結婚式のトレンドやインスタなどの投稿を見ると、ドライフラワーを使ったおしゃれな写真がたくさんありますよね。海外の結婚式でもドライフラワーは人気がありますが、いざ自分が結婚式をするときは「縁起が悪いと思われるかな」と、周囲の反応が気になる方も少なくありません。
「結婚式にドライフラワーって良くないの?」
「結婚式で避けた方がいい花って?」
「タブーについて知りたい」
本記事ではドライフラワーを結婚式で使うメリット/デメリットや、タブーとされているお花についてまとめました。フラワーコーディネーターとして結婚式を手掛けた経験も生かして上記の疑問に答えていきます。
結婚式のコーディネートのマナーを知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
ドライフラワーは使ってもいい?
ドライフラワーのアンティークを感じさせるくすみ色は、インテリアやギフトに人気があります。最近のウェディングのトレンドにもなっていて、ナチュラルテイストや、ラスティックウェディングにドライフラワーを用いる方も少なくありません。
しかし、ドライフラワーは「枯れた花」「死んだ花」だと感じる方もいるので、結婚式での取り入れ方には注意が必要です。
ドライフラワーを使うメリット
まずは、結婚式でドライフラワーを使うメリットを3つ挙げていきます。
- トレンド感がある
- 結婚式後も長く飾っておける
- 事前に確認できる
▼トレンド感がある
ドライフラワーの一番の魅力は、独特の質感やくすみ系のアンティークな色合いでしょう。
結婚式でも人気があるナチュラル感や素朴さをテーマにした、ラスティックやボタニカルウェディングとの相性もばっちりです。
▼結婚式後も長く飾っておける
ドライフラワーは、結婚式が終わった後も長く飾っておけます。
生花だと数日で終わってしまいますが、見た目そのままにインテリアとして楽しめるのも魅力でしょう。
水やりなど、お手入れの必要もありません。
保存のコツは、日当たりと湿度に気を付けること。
湿度の高い場所では、カビが生えやすくなるからです。
また、日光に当たり続けると色あせしてしまいます。
ケースに入れずに飾っておく場合は、ホコリがたまらないように日常的に掃除してあげましょう。
▼事前に確認できる
生花の装花やブーケは結婚式直前の納品になるので、イメージと違っても直すことができません。
しかし、ドライフラワーは事前に作ったものを確認することができるので、追加したり手直ししたりが可能です。
ドライフラワーを使うデメリット
結婚式でドライフラワーを使うことでのデメリットもあります。回避方法も交えて解説していきましょう。
- 縁起が悪いと思われる
- 独特の匂いがある
- 崩れやすい
▼縁起が悪いと思われる
ドライフラワーは生花を乾燥させたものですが、年配の方の中には「枯れた花」「死んだ花」と受け取る方もいます。
縁起を気にする方がいる場合は、使うのを避けるか生花に混ぜるなど、気付かれない程度にするといいでしょう。
▼独特の匂いがある
ドライフラワーは少量では気付かなくても、たくさんあると枯れ草特有の匂いがします。
会場装花に大量のドライフラワーを使うと、お料理の邪魔をしてしまうかもしれません。
会場の広さやゲストとの距離も考慮しましょう。
▼崩れやすい
ドライフラワーは乾燥してカサカサになっているため、軽く触っただけでも崩れやすくなっています。
エアコンの風で欠片が飛ぶこともないとはいえません。
テーブル装花に使うときは、お皿やグラスにかからないよう注意しましょう。
ブーケをドライフラワーにすることについて
会場装花は生花にして、ブーケをドライフラワーにする花嫁も多いです。
クラシカルな風合いや落ち着いたくすみ色は、上品で大人かわいい花嫁を演出してくれます。
最近では、インテリアやギフトなどで目にする機会も多いため、ドライフラワーのブーケに対しては、ネガティブな反応よりおしゃれに見られることがほとんどです。
結婚式に良くない花とは
ドライフラワー以外にも、結婚式でタブーとされているお花がいくつかあります。
上記の4つは、結婚式で使う場合に注意が必要です。
1.香りが強い花
香りが強い花は、せっかくの美味しい料理の風味を邪魔してしまいます。また、強い香りで気分が悪くなってしまう方もいるため、配慮が必要です。
▼ユリ
ユリはエレガントで豪華な花姿が人気ですが、フローラル系の強い香りを放つため苦手な方もいます。
ゲストテーブル装花に使うなら高い位置に活けるなど、顔に近いところに花が来ないように考慮しましょう。
▼かすみ草
見た目がかわいらしいかすみ草ですが、どちらかというと不快に感じる香りがあり、大量にあると匂いが凝縮されてしまいます。
かすみ草を使いすぎるのは避け、他の花と組み合わせたりポイントで使うといいでしょう。
▼ヒヤシンス
ヒヤシンスは、爽やかでほんのり甘い香りがする春のお花です。
花があることを知らなくても、近づくと分かる程度に香りがしますが、不快な匂いではありません。
取り入れるなら、ゲストから離れた場所や少量に留めましょう。
2.アレルギーが出やすい花
お花の種類によっては、アレルギーが出やすいものもあります。花粉症ではスギやヒノキが一般的ですが、草花などでアレルギーが出る方も少なくありません。
ここでは、特に細かい花粉が飛びやすいお花を3種類、ピックアップしました。どれも可愛らしく人気のお花なのですが、敏感な方がいる場合は気を付けましょう。
▼マトリカリア
マトリカリアは、マーガレットを小さくしたような野草味のある可愛らしいお花です。
ナチュラル系の装花やブーケに人気があります。
キク科の植物で、ブタクサのアレルギーを持っていると反応しやすいです。
▼ホワイトレースフラワー
レースのような透け感のある、ホワイトレースフラワー。
ナチュラル系や大人かわいいウェディングに人気ですが、ふわふわと揺れるため花粉が飛びやすいお花です。
花が開くまえのつぼみの状態であれば、大丈夫でしょう。
▼ミモザ
黄色い花をポンポン咲かせるミモザは、花粉が飛んだり衣裳について汚れたりしやすいのが難点です。
弾けるとすぐ茶色に変色するので、つぼみの状態を使うのがベストですが、造花を使うのもひとつの方法でしょう。
3.結婚式に相応しくない印象の花
お花の持つイメージや名前から、結婚式に相応しくないとされているお花もあります。
▼菊
菊は和菊と洋菊とがあり、和菊はお葬式のイメージがあるため、結婚式に相応しくありません。
一方でピンポンマムやデコラ咲きの洋菊は色のバリエーションもあり、和装や和モダンのブーケや装花に人気です。
▼キキョウ
キキョウは薄い紫の多年草で、古くから親しまれているお花です。
つぼみが紙風船を膨らませたようなかたちで可愛らしいのですが、名前が「凶」をイメージさせることから、おめでたい席には不向きと言われています。
4.花言葉が相応しくない花
花にはそれぞれ花言葉があり、ネガティブな意味を持つものもあります。花言葉が悪い意味だと、なんとなく気になってしまいますよね。
ポジティブとネガティブ両方の意味をもつお花もあり、どちらの方が印象が強いかでゲストの受け取り方も変わります。
使ってほしくないお花があれば、フラワーコーディネーターに伝えておきましょう。少量だけにしておいたり、いい花言葉のお花と一緒に使って打ち消す方法もありますよ。
- 黄色のバラ
- 黄色のカーネーション
- 黄色のユリ
- アジサイ
- アネモネ
- ルリタマアザミ
- チューベローズ
- スイセン
- リンドウ
- マリーゴールド
▼黄色のバラ
バラには「愛」「美」という花言葉があり結婚式によさそうに感じますが、色ごとにも意味があり、黄色のバラは「嫉妬」「薄らぐ愛」になります。
バラを使うならほかの色にするか、ポイント使いくらいがいいでしょう。
▼黄色のカーネーション
カーネーションも全体の花言葉が「無垢で深い愛」に対し、黄色には「軽蔑」というネガティブな意味があります。
黄色を使うならネガティブな意味がないガーベラや、ヒマワリ、トルコキキョウがおすすめです。
▼黄色のユリ
ユリは「純粋」「無垢」の意味があり、白ユリは古くから結婚式でも使われてきましたが、黄色のユリには「偽り」「不安」の花言葉があります。
黄色は明るく人気のある色ですが、花選びには注意しましょう。
▼アジサイ
初夏を彩るアジサイの花言葉は「移り気」「浮気」。
これから愛を誓うふたりには不穏な花言葉ですが、白いアジサイには「ひたむきな愛」「清らか」といった意味があるので、アジサイを使うなら白がおすすめです。
▼アネモネ
アネモネには「はかない恋」という意味がありますが、色別で見ていくとポジティブな花言葉が多いです。
赤は「君を愛す」、ピンクは「希望」、白は「期待」の意味があるので、色を意識するとよいでしょう。
▼ルリタマアザミ
ルリタマアザミはドライフラワーでも人気のお花ですが、とげとげした形から「疑い」「傷つく心」という花言葉を持っています。
似たお花のエリンジウムも「秘めた愛」という意味があるので、使い方には注意しましょう。
▼チューベローズ
チューベローズはすっと伸びた茎の先に2輪ずつ花を咲かせることから、男女に見立てた「危険な関係」という花言葉があります。
お花は可愛らしいですが、結婚式の清らかなイメージとは真逆ですね。
▼スイセン
スイセンの花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」。
美しいナルキッソスが水に映る自分の姿に恋をして、池に落ちて死んだというギリシャ神話が由来です。
一方で、春を告げる花として「希望」という意味もあります。
▼リンドウ
リンドウには「勝利」「誠実」というポジティブな花言葉と、群生せずに単独で咲くことから「あなたの悲しみに寄り添う」というネガティブな意味があります。
仏花にもよく使われるお花です。
▼マリーゴールド
マリーゴールドは鮮やかな黄色やオレンジの草花です。
「変わらぬ愛」「信頼」といったポジティブな花言葉がある一方で、「悲しみ」というネガティブな意味も持っています。
縁起の良い花
結婚式に縁起の良い花を使うと、花からも祝福をもらっている気持ちになりませんか。おめでたい雰囲気も演出できるので、ウエディングブーケや会場装花におすすめです。
ここでは、季節ごとの縁起の良い花を紹介します。
春におすすめの縁起の良い花
少しずつ暖かくなり過ごしやすくなる春は、秋に次いで結婚式のハイシーズン。次々と花が開花する時期で、パステル系や鮮やかな色が幸福感も感じさせてくれます。
▼ガーベラ
ガーベラは年中出回っていますが、旬は春になります。
明るい花の姿とパステルやビビットのカラフルな色が可愛いと人気です。
花言葉は「希望」や「常に前進」で、花風水でもピンクのガーベラが恋愛運や結婚運によいとされています。
▼スイートピー
スイートピーは、ひらひらと蝶が舞うような姿が可愛らしい花です。
明るいパステル系の色が、春の訪れを思わせてくれます。
花言葉は「門出」「永遠の喜び」など。優しい香りもふたりの門出を祝福してくれることでしょう。
▼シャクヤク
シャクヤクは、風水では「富と名誉と愛の象徴」とされています。
八重咲きはとても豪華で、結婚式を華やかに彩ってくれるでしょう。
特に白のシャクヤクは、結婚式にぴったりな「幸せな結婚」「満ち足りた心」などの花言葉があります。
夏におすすめの縁起の良い花
夏は元気のいい黄色やオレンジ、涼し気な白や青などがよく似合います。季節感のある花や色は、結婚式の祝福ムードを盛り上げてくれるでしょう。
▼ヒマワリ
ヒマワリを見ていると元気をもらえそうですよね。
風水でも、太陽に向かって大きく咲く姿が縁起がよいとされています。
また、黄色の花びらが幸運を引き寄せるとも言われているので、結婚式のお花にもぴったりです。
▼トルコキキョウ
バラのようなたっぷりの花びらが美しいトルコキキョウ。
上品で優しい雰囲気が、結婚式のブーケや装花に人気です。
「永遠の愛」「希望」「優美」といった、結婚式や花嫁にぴったりの縁起の良い花言葉を持っています。
▼ブルースター
ブルースターは、星のような形が可愛らしい花です。
「幸福な愛」「信じあう心」といった花言葉は、初々しいカップルにぴったり。
ブーケに入れて、花嫁が青いものを身に付けると幸せになれるという「サムシングブルー」を表現するのもおすすめです。
秋におすすめの縁起の良い花
過ごしやすい秋は、結婚式のトップシーズン。実りの秋は、縁起がよい季節とも考えられています。
落ち着いた秋を思わせるこっくりとした色で、上質な結婚式を演出しましょう。
▼バラ
綺麗な咲き姿と「美」や「愛情」などの花言葉を持つバラは、華やかな結婚式を彩るのにふさわしい花。
花の香りで清め、悪いものから新郎新婦を守るフラワーシャワーも、バラの花びらを使うことが多いです。
▼ダリア
大輪で鮮やかな色のダリアは、おめでたい結婚式をより華やかにしてくれます。
「豊かな愛情」「華麗」「感謝」などの花言葉も、結婚式にぴったりです。
洋装和装どちらにも似合うので、モダンな結婚式や和婚にも使いやすいでしょう。
▼ピンポンマム
ピンポンマムが幸福と繁栄を呼ぶ花と言われるのは、「高貴」「生命力」といった花言葉から。
日本では、9月9日の重陽の節句でも縁起のよい花として飾られます。
また、ピンポンマムの丸い形が風水で円満を表すことも、縁起がよいとされる理由の一つです。
冬におすすめの縁起の良い花
幸せを願って過ごすクリスマスや新年を祝うお正月など、華やかなイベントが続く冬。結婚式も、おめでたい雰囲気にしたり縁起のよい花を使ったりすることで、幸福を引き寄せられそうです。
▼シンビジューム
シンビジウムは蘭の一種で、運気の上昇や豊かさの象徴とされ、縁起のよい花と言われます。
「高貴な美人」「華やかな恋」といった花言葉があるように、豪華だけれど落ち着いた上品さのある咲き姿が魅力です。
▼オンシジューム
オンシジュームも蘭の一種で、ぱっと華やぐ黄色の花が縁起がよいとされています。
「一緒に踊って」という花言葉は、ヒラヒラした小花が踊っているようにみえることから。
踊りたくなるほど幸せな新郎新婦にぴったりな花でしょう。
▼スイセン
スイセンは、冬の寒い中でたくましく花を咲かせる姿が縁起がよいとされています。
風水では「幸運を引き寄せる花」と考えられ、可憐な姿と独特の香りが魅力です。
ラッパのような見た目で、春を告げる花とも言われます。
結婚式に良くないものについてよくある質問
結婚式での縁起やタブーなど、良くないと言われる花やカラーについて、よくある質問に答えました。
Q.髪飾りにドライフラワーは良くないの?
A.使ってもOK。だたし生花がおすすめ。
髪飾りにドライフラワーを使うのは、マナー違反ではありません。
生花だと、長時間つけているとくたっとしてしまうこともありますが、ドライフラワーはその心配がなく安心してつけていられます。
ただし、顔周りに近い位置にくすみ色を持ってくると、お顔全体が暗く見えてしまうこともあるので、色味や付ける位置はスタイリストとよく相談しましょう。
結婚式で生花を使えるのは花嫁の特権です。生花には、みずみずしさで花嫁を引き立てるだけでなく、魔除けの意味もあります。
一度しかない機会なので、生花で華やかに彩るのもおすすめです。
Q.ゲストテーブル装花はドライフラワーでも良い?
A.生花とドライフラワーのミックスもおすすめ。
ゲストテーブル装花は生花でなくてもかまいませんが、色味がないとテーブル全体が寂しく見えてしまいます。明るい色を取り入れたい場合は、生花とドライフラワーをミックスするのもおすすめです。
また、ドライフラワーはカサカサして、欠片が落ちやすくなっています。テーブルが狭い場合は、装花があまり広がりすぎない飾り方にしましょう。
ドライフラワーをテーブル装花に使う場合は、テーブル全体のコーディネートを工夫しましょう。
テーブルクロスやナフキン、ペーパーアイテムとテーマや色味を合わせると、統一感のあるおしゃれなコーディネートに見えます。
ゲストテーブルの見栄えをよくするために生花をたくさん使うと、かなりの金額になります。
小ぶりの花瓶をいくつも並べて小分けにしてお花を飾ることで、ボリューム感を出すことが可能です。
ほかにも、キャンドルやフォトフレーム、切り株や古書など、いろいろなアイテムを組み合わせることで、テーブル装花の節約ができます。
装花の節約術については以下の記事も参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7211/
Q.結婚式に黒色を使うのは良くないの?
A.黒をメインカラーにしたシックな雰囲気もOK。
黒は喪を連想させるため、ウェディングドレスや会場装飾にはNGと思われがちです。しかし、花嫁衣裳に黒引き振袖があったり、タキシードや紋付袴にも黒があるため、結婚式に黒がだめというわけではありません。
最近では、海外でのトレンドもあり、黒のウェディングドレスやコーディネートも見かけるようになってきました。黒は少し取り入れるだけでも、引き締まってシックな雰囲気になります。
黒と白でモダンに、黒とゴールドでエレガントな高級感を、黒とピンクでは大人のかわいらしさを表現するのも素敵です。
黒いドレスは「あなた以外の色に染まりません」という意味があり、最近のトレンドにもなっています。
お色直しで着たり、友人中心のカジュアルなパーティや二次会で取り入れるのもいいでしょう。ただ、縁起を気にするゲストがいるときは結婚式当日を避け、前撮りで着るのもおすすめです。
まとめ:結婚式のタブーは変わってきている
かつては生花のみが使われていた挙式・披露宴も、トレンドの移り変わりでドライフラワーを取り入れる花嫁が増え、タブーがタブーではなくなってきています。とはいえ、さまざまな年代の方が出席する結婚式では、縁起を気にする方もいらっしゃるでしょう。
結婚式は自分たちのためだけではなく、ゲストに結婚を報告しもてなすものです。その場に居合わせた誰もが幸せな気持ちになれるように、マナーにも気を配りながら結婚式を作り上げましょう。