結婚式の準備中に身内に不幸があるとしばらくの期間は喪中となり、結婚式の日程とかぶってしまうかもしれません。
喪中期間に結婚式をあげてもいいのか不安になりますよね。
「そもそも喪中ってなに?」
「喪中に予定通り結婚式をしても良いの?」
「延期するなら、どうすればいい?」
本記事では、喪中と結婚式が重なってしまいどのように対応したら良いか困っている新郎新婦さまの疑問にお答えします。
喪中の際に、結婚式を開催するか延期にするかを検討するヒントにしてくださいね。
喪中はいつまで?
身内に不幸があると、喪に服す期間「喪中」があるのをご存じですか。
不幸は突然やってきます。
結婚式の準備を進めている最中でも喪中になる可能性はあるでしょう。
喪中になると、結婚式についてもさまざまな変更が余儀なくされます。
もしも何かあった場合にも落ち着いて対応できるように、まずは喪中についての知識を深めましょう。
喪中の意味
喪中は、仏教の考えに基づいて故人を偲び、静かにつつましく暮らす期間のことで最大で約1年間です。
期間中はお祝い事は控えるのが一般的で、新年のお祝いや結婚祝い、新築祝いなどの慶事は行いません。
ただし、節分やひな祭りなどお正月以外の年中行事やお寺への参拝などは行っても大丈夫です。
結婚式はお祝い事にあたるため、喪中になると対応を検討する必要があるでしょう。
▼ 忌中とは
忌中は、神道の「死を穢れのあるもの」という考えに基づき、穢れを他人に移さないように外部との接触を避ける期間です。
お祝い事を控え、お酒などを伴うパーティーなどには参加せず、外出せず静かにつつましく生活するというのは喪中と同様。
喪中との違いは、仏教では四十九日の法要、神道では五十日祭が終わると忌明けとなることです。
また忌中は、穢れを神社に持ち込まないため神社への参拝を禁止されているのも、喪中とは異なります。
仏教と神道でも違うようにキリスト教でも考え方は異なり、宗派や地域による違いもあるので両家で意見を合わせるのが大切です。
喪中の期間とは
喪中がいつまでかは、故人との血縁関係によって異なります。
明治時代には続柄によって明確に法令で定められていましたが、現在は厳密な期間は決まっていません。
一般的に近親者であるほど長くなり、最大で約1年間です。
それ以外の喪に服する範囲は個人差があり、個々人の悲しみの大きさによって変化するでしょう。
また、故人との関係性が深い場合は喪に服す、孫と祖父母であっても同居していない場合は喪中としないなど様々な考え方があります。
故人との関係性 | 喪中の期間 |
親・配偶者 | 12ヶ月~13ヶ月 |
子ども | 3ヶ月~12ヶ月 |
祖父・祖母 | 3か月~6ヶ月 |
兄弟姉妹 | 1ヶ月~6ヶ月 |
なお、故人が亡くなってからの約50日間は喪中であると同時に忌中でもあります。
50日をすぎると忌は明けますが、喪中は継続されます。
喪中に結婚式をあげても大丈夫?
ここからは、喪中の期間に結婚式をあげてもよいかどうか解説します。
喪中は明確に定められているわけではなく文化として根付いているもので、時代とともに変化していく部分もあるでしょう。
結婚式ではさまざまな年代のゲストが出席するので、喪中の結婚式に対する考え方にも違いがあるかもしれません。
喪中期間の結婚式についての考え方を知り、自分たちの結婚式ではどうするか検討する際の参考にしてくださいね。
忌中は挙式も食事会も避ける
一般的には忌中に挙式や披露宴を行うことは避けます。
喪中であればOKとしていても、忌中はNGと考える方も少なくありません。
食事会などお祝いの席に当たるものも延期するのがよいでしょう。
ご祝儀も結婚祝いに当たるので受け取らないものとされます。
▼入籍や新婚旅行はOK
お祝い事に当たらないものであれば、忌中や喪中を気にする必要はありません。
入籍もあくまで届け出を出すだけなので、お祝いには当たらないという考え方です。
喪中の結婚式に関する考え方
喪中期間はお祝い事は控えるとされるため、喪が明けてから結婚式を行うのが基本の考え方です。
婚約はしたけど結婚式の日取りが決まってない場合には、喪が明けるのを待ってから結婚式をあげるのが無難でしょう。
また忌が明ければ、喪中であっても結婚式をあげるという考え方もあります。
結婚式の日取りが決まって、準備を進めている最中に身内に不幸があった場合の開催を判断する基準はさまざまです。
以下のような要素も考慮しながら決めることになるでしょう。
- 故人との関係性
- 結婚式までの残り日数
- 両親や親族の考え
- 新郎新婦さま自身の考え
▼結婚報告はがきも控えるべき?
喪中の際はお祝い事を避けるのがマナーですので、年賀状や結婚報告はがきは控えるべきとされています。
お正月と喪中が被る場合は喪中はがきを出しますよね。
その代わり、季節の挨拶状である「暑中見舞い」や「寒中見舞い」は、喪中でも出して良いもの。
相手の体調を気遣ったり、近況を報告する目的のお手紙であり、お祝い事の報告ではありません。
その中で、あくまで近況報告のひとつとして結婚したことを話題に触れるという方法でお知らせすることができます。
喪が明けるタイミングまで待って結婚報告はがきを出すか、季節の挨拶状の中で報告するかどちらかの方法を選択しましょう。
▼ゲストが喪中の場合、結婚式に参加してもらうのはマナー違反?
ここで出席する予定のゲストが喪中の場合についても、対応をご紹介します。
最近は忌が明ければ喪中でも出席してよいとする考え方もあり、喪中でも出席してもらうことはマナー違反とまでは言い切れません。
もし喪中になったことで出欠席を迷っているゲストから相談されたら、無理に断る必要はないでしょう。
トラブルを避けるためにも、喪中であることを他のゲストには言わないでもらうなど配慮した上で出席してもらうと良いですね。
ただし他のゲストの中には、喪中で結婚式に参列することを好ましく感じない方も。
親族や新郎新婦さまが気にする場合はお断りしても大丈夫です。
結婚式を中止・延期するかの判断方法
喪中でも結婚式を開催するか、延期または中止にするかは、とても判断の迷うところ。
どういう基準で開催・延期またはキャンセルを決定するのかご紹介します。
喪中でも結婚式を開催する判断基準
喪中でも結婚式を開催するケースも0ではありません。
日程変更が難しかったり、親族が喪中を気にしない場合などは延期せずそのまま開催することが多いでしょう。
▼日程変更が難しい場合
式場の予約から開催日が近づくほど、ゲストに予定を変更してもらうのも大変になりますし、キャンセル料も高くなります。
結婚式まで残りわずかで延期すると高額な手数料を払わないといけなくなってしまうため、やむを得ず予定通り行う方も。
ゲストに招待状も発送済みで、直前の延期は迷惑になると判断した場合も開催に踏み切ることが多いです。
▼喪中を気にしない場合
故人が結婚式をあげることを望んでいた場合には、喪中でも結婚式を開催するという判断をされることもあります。
親族が喪中での結婚式を気にしないのかどうかがポイントです。
喪中で結婚式を延期にする判断基準
結婚式前に日取りをゲストに案内していない場合は、喪が明けるタイミングに延期するのが理想的です。
また、気持ちの整理が付かないまま結婚式の準備を行うのは大変なので、悲しい気持ちが落ち着くまで延期する方法もあります。
▼悲しみが深い場合
結婚式は当日のみならず、半年前ほどから準備を進めます。
その期間を悲しい気持ちのまま過ごすのは大変です。
無理をせず延期するというのも手の1つでしょう。
▼喪中を気にする場合
親族の中には、喪中の期間に結婚式をあげるべきではないと考える方もいらっしゃるかもしれません。
理解が得られないまま無理して結婚式を行うより、延期すると良いでしょう。
喪中のため結婚式を中止にする判断基準
新郎新婦さま自身や近しいご親族の心が癒えていない場合は、中止にするというのも1つの方法です。
突然のお別れにショックが大きいままでは、結婚式をあげる気持ちにもなれず楽しめませんよね。
心が癒える時期を予測することも難しいので、一旦白紙に戻して、ゼロから考え直すという選択をする方もいらっしゃるでしょう。
結婚式を延期・中止する場合の注意点
喪中のために結婚式を延期または中止と判断をした時の注意点をご紹介します。
延期する期間や、中止する場合のキャンセル料などをご案内していますので、参考にして下さいね。
結婚式はどれくらい延期すればいいか
喪中で結婚式を延期すると決めた場合、どのくらい延期すればよいのでしょうか。
喪が明けるタイミングまで延期するのが、最も好ましい選択です。
先述したとおり、故人との関係性によって喪中の期間が変わりますので、最大で約1年の延期となります。
忌明けなら喪中でも結婚式を開催するという考え方もあるので、どのくらい延期するか両家でよく話し合って決めましょう。
結婚式を延期・中止する際の手順
予定していた結婚式を延期したり中止したりする場合の手順についてご紹介します。
延期や中止はタイミングによっては料金がかかってくるので、注意しましょう。
また大勢のゲストに関わることなので、失礼のないようにしっかりと手順を踏んでいけるといいですね。
- キャンセル料・延期料の確認
- 式場への連絡
- 親族やゲストへの連絡
1.キャンセル料・延期料の確認
結婚式の日取りを変更やキャンセルする場合には、式場の規定によって延期料やキャンセル料がかかってくることが多いでしょう。
結婚式までの日数によって金額が異なり、近ければ近いほど高額になります。
そのため延期や中止を決めた場合には、規定に則ってできるだけ早く手続きを済ませた方が、余分なお金がかかりません。
延期や中止を決める前にも、必ず式場の規定を確認して、延期料やキャンセル料を踏まえて検討すると良いでしょう。
結婚式の延期、中止の費用については以下の記事で詳しく解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/8284/
2.式場への連絡
延期や中止を決めたら、すみやかに式場の担当者に連絡を入れましょう。
契約書を手元に用意して、延期したい理由と、新しい日取りの希望日をお伝えします。
電話連絡だけでは出来ないので、その上で契約書や印鑑を持って式場へ足を運び、正式に延期やキャンセルの手続きをしましょう。
3.親族やゲストへの連絡
式場での手続きが済んだら、できるだけ早く親族やゲストにも連絡しましょう。
大勢のゲストがお二人の結婚式のために予定をあけてくれているので、いち早くゲストにお知らせする必要があります。
主賓や上司といった目上の方から順に連絡しましょう。
なるべく直接会ってまたは電話でお伝えすることがベストです。
友人や同僚など親しい間柄であればメールやLINEでの連絡でもOK。
その上で改めてお詫び状を送付し、新しい日取りについてお知らせするという手順を踏むと丁寧でしょう。
受付や挨拶、余興などは改めて招待状でお願いするのがマナーです。
喪中でも結婚式を開催する場合の注意点
喪中であっても結婚式を開催する場合の注意点についてご紹介します。
結婚式の準備が進んでいる段階で喪中になると、手数料も高額になってくるため予定どおり開催することもあるでしょう。
その際には、どんな点に注意をすると良いか解説しますので、参考にしてくださいね。
両家の親族へ理解を求める
両家の両親はもちろん親族にも、結婚式を予定通り開催することを理解してもらい、みんなから祝福されることが理想的です。
親族には両親から説明してもらうなど、結婚式の開催を認めてもらえるように手を尽くしましょう。
スピーチで故人の話に触れる
披露宴のスピーチの中で、故人の話について触れると良いでしょう。
結婚式には故人も出席することを楽しみにしていた旨や新郎新婦さまの想いを表現すると、ゲストも開催への理解が深まります。
合わせて故人へ向けたメッセージなどを出席者と同じように用意することで、一緒にお祝いしているという意識を持つことが可能です。
披露宴も二次会も内容を控える必要はなく、見せたかった内容そのままで開催しましょう。
参列者に改めて開催の連絡をする
ゲストの多くが身内に不幸があったことを知っている場合には、ゲストも結婚式の開催を気にかけてくれていることでしょう。
身内に不幸があって喪中ではあるけれど結婚式を開催すること決めた旨を、改めてお知らせするとゲストも安心です。
その際になぜ開催することにしたのか、理由についても軽く触れておくと気兼ねなく出席しやすいでしょう。
お祓いを行う
神前式を行う場合は、死の穢れを払うためにお祓いをしなくてはいけません。
ただし忌中は神社への立ち入りが禁止されているので、忌が明けてお祓いをしてから、結婚式を開催するようにしましょう。
まとめ:喪中での結婚式は慎重に開催しよう
結婚式を予定しているタイミングで大切な人が亡くなってしまうと、悲しみはもちろん結婚式の開催についても不安になりますよね。
本記事では、身内に不幸があり喪中になってしまった時の、結婚式の開催・延期や中止について詳しくご紹介しています。
喪中の期間や、開催・延期・中止を判断する基準、それぞれの注意点など本記事を読めば喪中の結婚式の悩みを解決できるでしょう。
大切な人が亡くなるという辛い状況の中で、自分たちの結婚式についても考えないといけないのはとても大変。
本記事が少しでも役立ち、心穏やかに結婚式を迎えられるといいですね。