結婚式の費用は人生の中でも大きな出費になるため、親の援助を前提に予算を組む方も少なくありません。
しかし、金額の相場も支援してもらえるかも分からない中では、予算を考えるのも難しいですよね。
「みんな親から結婚式費用を援助してもらってる?」
「どのタイミングで援助金を受け取るの?」
「援助してもらうときの注意点が知りたい」
本記事では結婚式費用や親からの援助金の相場、費用分担の方法や援助してもらう時に気を付けたいポイントなどを紹介しています。
数多くの結婚式に携わるなかでは、金銭トラブルが起こることも。
本記事を参考に結婚式の費用についてしっかり検討することで、トラブルなく安心して結婚式を迎えられるとよいですね。
結婚式の費用と両親の負担について
まずは結婚式の費用の相場や、その内どのくらいを両親からの援助金でまかなえるかなどデータを元にご紹介します。(*出典は全て「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」より。)
結婚式の費用
結婚式の費用と自己負担額について紹介します。結婚式はいくらくらいなのか、自己負担額はどれくらいなのかを知り、親の援助が必要なのかどうかを検討してみてください。
▼結婚式の平均的な費用総額
挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額は平均327.1万円*です。
参列者の人数やお色直しの回数などによって個人差がありますが、結婚式の総額は300万円前後といえるでしょう。
▼結婚式の平均的な自己負担額
結婚式の自己負担額は、130万円程度になることが多いです。
例えば、結婚式に参加する人数が60人でご祝儀が1人あたり3.3万円の場合、総額198万円のご祝儀が集まる計算になります。
ご祝儀額を300万円から差し引くと、自己負担額は102万円です。
親からの援助額の相場
実際に親から結婚式の費用を援助してもらうカップルはどれくらいいるのか、いくらが相場なのかを紹介していきます。
▼親から援助してもらった人の割合
親・親族からの援助があった人は73.5%*となっています。
援助額のうち挙式、披露宴・ウエディングパーティーに使った金額の平均は163.7万円*です。
▼親からの援助額の相場
両親からの援助額は数十万円〜数百万円まで家庭によって幅があるものですが、結婚式の費用としては150万円ほど援助があるのが相場となります。
両家の費用分担の決め方3選
両親が援助してくれたり、新郎新婦さまが各々の貯金から支払う場合には、費用を分割する必要があります。
結婚式の費用の分割方法は、主に「両家で折半」「ゲストの人数比」「見積り項目ごと」の3パターン。
分割した金額の内どの程度を両親から援助してもらうかは、各家庭の経済状況に応じて判断となります。
両親からの援助金はなるべく両家で同じくらいにした方が、後々に不満が残りにくいでしょう。
1.両家で折半
結婚式の費用の総額をきっちり半分で分ける方法です。
同じ金額ずつ負担することで、両家が対等な関係を築いていけるでしょう。
招待するゲストの人数に差が少ない場合にはおすすめ。
シンプルでわかりやすい分割方法です。
2.ゲストの人数比(人数の割合)
ゲストの人数に差がある場合におすすめなのが、人数比で結婚式の費用を分割する方法です。
たとえば新郎さま側のゲストが6割、新婦さま側のゲストが4割の場合には、結婚式の費用を6対4で分割します。
ただし衣裳は新婦さまの費用が多い傾向なので、衣裳を含めた総額を人数比で分けてしまうとトラブルの元になりやすいでしょう。
ゲストに関わる項目のみを人数比にするのか、総額を人数比で分割するのか、きちんと話し合う事が大切です。
3.見積り項目ごと
結婚式の見積もり項目ごとにどちらが支払うかを決める方法は、不満が出にくいでしょう。
例えば、ゲストが使う物は人数によって分け、会場費は折半、演出代は希望した方が払うなど、全ての項目について検討します。
ひとつひとつの項目を検討する必要があり、請求書を作成してもらう前段階でとても手間がかかるでしょう。
費用負担の決め方
結婚式の費用の相場や、両家での分割のやり方がわかってきたところで、どのように費用負担を決めればよいかご紹介します。
▼二人の意見をまとめる
お金の話はしにくいと感じるカップルもいるかもしれませんが、まずは新郎新婦さまの意向をまとめることが大切です。
自分たちはどのくらいの金額を用意でき、親からどのくらい援助してもらいたいか細かな部分まで考えをまとめましょう。
その上で、それぞれの親がどういう考え方や価値観を持っているか事前にすり合わせておくと、その後がスムーズです。
▼必ず両家で話し合いの場を持つ
両家で直接話し合う場を設け、新郎新婦さまや親御さまの意見を交換し合うことがスムーズに進めるポイントです。
ただし、事前に相談なしにいきなりお金の話を始めると両親も戸惑うでしょう。
あらかじめ、両家で集まった際には結婚式の費用について話したい旨をそれぞれの親に伝えておくことが必要です。
▼ご祝儀の皮算用をしない
ご祝儀でまとまったお金が戻ってくると安易に考えるのはおすすめしません。
結婚式の費用は多くの場合、挙式より前に支払います。
まずは事前に準備できる金額内で結婚式の費用を支払えるように考えましょう。
またご祝儀というのはあくまでお祝いの気持ちであり、金額が決まっているわけではないので、予測額とはズレる可能性もあるからです。
親からの援助の受け方
つづいては、両親から援助を受ける場合のメリットやデメリットについてまとめました。
実際に援助を受けることになったら、贈与税などもふまえて注意したいポイントをご紹介します。
援助を受けるメリット/デメリット
両親から結婚式の費用を援助してもらう場合のメリットとデメリットをそれぞれ3つずつ挙げてみました。
援助してもらおうかどうか迷っている方は参考にしてください。
▼親からの援助を受けるメリット
- 予算にしばられず、希望の結婚式を叶えられる
- 金銭的な心配が減り、気持ちに余裕が生まれて心から結婚式を楽しめる
- 結婚式後の生活にゆとりができる
援助金のおかげで予算に余裕ができ、やりたい演出や着たい衣裳など憧れの結婚式を叶えることができるメリットがあります。
また、結婚は結婚式だけじゃなく、新生活の準備や、ハネムーンなど何かとお金がかかります。
二人の貯金だけで足りるか心配になってしまうこともあるかもしれません。
援助金があると金銭的にも心理的にもゆとりができて、思いっきり結婚式を楽しめることでしょう。
結婚式の費用で二人のお金の大半を使ってしまうと、その後の生活はカツカツになるでしょう。
親からの援助を受けると、二人の貯金を残しておくことができます。
▼親からの援助を受けるデメリット
- お金を援助してもらう分、親の意見も取り入れないといけない
- 両家の援助金に差があると不満が残りやすい
- 見積を両家の両親用に準備したり、話し合う機会を設けたり手間がかかる
親も子どもの結婚式は気になるものです。
お金を援助してもらう分、結婚式の内容について意見をもらうことがあるでしょう。
また、援助金はそれぞれの家庭の経済力によるので、金額に差がある可能性もあります。
どちらかが不満を感じてしまうと後々トラブルになりやすいでしょう。
見積を両親に見せたり、両家で話し合ったり、新郎新婦さまのお金だけで支払う場合にはない作業が増えてきます。
援助してもらいたいときの切り出し方
親に経済的な援助をお願いする際のタイミングや方法も、円滑なコミュニケーションにおいて重要なポイントです。以下の手順で進めてみてください。
- 結婚式の見積もりを作成し、どの程度の費用が必要になるかをまとめておく
- 適当なタイミングで話を持ちかける
▼話を切り出すタイミング
- 結婚式場を見学した後
- 両家の顔合わせの際
- 結婚式場を決める前
素直に金銭面の相談をするのが効果的です。具体的な金額や用途についても明確に示すことで、理解を得やすくなります。
▼話を切り出すときのポイント
- できるだけ丁寧な言い方を心がける
- 援助してもらって当たり前ではないという姿勢を忘れない
「結婚式の費用について少し相談したいのですが、少し援助していただけるととても助かります」というように、感謝の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。
最終的に援助するかどうかは親が決めることであり、強制することはできません。親が援助を断る場合もあります。
贈与税に関する注意点
両親が結婚式の費用を直接、結婚式場に支払ってくれた場合には贈与税はかかりません。
一方で、銀行口座に振り込みで110万円以上を受け取ると、贈与税がかかってしまうので注意が必要です。
ただし、2025年3月31日までの期間は「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」があります。
これは一定条件にあてはまり、銀行で必要な手続きを行えば課税対象にはならないという制度です。
詳しい情報や最新情報は国税庁のHPなどをご確認ください。
URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4511.htm
援助金の受け取り方
結婚が決まったタイミングで親から手渡ししてくれる場合や、結婚式の費用を式場に支払ってくれるなど、援助金の受け取り方はさまざまです。
親から結婚式の費用を援助してもらう際の方法について解説します。
親の援助金の受け取り方には主に3つの方法があり、それぞれのメリットを理解し、どの方法が最も適しているかをしっかりと決めておくことが大切です。
- 息子/娘が手渡しで受け取る
- 結婚式場に直接振り込む
- 口座振込
これらの方法を検討し最も適したものを選ぶことで、結婚式の準備をスムーズに進められるでしょう。
1.息子/娘が手渡しで受け取る
親と直接会ってお金の受け渡しを行うと、感謝の気持ちを直接伝える機会にもなるため、お互いに良い経験となります。
この際、どのように使用するかを事前に伝えておくことで、後のトラブル避けにもなるでしょう。
▼メリット
- しっかりと目を見て感謝の気持ちを伝えられる
- 不明点や疑問をその場で解消でき、具体的な使い道について意見交換できる
支援することに意味を持たせたい場合や、直接気持ちを伝えたい場合に特におすすめです。
▼デメリット
- 大金を持ち歩く必要があり、盗難や紛失のリスクが高まる
- 一度に大金を動かしたくない場合は、分割して複数回に分ける必要がある
手渡しの方法を選ぶ時にはこのようなリスクを考慮し、適切な対策を取りましょう。
2.結婚式場に直接振り込む
効率的に援助を受けたいカップルにとって非常に有効な手段であり、スムーズに結婚式の準備を進めることができます。
▼メリット
- 手間が省ける
- 資金の流れが明確
- 振込明細書などの書類が残る
手軽に援助を受けたい方や効率重視の方には特におすすめです。
▼デメリット
- 振込人の名義がしっかりしていない場合、振り込み内容が混同される可能性がある
- 支援してもらった実感を持ちにくい
振り込みをする際には事前に式場と詳細を確認し、名義や金額に誤りがないように注意することが重要です。
3.口座振込
親からの援助金を多くのカップルが口座振込で受け取ります。
▼メリット
- 手間がかからず楽に援助を受け取れる
- 直接のやりとりが少なく、資金の管理が簡単
- 振込記録がしっかりと残る
手軽に援助を受けたい、結婚式以外の生活費などにも宛てたい場合におすすめです。
▼デメリット
- 援助してもらった実感が薄い
- 結婚式以外の用途に間違えて使ってしまう可能性がある
親と感謝の気持ちを少しでも多く共有したいという場合は、他の方法も検討してみてください。
援助金を受け取るタイミング
結婚式の費用は挙式1週間前に前払いする会場が多いので、両親から援助金を受け取るのは結婚式より前がおすすめ。
タイミングが合わないと手元に資金がない状態になってしまうので、注意しましょう。
また、資金を受け取りやすいタイミングについても紹介します。
▼結婚式場を決定する前に負担割合を決めておく
結婚式場を決定する前に、両家の負担割合を話し合うことが大切です。
具体的な金額というよりも、どのように負担するのかという点が決まっていると後々スムーズに話が進みます。
・両家から同じ額を支援してもらう
こうした話し合いは、より良い結婚式を実現するための基盤となるでしょう。
▼見積もりを作成したとき
見積もりを作成することで、おおよその金額が分かります。
このタイミングで支援金を受け取ることで、具体的な金額感で受け取ることが可能です。
具体的な金額を示すことで、親も支援しやすくなります。
実際にどの程度の資金が必要なのかが分かるので、おすすめのタイミングです。
▼結納や顔合わせのとき
結納や顔合わせの機会を利用して、費用面について話し合う・金銭の受け渡しを行うという方法もあります。
両家揃った場で結婚式の費用を受け取ることで、公平な援助であることを示すことも可能です。
両家から同じだけ支援を受けたい、または差をつけたくない場合には、このタイミングが最適。
両家ともに納得できる形での援助を受けることができるでしょう。
結婚式の費用トラブルを避けるコツ
結婚式というお祝いの場なので、なるべくもめ事を起こさずスムーズに費用を支払いたいところです。
しかし数百万という大金が動く結婚式では、お金に対する価値観の違いが浮き彫りになることも。
ここではトラブル事例を交えながら、スムーズに話を進めていけるコツを紹介します。
費用にまつわるトラブル事例
親の意向と新郎新婦さまの考えが異なる場合など、トラブルになることもあるでしょう。
これまでにあったトラブル事例などを紹介します。
▼結納金がなかった
最近では結納金が用意されないことも珍しくなく、その代わりに新郎新婦さまに結婚祝いとして結婚式費用を負担するケースも増えてきました。
結納金も支援金もない場合、特に新婦の家族が心配や不満を抱くことがあります。
この場合、双方の家族間でのコミュニケーションが重要です。
▼多く支援した方の意見が強くなる
どちらかがたくさん援助金を出してくれたが、もう片方は経済的な余裕がなく援助金が少ししか出せないこともあるかもしれません。
お金を多く出した側の意見が強く反映された結婚式になり、不満が募ってトラブルになってしまった事例もあります。
両家が納得するためのコミュニケーション方法
新郎新婦さまが主導になって意見をまとめていくことと、援助を受けることに感謝の気持ちを持つことが最も大切です。
ご両家で意見が食い違うこともあるかもしれませんが、今後の親戚付き合いの仕方の練習にもなると思って前向きに考えましょう。
必ず新郎新婦さまが間に入り、それぞれの親の考えを尊重しつつ方向性を決めることがトラブルを避けるコツです。
結婚式の費用の支払いタイミングを確認しておく
結婚式に関する費用の支払いタイミングをあらかじめ確認しておくことは、トラブルを防ぐための方法の一つです。
結婚式の費用は前払いが基本であるため、早めにスケジュールを把握しておきましょう。
ご祝儀によって自己負担額を抑えることができるとはいえ、全額を事前に準備しておく必要があります。
ただし、一部の結婚式場では当日や後払いが可能な場合もありますので、契約前に確認しておくことが重要。
どのタイミングで支払いを行うかを事前に確認し、しっかりと計画を立てることが成功の鍵です。
1.前払い
最終見積もりが確定した後、挙式の1週間前などに全額を支払うことが一般的です。
このタイミングで全額を支払うことで、式当日に余計な心配をせずに済むため、新郎新婦さまは安心して結婚式の準備に集中できます。
手元に資金を用意できるようにしておきましょう。
2.当日払い、後日払い
当日払いの場合、結婚式のお開き後にご祝儀を開けて精算する必要があります。
その場で開封するので手間がかかりますが、ご祝儀をそのまま支払いに充てることができるため、手元に用意する資金は少なくて済むメリットも。
後日払いはご祝儀なども整理してから支払いを行えるため余裕を持つことができます。
ブライダルローンについて
結婚式の資金が不足する場合、ブライダルローンという選択肢もあります。
ブライダルローンは後日払いの一種として利用でき、結婚式の費用を一時的に補填する手段です。
ブライダルローンは一般的なローンに比べ金利が比較的低いため、返済計画が立てやすい点が大きな特徴。
しかし、その分審査が厳しく、通るまでに時間がかかります。
ご祝儀でローンを返済することも可能ですが、それでも借金であることには変わりません。
ブライダルローンは結婚式の費用をカバーできる手段ですが、しっかりと情報を収集し計画を立てた上で利用するようにしましょう。
まとめ:理想的な負担割合を探ろう
結婚式はお金がかかるので、両親からの援助を受けて費用をまかないたいとお考えの新郎新婦さまもいらっしゃることでしょう。
また結婚式はお二人だけの問題ではなく、両家にとっても大事な出来事です。
両親の意向にも耳を傾けつつ、上手くまとめていきたいところ。
本記事では結婚式の費用の相場や、両親から援助してもらう場合の金額、両家で円滑に話を進めていく方法などをご紹介しました。
お金でもめてしまうと幸せな気分も台無しです。
お二人が両家の架け橋となるように立ち回り、前向きに話し合っていきましょう。