結婚式の受付を頼まれたときの服装マナー

結婚式の受付を任された時は、特に服装やマナーに気を使いますよね。

ゲストとして結婚式に出席するとしても、受付をしている間は新郎新婦や家族と同じくお迎えする側です。服装やマナーだけでなく、ゲストに失礼のないようなスマートな立ち居振る舞いも求められます。

しかし、受付を頼まれるのが初めてだと、どうしたらいいか心配な方も多いでしょう。

そこで今回は、プランナーとして数多くの結婚式を担当した経験から、受付にふさわしい服装やマナーについて解説していきます。

当日の受付の流れや動き、注意点も具体的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

結婚式の受付の役割

受付は、結婚式の顔として重要な役割があります。結婚式に参加するゲストが最初に通るのが受付であり、両家の代表としてゲストを一番に迎える役目があるからです。

そのため、自分自身もゲストでありながら、受付の時は新郎新婦の代理として振る舞わなければなりません。

ゲストリストのチェックとご祝儀の預かり

受付の一番重要な役目は、ゲストの出席確認とご祝儀の受け取りです。結婚式を円滑に進めるためには、誰が来ていて誰が来ていないのか、受付でチェックしておく必要があります。

また、ご祝儀袋には現金が入っているため、両家に渡すまで責任を持って管理しておかなければなりません。

席次表などの配布物を渡す

席次表・エスコートカードなどの配布物や、指定のゲストへお車代を渡すのも、受付の大切な仕事です。

また、ゲストからの質問をスタッフに確認したり、特定のゲストの到着をスタッフに伝えたりなど、橋渡し的な仕事もあります。

慣れない仕事で焦りがちですが、落ち着いて対応することが大切です。

受付係の服装マナー

受付係の服装は、一般のゲストとさほど違いはありません。準礼装を目安に装いましょう。

しかし、結婚式の顔であること、いろいろ動かなければならないことから、受付にふさわしい服装のポイントを紹介します。

受付にぴったりなアイテムを探してみてくださいね。

女性の服装マナーについて

女性はドレスやワンピースで、明るく清潔感のある装いを心がけましょう。ヘアスタイルは、お辞儀をした時に髪が邪魔にならないようアップかハーフアップでセットします。

女性の結婚式の服装マナーについては以下の記事にまとめているので、参考にしてみてください。

▼場が華やぐ色合いを意識

結婚式の顔となる受付には、パステルカラーなどの優しい色合いで、明るく華やかさのあるドレスやワンピースがおすすめです。

黒やグレーを選ぶ場合は、光沢のある素材やコサージュや羽織ものに明るい色を合わせると暗くなりません。原色や柄物は、派手すぎたりカジュアルすぎたりするので避けましょう。

また、受付ではお辞儀や手を伸ばすなどの動作が多いため、胸元が開きすぎずゆったりしたデザインだと快適です。

羽織ものを合わせる時は、ずれ落ちやすいショールやストールよりボレロやジャケットの方がいいでしょう。

▼靴について

受付は立っている時間が長いので、安定感があるヒールパンプスのコーディネートが無難です。
オープントゥやサンダルはカジュアルすぎるため、結婚式にはふさわしくありません。

素足ではなく肌色のストッキングを履くなど、足元にも注意が必要です。

▼おすすめのドレス

画像のドレスを借りる[Cariru]

淡いグリーンが、上品で落ち着きのある女性らしさを演出。さらに、総レースが華やかさをプラスしているのもポイントです。

袖付きなので、羽織ものなしで着ることができます。露出が少ないデザインなので、受付の仕事もスムーズに行えるでしょう。

男性の服装マナーについて

男性のゲストは、スーツでOK。しかし、普段着ているビジネススーツではなく、結婚式用のフォーマルな礼服を用意しましょう。

ヒゲもきれいに剃り、髪型もワックスなどで整えて、身だしなみに気を配りましょう。男性の服装マナーについて以下の記事で詳しく解説しています。

▼受付に相応しいスーツとは？

兄弟などの親族はディレクターズスーツかブラックスーツ、友人や同僚はブラックスーツかグレーやネイビーのダークスーツがマナーです。

ストライプやチェックなどの柄物はカジュアルに見えてしまうので、無地のスーツを選びましょう。

シャツは白が基本ですが、カジュアルな結婚式であれば薄いパステルカラーでも差し支えありません。
柄物を避け、無地か同系色の織り柄などのシンプルなシャツにしましょう。
しっかりとアイロンがけして、シワのない状態で出席してくださいね。

▼ネクタイやチーフで華やかさをアップ

ネクタイは、サテンやシルクなど光沢のあるものを着用しましょう。
色味は白やシルバー、淡いパステルカラーで、無地もしくは細かいドットやストライプなどの派手すぎない柄がふさわしいです。

左胸のポケットにチーフを合わせると、結婚式らしい華やかさがプラスされます。
チーフはフォーマルな場では白が基本ですが、カジュアルな結婚式ならネクタイに合わせた明るい色でもいいでしょう。

ほかにも、装飾の施されたネクタイピンやカフスボタンなどのメンズアクセサリーを合わせると、より華やかに見えるのでおすすめです。

▼靴・靴下について

足元は、ヒモのついた黒の革靴に黒の靴下が基本です。
ストレートチップと呼ばれるつま先に1本のラインが入った靴を1足持っておくと便利でしょう。
受付の日のためにしっかりと磨いておきましょう。

▼おすすめのスーツ

画像のドレスを借りる[Cariru]

ツヤのあるブラックスーツにシルバーグレーのベストを合わせた3ピース。
受付にふさわしい、上品で落ち着きを感じさせる雰囲気があります。
華やかさを添える同系色のストライプ柄のネクタイや、白のポケットチーフがポイントです。

和装での受付もおすすめ

和装での受付も、華やいで見えるので喜ばれます。未婚女性は振袖、既婚女性は訪問着がマナーです。

花嫁が着る白や親族の黒留袖と被る黒は避けて、明るい色の和装を選ぶといいでしょう。和装をきれいに着こなすには、品のある所作を心がけるのがポイントです。

お呼ばれの着物マナーや着こなしについては以下の記事が参考になります。

アクセサリーとメイクのマナー

アクセサリーやメイクにもマナーがあります。受付を頼まれたのであれば、誰が見ても品のいい清潔感のある装いが大切です。

適切なアクセサリーの選び方

指輪は、結婚指輪や婚約指輪のみ。ネックレスは長いとお辞儀の時などに邪魔なので、短いタイプでパールを中心としたシンプルで上品なものがおすすめです。

ピアスやイヤリングは、大振りなものや揺れるデザインは避け、ネックレスと合わせてパールなどの上品なものを選びましょう。

ヘアアクセサリーにも気を配り、花嫁がつける生花や造花は避け、控えめなものを選ぶのがポイントです。アクセサリー小物については以下の記事を参考にしてみてください。

メイクは控えめに

華やかでありながらナチュラルなメイクを心がけましょう。ドレスやワンピースに合わせた、上品で清潔感のあるメイクがポイントです。

派手になりすぎないように、アイメイクを華やかにしたらリップは淡い色にするなど、バランスを考えてメイクしましょう。受付に立つ前にはメイク直しをするなど、身だしなみチェックも大切です。

ネイルケアも行う

手元での受け渡しも多いため、指先も見られやすい部分です。爪も短く切りそろえて、ベージュや淡いピンク系のネイルで清潔感を演出しましょう。

受付を依頼されたら確認すること

受付を依頼されたら、絶対に遅刻はできません。当日の集合時間とアクセスは必ず確認しましょう。

集合時間と場所

新郎新婦に集合場所と時間を確認します。受付を頼まれた場合、詳細は招待状の付箋で知らされることがほとんどです。

受付を頼まれた場合、ヘアセットを美容院で行うこともありますが時間には余裕をもって予約してください。

また、ホテルなどでは同日にいくつも結婚式が開かれている可能性がありますので、場所を間違えないように注意しましょう。

当日の経路とアクセス

集合時間に間に合うように経路を調べるのはもちろんのこと、遅刻しないように万が一の別ルートも確保しておきましょう。

最寄り駅についてから会場までのアクセス方法も併せて確認してください。

当日の流れと受付での対応

最後に、受付の当日の流れや対応について解説します。事前にシミュレーションを行うことで、当日の不安を解消できるでしょう。

受付開始前の準備

受付開始前は準備の時間です。完璧な状態で受付を始められるようにしましょう。

▼早めに会場入りする

受付開始の10分前には式場に到着し、式場スタッフに「受付の〇〇です」と伝えましょう。
受付が始まるまでにお手洗いは済ませておき、手荷物はクロークやロッカーに預けておきます。
結婚式場にて着替える場合は時間に余裕を持ってください。

▼受付同士で挨拶する

式場スタッフから受付の仕事について説明を受けたら、受付同士で役割分担をしておくとスムーズです。
自己紹介の挨拶からの流れで決めておくのがおすすめ。
名前を確認する係、配布物を渡す係、クイズなどの演出の案内をする係など必要に合わせて決めておきましょう。

受付中の注意点

受付が始まれば、あとは流れ作業です。受付係の仕事内容については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

▼列席者にしっかり挨拶する

受付にいる時は、笑顔を心がけましょう。
ご祝儀を受け取ったり配布物を渡したりする時も、明るく爽やかに受け答えすることで印象が良くなります。

また、ゲストから、お手洗いの場所や控室について聞かれることもあるので、事前に確認しておくと安心です。

▼ご祝儀袋の名前を確認する

ゲストから預かるご祝儀袋にゲストの名前が記載されているか確認しましょう。
名前がないと誰からのご祝儀だったのか分からなくなってしまいます。
もし無記名のご祝儀袋を渡されたらその場で記入してもらいましょう。

▼受付が始まると受付から離れられない

一度受付を開始すると受付から離れることは難しいです。
預かったご祝儀があるので、受付中にどうしても離れる際は1人以上は担当者が残るようにしましょう。

受付終了後の流れ

ゲスト全員が揃ったら受付を終了します。時間になっても来ないゲストがいる場合は、式場スタッフの指示に従いましょう。芳名帳やチェックリスト、ペンなどは、まとめて置いておいて大丈夫です。

▼ご祝儀は必ず指定された場所へ

ご祝儀を誰に渡すのか式場スタッフに確認し、両家の両親など指定された方に渡したら受付の仕事終了です。
必ず初めに言われた通りにご祝儀を保管しましょう。
途中で変更になることはまずないので、他の人に渡さないようお願いします。

▼受付が終わっていない場合は済ませる

自分達の受付を開始前に行えなかった場合は、終了後に行います。
芳名帳への記帳や配布物も忘れずに受け取っておきましょう。

まとめ：結婚式の受付は服装もばっちりにして受けよう

受付は、ゲストが式場に入って最初に向かう場所。受付を任された方は、結婚式の顔として、新郎新婦や家族、親族に代わってゲストを迎える立場になります。

服装やマナーがほかのゲストと変わるわけではありませんが、上品で清潔感のある装いを心がけることが大切です。また、お辞儀をしたり手を差し出したりと動作も多いため、動きやすい服装にすることもポイント。

受付はやることも多いです。結婚式当日はゆとりを持って式場に入り、ほかの受付係と協力してスムーズに進められるように気を配りましょう。