マイクなど様々な箇所に飾られるため、個々の積み重ねで総額が40万円ほどに膨れることも。
また、メインテーブル装花は値段だけでは具体的なイメージが付かず節約しようがないということもあるでしょう。値段別のイメージとしょぼく見え始めるライン、装花の費用が高くなる理由について解説していきます。
▼値段別のイメージ
メインテーブル装花はスタンダードなものだと3万円程から用意があります。初期の見積もりに入っているのはこの最低ランクのものである可能性があるので注意してください。
▼値段別のイメージまとめ
3万円 | 寂しく感じることが多く、花材の指定なども難しくなってきます。見栄えよくするには、工夫が必要です。 |
5万円~10万円 | 見栄え良く用意でき始めるラインです。ひと工夫で費用を抑えながらボリュームアップも狙えます。 |
10万円以上 | こだわりを反映した理想の装花も叶うでしょう。 |
詳しくは以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7319/
▼装花の費用が高めの理由
装花は一生に一度のその日のために最高の状態で納品されます。そのため、大量に仕入れて厳選したり、加工したりすることで費用が上がるのです。
装花が必要な会場の箇所
会場装花の種類は、テーブル装花と演出装花、その他の装飾に分けられます。
テーブル装花 | ・新郎新婦のメインテーブル・ゲスト用のテーブル |
演出装花 | ・ウェディングケーキ・ケーキナイフ・キャンドル・トーチ など |
その他の装飾 | ・マイク装花 ・受付 ・ウェルカムスペース・ウェルカムボード・トイレ・控室 など |
この中でゲストの目に一番近いのはゲストテーブル装花で、見た目が貧相だとゲストにケチったと思われやすいアイテムです。ゲストテーブルの卓数分必要なこともあり、費用があがるポイントになっています。
また、メインテーブル装花はゲストが一番注目する場所です。新郎新婦と写真を撮ろうとゲストが集まってくる撮影スポットでもあるため、寂しすぎると会場全体の雰囲気に影響します。
節約するならメインテーブルとゲストテーブルの装花に注力し、他は削っても差し支えありません。
装花を安くする打ち合わせのコツ
会場装花の打ち合わせは、結婚式の2~3か月前に行うのが一般的です。専属のフローリストや花屋とは1~2回打ち合わせをしますが、こだわりのある方は3回4回と打ち合わせを重ねることもあります。
事前準備なしで打ち合わせに臨むと、おすすめされるままに選んでしまい予算が上がる原因に。あらかじめ希望や予算の上限をある程度決めておきましょう。
ネット上には会場装花の見本や卒花さんの投稿写真がたくさんあるので、好きな雰囲気をいくつかピックアップしておくとイメージを共有しやすいです。ナチュラル、和風、アンティークなど結婚式のテーマと合わせて伝えるとより伝わりやすくなります。
装花の節約方法によっては、会場の都合で難しかったりレンタル料や持込料が余分にかかることもあるため、ベストな方法をフローリストからもアドバイスしてもらいましょう。
費用が上がる決め方
装花費用が値上がりする決め方は、主に次の6つです。
- 花の種類を指定している
- 色の指定あり
- ボリュームが多い
- 飾り方やアレンジの仕方にこだわる
- フローリストにこだわる
- 持ち帰り用にアレンジする
1.花の種類を指定している
ガーベラと比較するとバラの値段が倍以上かかるように、選ぶ花材によっては単価の違いが値上がりに繋がります。
また、冬にひまわりなど旬を過ぎていたり珍しい花材、仕入れが難しいお花も値上がりしやすいポイントです。
2.色の指定あり
アンティーク調のくすみ系や紫など、指定の色によっては選べる花材の種類が少なく単価が高くなりやすいです。
また、カラフルに色をたくさん指定し過ぎると、色の数だけ花材の種類が必要になり値上がりに繋がります。
3.ボリュームが多い
花材でボリュームを出そうとすると、それだけ本数が必要になるので値上がりしやすいです。
また、同じくらいのボリューム感でも花材の種類が多いと、総額が高くなる要因になります。
4.飾り方やアレンジの仕方にこだわる
お花がぎゅっとつまったアレンジは、金額がかかるわりに小さいです。
フローラルフォームの土台を花材で埋めて隠すようにアレンジするため、ボリューム良く見せるにはお花がたくさん必要になります。
5.フローリストにこだわる
式場によっては、複数のフローリストから選ぶところもあります。
サンプル写真を見て決めることが多いですが、見栄えの良さやこだわりの強さは価格に比例しやすいです。
6.持ち帰り用にアレンジする
幸せのお裾分けとして装花を持ち買ってもらうのは定番ですが、そのためのアレンジ代が別途でかかることも。
持ち帰り用の袋も別でかかります。
予め持ち帰れる形で設置するか、ゲストに自由に持ち帰ってもらうなど工夫しましょう。
装花の持ち帰りについては以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/9212/
費用を抑えられる決め方
次は、装花の値上がりを抑える決め方を5つ紹介していきます。
- 予算とイメージを伝えてお任せする
- 花の種類を指定しない
- 色の指定なし
- グリーン多め
- プランではなく単品で注文する
1.予算とイメージを伝えてお任せする
予算を決めずに好きなお花や好みのデザインを選んでいくと費用が上がりやすいため、最初に予算を決めておきその範囲内でお任せすれば値上がりを抑えられます。
その際、ボリューム重視でと伝えておくのがポイントです。
2.花の種類を指定しない
バラは単価が高いですが、花びらにボリュームのある八重咲きのトルコキキョウやカーネーションを使うことで、単価を抑えつつ似た雰囲気でボリュームを出せます。
値上がりを抑えるなら、花材を指定せずに色や雰囲気重視でお任せしましょう。
3.色の指定なし
色や雰囲気を細かく指定すると、花材が限られて単価があがることもあります。
淡いピンク系で可愛らしく、白とグリーンで爽やかになど、色や雰囲気はざっくりとしたイメージのみにしておきましょう。
4.グリーン多め
お花よりもグリーンの方が安価なため、グリーンを多めにすることで予算を抑えられます。
ただし種類によっては高いものもあるので、グリーンも指定せずに雰囲気だけ伝えてお任せするのがおすすめです。
5.プランではなく単品で注文する
プランはひとつひとつの商品はお値打ちになっても、トータルで値上がりしやすくなっています。
必要なものを単品で選んだ場合とプランで選んだ場合とで、どちらが費用を抑えられるか比較するのもポイントです。
メイン装花をしょぼく見せない節約術
次は、メイン装花をしょぼく見せない節約術を紹介していきます。
メイン装花はゲストから一番注目が集まるところで、遠くからでも目にする回数が多いです。結婚式全体の雰囲気やお二人の印象を左右するので、使う花材の量は少なくてもボリューム良く見せる工夫をしましょう。
小物を持ち込み隙間を埋める
フローラルフォームを使った横長のアレンジは、かなりの量の花材が必要になります。アレンジの場合は小さい器で点々と並べるスタイルにして、間にはキャンドルやフォトフレーム、イニシャルオブジェなどの小物を取り入れましょう。
アレンジではなくガラス瓶を並べるのも、少ない花材で幅広く飾るのにおすすめです。スマイラックスやアイビーなどのツル性のグリーンは、テーブル上に流したりアレンジから飛び出させたりと動きをつくると、存在感やボリューム感を出すことができます。
造花も使う
メイン装花は間近に寄って見ることは少ないので、造花を混ぜても違和感を感じにくいです。雰囲気に合うドライフラワーなら、小物と合わせておしゃれなインテリアっぽくなります。
ゲストテーブル装花をしょぼく見せない節約術
ゲストテーブル装花は常にゲストの目に入るため、ボリューム感と高さがあるとしょぼく見えません。会場の設備で行う方法や自分で持ち込む方法がありますが、式場によって可不可やレンタル料、持込料の有無が異なるので、プランナーやフローリストに相談しながら決めましょう。
ゲストテーブル装花の節約術を、4つのポイントに分けて紹介していきます。
花材の飾り方を工夫する
ガラスに水を入れた水中花は花材が少なく済むだけでなく、膨張効果で実際よりも花を大きく見せることができます。高さのある円柱ガラスや金魚鉢のような丸いガラスは、器だけでも存在感が出るでしょう。
複数のガラス瓶に花材を分けて飾れば、空間を広く使ってボリューム良く見せることができます。ガラス瓶から茎を長く出したり、高さを揃えずに高低差を出すのがポイントです。
小物を持ち込む
装花の代わりにキャンドルや切り株、テーブルナンバーなどの小物を一緒に置くことで、ボリューム感が出せます。以下のアイテムも参考に雰囲気に合う小物を選んでみてください。
- キャンドル
- ライト
- 花びら
- テーブルランナー
▼キャンドル
結婚式の王道アイテムです。
大きさの異なるキャンドルをランダムに配置するだけでもおしゃれに仕上がります。
思い切って大き目のサイズを用意するとちょうどよかったりすることも。
灯りを追加したい場合はLEDキャンドルライトもおすすめ。
小さいので紛れ込ませるようにセッティングすると、空間を埋めるのにも役立ってくれます。
▼ライト
ガーランドライトを装花や小物に巻きつけて光らせてもおしゃれです。
夕方以降のウエディングなら薄明かりに光が映えて幻想的な雰囲気になるでしょう。
▼花びら
花器の下に鏡を敷いて花びらを散らすと、花材が鏡に映って華やかさが増します。
他にも松ぼっくりや木の実、貝殻などを散らすのもおすすめです。
▼テーブルランナー
テーブルランナーを敷くだけでも華やかになり、透け感のあるオーガンジーならシワを寄せて立体感を作ると見栄えがアップします。
簡単に広い面積を埋めることができるので、ぜひ取り入れてみてください。
造花を活用する
最近は造花のクオリティが高く、よく見ないと生花と区別しにくいものもあります。生花や本物のグリーンと混ぜたり散らす花びらは造花にしたりと、うまく活用しましょう。
テーブルを調整する
ゲストテーブル装花は、卓数分だけ必要になります。円卓を長テーブルに変えて卓数を減らし、装花の数を調整するのもありです。
同じボリュームの装花でも円卓の大きさによって見栄えが異なるため、テーブルのサイズを小さくして装花を豪華に見せる方法もあります。
まとめ:後悔しない装花で結婚式を迎えよう
会場装花は結婚式を華やかに彩るだけでなく、ゲストへのおもてなし感を高めるために欠かせないアイテムです。とはいえ生花をたくさん使うと会場装花だけでかなりの金額になってしまうため、なるべく費用を抑えながら見栄え良くするには様々な節約方法で工夫する必要があります。
会場装花をボリューム良く見せるコツは、花材の量ではなく空間をいかに埋めるかです。花器や飾り方、小物なども上手に使って、賢く生花の使用量を抑えましょう。